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44話 ドレインとパーティー2

 グレーテル城塞都市で一番と称えられる鍛冶の腕を持つ店主がいるお店のマリ装備屋の中にロキとドレインはいる。


 店の入り口でマッスルポーズをしてる店主に。

 「お、おはようございます。ウィリアムさん昨日はどうもありがとうございます」

 ロキの挨拶が終わるとドレインは会釈する。


 ウィリアムはマッスルポーズのポージングを変えて。

 「昨日ぶりだなロキ。ネームドモンスターの素材はあるぞ。今、ハルカが確認してる」

 「冒険者ギルドでレイカさんから聞きました。それで新しい装備の製作時間はどのくらい掛かりますか?」

 「短剣に希望はあるか?」

 「そうですね――」


 ロキは短剣のイメージを考えた。今までは持ちやすいことを一番に考えていたが、ゴルバの戦闘では使うことがなかった――出来ない理由があった。単純に鉄の短剣の攻撃力では傷をつけることもできずにいただろう。 


 そのため短剣に求めるのは――。

  

 「一番は鋭さを攻撃力を求めます」

 「ふむ」

 「次に頑強です。よく壊すので頑強な短剣が欲しいです。あと刃の長さも大き目にして下さい。ただ持ち運びがしやすい様に後ろの腰にかかるのを希望します」

 「それがロキの希望か..短剣よりは長くショートソードより短い剣か..ふむ、わかった。ロキの希望にあった武器を作ってやろう」


 ロキとウィリアムが新しい短剣のことで相談してると、奥の部屋からハルカが出て来た。


 「あ、おはようロキさん。 もう、お父さんロキさんが来てるんなら教えてよ」

 

 ウィリアムが片手をかかげる。

 「すまんすまん。 だが、ハルカだって素材が運ばれて来てからずっと集中してただろう」

 「そうだけど..」


 父親のウィリアムに注意されて口を尖らせているハルカに。

 「おはようハルカさん。それで素材の方はどうでしたか」

 「解体も完璧でいい素材だよ。これなら最高の防具が作れるよ」

 「最高の防具か..さっきウィリアムさんにも聞いたんですけど製作時間はどのくらい掛かりますか?」

 「そうね前にロキさんが言ってたイメージで作成すると..10日欲しいかな。お父さんはどう?」

 「武器の時間も同じくらいだな」

 「10日ですね。あと料金はいくら掛かりますか?」

 

 ウィリアムとハルカはお互い向き合って話し始める。

 「私の方はミスリル糸を使うから結構高額になるよ。お父さんの方は?」

 「俺も同じだな。血液とミスリルを混ぜるからな」


 ウィリアムとハルカは専門的な話していて、素人のロキとドレインは話しの内容が分からないでいた。


 ロキとドレインはお店で売っている武器を見ながら談笑していると、ウィリアムが声を上げる。


 「ロキ余った素材はどうする。爪、毛皮、血液は大量に残ると思うが、それで製作費を相殺してもいいぞ」

 「えっ、できるんですか」

 「何かいも言うがネームドモンスターの素材はかなり貴重だ。王都のオークションに出せば王族や貴族が競っていただろう」

 「相殺か..」


 ロキはドレインに視線を向けた。この世界で初めてできた友達だ。何かをプレゼントはできなかと。

 「ウィリアムさん爪は短剣を作ってくれませんか、それで製作費はいくらになりますか」

 「そうだな..大金貨2枚..嫌..1枚で大丈夫か」

 

 ロキは大金貨を取り出してウィリアムに渡す。

 「これでお願いします」

 「ん! ロキ大金貨2枚あるぞ。1枚でいいぞ」

 「貴重なミスリルを使うみたいですし大金貨2枚を払います。それと、これからドレインと一緒に古き新緑の森で探索するので、装備を売って下さい」

 「大金貨2枚受け取っておく。装備は..これと..これだな」

 「えーーと金額は?」

 「持っていけサービスだ。大金貨2枚でかなり利益がでたからな」

 「でも..ありがとうございます。ウィリアムさん」

 ロキはウィリアムを見てお金を払うのを諦めた。たぶん渡しても受け取らないだろう。


 ロキは改めてウィリアムとハルカを見て。

 「ウィリアムさんとハルカさん新しい装備の製作お願いします」

 「おいおい、ロキそんなに畏まらなくってもいいぞ。お金は貰ってるんだ」

 「そうですよロキさん」


 ロキは日本人だった頃の癖で礼儀を尽くしていたので苦笑いをする。

 「確かにそうで..ね。10日後に伺います」

 「おう任せろ」

 「ロキさん気を付けて下さい」

 

