「梅干しの星」
幾つもの星を巡ってきた私だが
こんな不思議な星は
今まで訪れたことがなかった
梅干しの星
この星で成る木は
全て、梅が実る
梅干しの星
決して梅の木でなくても
全て、梅が実る
やがて実った梅をしばらく放置すると
全てが梅干しとなる
本来、梅の実を梅干しとするには
予め塩漬けした上で干すのだが
この星ではその過程に入ることなく
勝手に梅干しとなる
風味も梅干しそのものだ
そしてこの星の住民は
常に梅干しを食べる
朝昼晩、すべてが梅干しだ
もちろん梅干しの数に困ることはない
この星で成る木は
全て、梅が実るのだから
梅干しの星
全ての食事の全ての献立が
梅干しである
梅干しの星
お茶の時間のお供もお酒の肴も
梅干しである
ところで上述のように
梅干しの星にもお茶やお酒はあるのだが
お茶はもちろん梅茶だし
お酒は梅酒だ
というか
お茶は梅茶しかない
先ほど言ったように
この星の木は
全て梅の木である、訳ではないのだが
(もちろん梅の木が圧倒的に多いが)
どの木の葉で茶を作ろうとしても
梅茶となる
お酒に関しては
梅サワーも存在するが
基本的に梅関連のものしかない
口元が酸っぱくなる
梅干しの星
地から湧き出てくる真水も
ほんのり梅の味
梅干しの星
よく見れな住民の衣服の素材は
梅の木の葉
本当に梅干し尽くしだなこの星は
そういえばこの星は
地面がとても柔らかいように思う
これまで訪れてきた星の中では
最も柔らかい地面だと言える
これは本当に地面なのか
試しに突いてみた
まるで何か
柔らかい果物を突いているかのようだ
摘まんでみる
柔らかい皮と果肉のようだ
食べられるだろうか
口にしてみた
うむ
酸っぱい
だが
食べられる
つまりは
そういうことだ
梅干しの星
どうやらこの星全体が
1つの梅干し
梅干しの星
どうりで水も梅風味な訳だ
1つの梅干し
とても不思議な星だったが
私は意外と梅は得意な方なので
十分楽しむことが出来たよ
ところで
次に訪れた星も実に興味深かったのだ
それは確か
煮干しの星という……




