8話 新しいステータス
上官に対しての侮辱、命令無視、軍からの逃亡がバレて魂が抜けたような表情をしてながらその場で立ち竦んでいた。エイラがロキに話しかけた。
⦅ロキ二等兵。新しい身体の調子はどうですか⦆
意識を覚醒させ直ぐに身体の確認をする。
「はい。エイラ少佐、問題はないと思います。ただ真っ暗なので確認ができません」
⦅明かりをつけましょう。施設に残っているエネルギーは僅かですので急ぎなさい⦆
エイラはナノメタルを遠隔操作して施設の明かりをつけた。
暗かった空間に光が差した。それは機械的な光で文明の明かりだった。
「おっ、あっ、明かりだ。おーーーーーーこの部屋結構広かったんだ。目の前にあるこれが転生カプセルかもう動かないのか?」
部屋に明かりがついて。視線を動かし部屋の中を確認する。約2年程世話になった転生カプセルを確認した。
⦅ロキ二等兵。転生カプセルよりも新しい身体に異常がないか確認しなさい⦆
命令を受けたロキは自分の新しい身体を念入りに確認する。
「異常ありません。エイラ少佐」
逃亡がバレたロキは必要以上に敬いながら応える。
⦅ではロキ二等兵。ステータスを確認しなさい⦆
エイラに言われて気付いたステータスだ。新しい身体になったからステータスも変わってるはずだ。
「ステータス・オープン」
目の前に半透明のステータス画面が現れた。
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名前 ロキ
種族 混成鋼体
性別 男性
種族level level1
職業 なし
称号 異世界人 転生者
HP 328
MP 152
腕力 37
体力 35
俊敏 42
魔力 29
精神 26
装備
武器
右手 なし
左手 なし
防具
頭 なし
身体 なし
腕 なし
足 なし
靴 なし
アクセサリー
首 なし
腕 なし
右指 なし
左指 なし
魔法
なし
スキル
常時スキル
<闘気level1> <基礎格闘技level1> <身体操作level1> <自己治癒率アップlevel2>
発動スキル
<腕力一時向上level1> <俊敏一時向上level1>
ユニークスキル
<完全適用level7> <負けず嫌い>
NS因子スキル
<生存本能level2> ??????
サポートスキル
??????
兵装
なし
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ロキはステータス画面が表示されてから、ステータスの内容を確認していた。
「種族が混成鋼体になってる。正直意味がわからないな」
自分の種族が変わったので考え事してたら、エイラが話し掛けてきた。
⦅これはロキ二等兵のステータスか!⦆
「えっ、見えるんですかステータス画面、エイラ少佐」
⦅見える。種族が混成鋼体になってるな......まったく新しい種族だ⦆
「エイラ少佐。本当に見えてるんだ」
⦅移動して正解だった。こんな副産物があるとは興味深い⦆
エイラが感心してた時にロキは心の中で俺にプライバシーの侵害だと憤怒していた。
⦅ロキ二等兵にプライバシーの侵害はない⦆
ロキはなんで知ってるのと表情する。だって内容は心の中で話したんだぞ疑問に思ってると声が聞こえる。
⦅ロキ二等兵。疑問に答えようロキが口に出さず、頭や心の中で考えた内容は全て聞こえ来るし、ロキ二等兵が見たものも認識できる。不思議な感覚だ。長い時間生きているがこんなことは初めてだ⦆
エイラが淡々と説明しているが、ロキは驚愕していた。そして感情を爆発させた。
「俺に、俺にプライベートはないのかーーーーーー!?」
⦅ロキ二等兵に必要ない⦆
エイラは淡々と話す。
「あっ、あーーーーーー......」
ロキは発狂した。
――――ロキが発狂して10分程経過した。
⦅ロキ二等兵。時間の無駄です。ステータスを確認しなさい⦆
深く深呼吸をする。心が静まり返る。
「わかりました。えーーーーーーと次は。あっ、称号が増えてる転生者か......生まれ変わりましたから転生者はあるか内容を確認してみよう」
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称号 転生者
説明 転生した人
補正効果 魔法やスキルが習得率微アップ+熟練度微アップ
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「転生者の称号は結構いいな。魔法やスキルが覚えやすくなるのか」
⦅ゼイナル帝国では好んで転生カプセルを使って転生するものもいた。かなり有効的な称号⦆
エイラと一緒に称号の確認をした。
「次はHP・MP・腕力・体力・俊敏・魔力・精神の値かうーーーーーーん。これはどうなんだlevel1でこれなら高いのか? HPとMPは3桁いってる......あとは腕力・体力・俊敏・魔力・精神の値は俊敏が一番高くて魔力と精神が20代の値かこれはどうなんだ。基準値がわからない。エイラ少佐も見てるんですよね」
⦅ロキ二等兵。不思議な感覚ですが見えてますよ。この数値でしたら優秀です。level1の平均値の倍以上の数値でHPと俊敏の数値は3倍以上です⦆