 ロキとドレインはマリ装備屋に出てから路地裏に移動していた。先程サービスして貰った装備に着替えるためだ。


 ロキが装備を着替えるので、ドレインが見えないにカバーをしている、ドレインは背中ごしで話す。


 「ロキこの後は直ぐに古き新緑の森に移動するのか?」

 「俺の準備は大丈夫だけど、ドレインは大丈夫かポーションとかあるのか?」


 ドレインは肩に掛かっている弓を触る。

 「俺も装備は大丈夫だ。ポーションも親父から貰ってる」

 「..食料はどうする。干し肉でも買いに行くか?」


 ロキはマナさえあれば活動できるので、干し肉等の食料は必要なかった。だが、今はドレインがいるので。 


 「..干し肉か。食料なら現地調達でいいんじゃないか。一日食べれなくっても次の日に戻ってくればいい」

 「そうだな。 ..よし終わった行くか」

 ロキは着替えが終わり声を掛ける。


 グレーテル城塞都市の西門から出て、古き新緑の森に向かう途中の草原でロキはドレインに呼び止められた。


 「ロキ待て..右足を違う場所を踏め、そこは駄目だ」

 「えっ!」

 ロキは言われた通りに右足の着地を返る。


 ロキはドレインに視線を向ける。

 「ドレインどうしたんだ..」

 

 ドレインはじっと地面を見ている。

 「..ロキこれ見えるか?」

 

 ドレインが見てる箇所を見るが分からない雑草があるだけだ。

 「..ドレイン雑草に何かあるのか?」


 ドレインは首を横に振って否定する。

 「違う。ここと..ここと..ここを見てくれ」

 ドレインは指を指す。 


 ロキはドレインが指した場所を見ると。

 「..雑草が潰れてるな。もしかして足跡か?」

 

 ドレインは頷く。

 「そうだ。ここと..ここも見てくれ」


 ロキは地面を観察するとぼんやりと足跡がイメージできる。

 「これか..何となくわかるよ」

 「たぶん..一角ウサギの足跡だ。それにこの足跡はまだ新しい」


 ドレインが辺りを見渡して痕跡を探す。


 ロキは忘れていた<気配察知>スキルはを使うと。

 

 ⦅ロキ二等兵言ったはずだぞ<気配察知>スキルは注意しとけと、ナノメタルでのファローはもうないんだぞ⦆


 エイラ少佐に注意されたので素直に謝罪する。

 ⦅すいませんエイラ少佐⦆

 ⦅常時スキルであっても意識しないと意味がないぞ⦆

 ⦅気を付けます⦆


 ロキは改めて<気配察知>スキルで周囲の気配を探る。

 

 「..ドレインあっちに魔物の気配がする。たぶん一角ウサギだ」


 ドレインは疑問な顔をする。

 「もしかしてロキは<気配察知>スキル持ちか?」

 

 ロキはすまなそうに頷く。

 「あぁ、持っているよ」

 「ロキ。スキルは意識しないと意味がないぞ」


 ドレインにも注意され素直に謝罪する」

 「すまんドレイン。気をつけるよ」

 「悪い俺も言い過ぎた」


 ドレインから見てロキはかなり落ち込んでいたようだ。


 ドレインは気持ちを切り替えるため声を上げる。

 「ロキもう気にしなくっていい。今日の夕食を狩りに行こう」

 「あぁ、行こう」

 ロキも気持ちを切り替えて頷く。


 足跡を見つけてから10メートル離れた場所に一角ウサギが花を食っていた。


 ドレインが手をロキに向ける――ここは任せてくれと合図する。


 ドレインはゆっくり弓を持ち構える。意識を集中して矢を放つ。


 放たれた矢は一角ウサギの心臓近くに突き刺さり動けなくなるが、ドレインは短剣を持って止めを刺しに行く。

 

 一角ウサギの解体が終わり移動すると。

 「ロキここら辺で夜営しよう」


 辺りはすっかり茜色に変わっていた。直ぐに漆黒の時間帯が来るだろう。


 「そうだな枯れ木を集めよう」

 

 空は暗く三つの月がぼんやりと月光を照らしていた。焚火の光はロキとドレインを照らしている。その薄い光の中で食事をしていた。


 塩で味付けした一角ウサギの肉を口に運ぶロキ。

 「もぐもぐ、肉の固さは丁度いいな」

 「まぁな、もぐもぐ、だけど塩だけじゃ物足りないなロキ。ヘイロスさんの秘伝の調味料で味付けした風牙狼の肉は美味かったな」

 「あれは、美味かったな。また、食べたいな」

 一角ウサギの肉を食べながら、前に食べた風牙狼の肉を思い出す。


 ドレインは思い出しながら話す。

 「前にも言ったけどロキは戦闘は強いけど、探索や魔物の解体は苦手だな」

 「足跡の痕跡を見つけるのは難しいな」

 「なぁ、ロキ俺が教えてやろうか。狩人の技術、森での探索の仕方や魔物の解体など色々教えてやるよ。 その代わり俺に<戦気>スキルを教えてくれないか」

 「<戦気>スキル? 俺が? ギルトンさんは教えてくれないのか? それにドランさんは」


 ドレインは困ったように話す。

 「ギルトン師匠は<戦気>スキルは使えないんだよ。親父は使えるけど..ギルトン師匠から狩人の手ほどきを教えて貰ってるのに、<戦気>スキルだけ親父に教えて貰うのは気が滅入るっていうか聞けなくってな」


 ロキは納得したように頷く。

 「わかった。俺が教えてやれる所を教えるよ。 でも、俺も半人前だから余り期待するなよ」

 「ありがとうロキ。ヒントだけでもいいさ、何も知らないよりはいいからな」


 ドレインは嬉しいのか明るい声で話す。

 「そういえば、ロキはこの先どうするんだ」

 「ん? この先?」

 「このままグレーテル城塞都市で冒険者は続けるのか」

 

 ロキは思考を巡り考える。

 「..そうだな。魔法を覚えたいから王都に行くつもりだ」

 「ロキは魔法を覚えたいのか、俺も適正があるんなら覚えたいけど、魔法書はとんでもない金額って言ってたぞ。ロキは知ってるのか?」

 

 ロキは指でVサインを出す。

 「20白金貨だ」

 

 ドレインは驚愕する。

 「20白金貨..2000000000ゼニー!」


 ロキは頷き肯定する。

 「そうだ。20白金貨だよ高いよな。しかも最低価格でだ」


 ドレインは苦笑いしながら答える。

 「最低価格で..それは凄いな」


 ロキは苦笑いしてるドレインに質問する。

 「ドレインはどうなんだ、アカマツ村に帰るのか?」

 「俺か..まずはアカマツ村の復興を手伝うよ。それが終わったら迷宮都市ラクスに行くつもりだ」

 「迷宮都市ラクス?」

 「ロキ知らないのか。迷宮都市ラクスはダンジョンで栄えている都市さ、都市の大きさはグレーテル城塞都市よりも大きいんだ」

 「ドレインは詳しいのか?」

 「俺は子供の頃、親父から聞いたんだ。親父が若いころに迷宮都市ラクスのダンジョンに挑んでいたからな、親父がいつも大切にしてる盾はダンジョンで手に入れた、ダンジョン産だからな。子供の頃散々自慢話しされたからな。だから、俺の憧れでもある」


 ロキはダンジョンで手に入るアイテムを考える。

 「ダンジョン産か..ダンジョンなら魔法書が手に入るかもしれないし、王都の後は迷宮都市ラクスに行ってみるか」

 「ロキも行くのか。ロキと一緒にダンジョンに挑みたいな」

 「そうだな。いつかドレインと一緒にダンジョンに挑もう」

 「あぁ、いつか一緒に」


 ロキとドレインは夜遅くまで夢を語っていた。


 ⦅ロキ二等兵、明日の探索のために早く寝なさい⦆

 ⦅エイラ少佐は俺のお袋か! 今は男同士に夢を語っているんだから邪魔しないで――⦆


 エイラ少佐は冷たく言い放つ。

 ⦅――なに! ロキ二等兵!!⦆

 ⦅すみません。 図に乗りました⦆

 ⦅ふん! 早く寝ろ! 二等兵!⦆

 最近、人間見たいな反応しますねエイラ少佐。

 

 ――夜が更けていった。

 

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