数値が優秀と聞いて喜んだ。
⦅ロキ二等兵。数値はあくまで目安になります。訓練しだいで熟練値が上がり数値が変わる可能性があります。前に説明しませんでしたが数値が下がる場合もあります⦆
「えっ、数値が下がるんですか」
⦅有機生命体であれば年を重ねると数値が下がります。あとは身体を動かせない者、寝たきり状態でも数値が下がります。熟練値は数値で表現されませんだからこそ日々の訓練が必須です。ロキ二等兵⦆
「加齢で数値が下がるのか......当たり前といえば当たり前か年齢を重ねれば数値が下がると」
⦅そうです。先ほども説明しましたがあくまで目安です。ロキ二等兵は転生システムの中で何度も訓練をしたはずです、level1の状態で攻撃を避け攻撃を加えていました。数値が高くともそれをどう生かすかは本人しだいです。ロキ二等兵。日々の訓練は必須です。⦆
嫌な予感がする。
⦅ロキ二等兵。日々の訓練は必須です⦆
「感情の声を聴かないで下さい」
⦅聴いているのではなく聞こえてくるんだ。それよりも次の項目は現状一番重要だ。直ぐに確認しなさい⦆
ステータス画面を確認する。
「装備。武器や防具は全部なしか......装備してないし......そう......びはない」
身体を確認する。明かりがついていない時は気付かなかった。衣服を着ていないそういわゆる真っ裸だった。
「あーーーーーー服。エイラ少佐、服はないですか?」
⦅ロキ二等兵気付くのが遅すぎる。仕方ない......ナノメタル達よ集え⦆
エイラの呼び声が頭の中だけじゃなく外にも発声した、それと同時にナノメタルが集まりだす。
「エイラ少佐これがナノメタルですか」
⦅ロキ二等兵はナノメタルは映像でしか見たことがなかったな。電子生命体にとっては手足であり助手だ。ナノメタル達よ形を造れ⦆
ロキの体に密着して集まりだし形を造っていく。
「うわ、おっ、おーーーーーー服になった。凄いナノメタルにはこんな使い方があるのか」
⦅ロキ二等兵。感心するのはいいが今回だけだ⦆
(どうしてですか、出来たら武器も造って欲しいんですか」
⦅ロキ二等兵。ナノメタルの無駄遣いはできない。現状補充ができないからだ。それに武器を造るには攻撃型のナノメタルが必要だ。その衣服になったナノメタルでは防御力はない。防御型のナノメタルではないからだ、今使っているのは補助型のナノメタルだ⦆
「そうでした。ナノメタルの補充ができないんですよね。ナノメタルも種類があるんでした」
⦅そうだ。補助型のナノメタルではこういう使い方が得意だ⦆
ナノメタルが集まり大きな鏡になった。
⦅ロキ二等兵。自分の目で確認しなさい⦆
鏡の前に立ち写り込んだ自分を見る。性別は男で年齢は10代で高校生ぐらいか顔は美形だマジイケメン。髪は黒く短髪だ。目の色は黒で瞳の奥を覗くと機械的なものが見える。今は気にしないでおこう。
全体的に西洋系の顔をしているがどことなく日本人の顔も混ざってる感じだ。ハーフかな。身長は前より高く、前に比べて10センチ程たかいから185センチだ。夢の180代だずっと180センチを超えたいと思っていた。脂肪はまったくなく見た目は痩せ型だが筋肉がしっかりついてる。細マッチョだ。動きやすさを重点においてるのかそんな感じだ。
誰がこのキャラデザ考えたのマジで理想な自分だ。見た目は普通の人間だ瞳の部分だけ機械的だが確認できる範囲ではわからない。
「――――ん、もしかしてこの写っている自分の姿は、理想の自分?」
⦅ロキ二等兵。その可能性あるでしょう。転生システムがあなたの理想と最善な最適を選んだでしょう⦆
ロキは転生カプセルに手を置く。
「ありがとう。理想叶えてくれて」
「次は魔法はなにも覚えてないですね」
⦅先天的に覚えられなかったようです、あとは魔法書で適正があれば覚えられるでしょう⦆
「魔法書か早く魔法使ってみたいな」
「魔法の次はスキルか......常時スキルで<闘気>・<基礎格闘技>・<身体操作>・<自己治癒率アップ>スキルを覚えてる。あんだけ訓練したからな<自己治癒率アップ>スキル以外はlevel1だけど嬉しいな。早速スキルの内容を確認しよう」
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常時スキル <闘気>
説明 levelに適した能力で闘気を身体に纏い身体的能力を向上させる。
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常時スキル <基礎格闘技>
説明 levelに適した能力で基礎近接格闘能力を向上させる。
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常時スキル <身体操作>
説明 levelに適した能力で的確に身体を操ることができる。
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常時スキル <自己治癒率アップ>
説明 levelに適した能力で身体的怪我やHPの治癒率を上げる。
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「どれも訓練での経験で覚えられたスキルだ。一番気になるのは<闘気>スキルだ戦闘時に必要なスキルでlevelに応じて身体的能力を向上させる。まだ、level1だけど強力なスキルだ。訓練を頑張ったかいがあった」
うんうんとあの厳しい訓練を思い出していた。
「よーーし。次は発動スキルの確認だ......<腕力一時向上>・<俊敏一時向上>スキルを覚えてる。これは内容は分かるけど一応説明を確認しよう」
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発動スキル <腕力一時向上>
説明 levelに適した能力で一時的に腕力値を向上させる。
効果 10分間、10%腕力値を向上させる。クールタイム30分
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発動スキル <俊敏一時向上>
説明 levelに適した能力で一時的に俊敏値を向上させる。
効果 10分間、10%俊敏値を向上させる。クールタイム30分
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「やっぱり名前の通り腕力値と俊敏値を向上させるスキルだ。残念だけど<闘技>スキルは覚えられなかった」
⦅ロキ二等兵。<闘技>スキルは残念ですが素晴らし成果でした。level1の状態でこれ程のスキルを所持してるとは上官として嬉しいです⦆
エイラに褒められたので声を張り上げる。
「これも全てエイラ少佐のおかげです」
⦅えぇ。私が作り上げた対戦訓練カリキュラムの成果です。今後のこと考えたカリキュラムを考えましょう⦆
悪寒がして凄く嫌な予感がする。
ステータス画面を見ていたエイラから話し掛ける。
⦅ロキ二等兵。ユニークスキルに新しいスキルが増えてます。確認をしなさい⦆
(はい。ユニークスキルに新しいスキルと......<負けず嫌い>スキルだ。負けず嫌いになるのか?。内容を確認しよう」
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ユニークスキル <負けず嫌い>
説明 敵対象に対して競争心を抱き敵対象の能力や才覚が自分より強ければ強いほど能力が向上する。
効果 発動原因不明 クールタイムなし
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「<負けず嫌い>スキルは面白いな敵対象が強ければ能力が向上するのか。だけど、発動原因不明って発動条件がわからないってことか発動の仕方を探さないと」
⦅ずいぶん特殊なユニークスキルを取得しました。よくやりました、ロキ二等兵⦆
⦅次がNS因子スキルです。NS因子スキルはナーガウロボロスの種族固有スキルに近いでしょう。そして取得したスキルが<生存本能>スキル、実に興味深いです。生存本能は生きとし生けるものなら必ず持ってる生きる本能、それがスキルとして発動している。ロキ二等兵早速スキルの内容確認しなさい⦆
饒舌にNS因子スキルの説明していたエイラに緊張して声を張り上げる。
「はい! エイラ少佐」
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NS因子スキル <生存本能>
説明 levelに適した能力で自身が生存をかけた危機的状況に応じて能力を向上させる。
効果 危機的状況の危険度によって全数値を異常向上させる。また全スキルのlevelを1加算する。<生存本能>使用後、生存していれば大幅に全数値が上がる。
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<生存本能>スキルの内容を確認して唖然とした。それほど協力だった。
「なっ、滅茶苦茶すぎる。強すぎだろ、発動原因が危機的状況だけど強すぎる」
⦅ロキ二等兵に同意します。余りにも強力過ぎるスキルです。ですがナーガウロボロスの強さの一端がわかりました⦆
余りにも強力過ぎるスキルに唖然としたが次のスキルを確認する。
「次はサポートスキルか意味がわからない。サポート......考えてもわからない。エイラ少佐は分かりますか」
⦅サポートスキルですか......情報を検索しましたが検索されません。新しいスキルみたいですね。このスキルもとても興味深い⦆
「次で最後か......兵装? 兵器? これも分からない。だいたいスキルなのか? エイラ少佐分かりますか」
⦅兵装ですか。兄弟達が研究しているナーガウロボロス用の兵装でしょう。兵装の研究の成果を確認するため探した方がいいでしょう。対ナーガウロボロス戦に必要となるはずです⦆
「はい。第一優先事項は電子生命体を探すことですので兵装も一緒に探します」
⦅ロキ二等兵。ステータスも確認しました。早速行動しましょう。施設の残りエネルギーも後僅かです⦆
「はい。エイラ少佐」
自身の新しいステータスの確認が終わり、実験室の周りを確認しながら動き出す。