24話 馬鹿な奴等1
冒険者ギルドで魔石と討伐証拠の買取を済ませた後に、ナポレオンこと村上の情報を手に入れて今後のことを考えていた。
⦅それにしても村上が盗賊に落ちたのは......まぁ、当然の結果か⦆
同居の人間が悪さをするのかと疑ったが、あれは別かと切り替える。
⦅ロキ二等兵。どうするのだ。討伐しに行くのか⦆
ロキは即答する。
⦅いえ、まだやりません⦆
⦅どうしてだ、復讐相手だろ⦆
⦅今すぐ殺してやりたいが、ブラックリストになった理由が欲しいです⦆
⦅有機生命体のレイカが説明だけだは、やはり不足か⦆
⦅足りないです。村上の素行の悪さは殺された俺が一番知っています。それでもブラックリストに登録されたのは疑問に感じます⦆
⦅まぁ、その辺はロキ二等兵に任せる。良いデータが録れればいいさ⦆
⦅少し様子を見ながら情報収集します⦆
ロキはエイラ少佐と会話しながら昼下がりの街を歩く。
⦅エイラ少佐、また街で生活していんですか⦆
⦅当分はな、街で電子生命体を探すさ⦆
⦅結局、古き新緑の森には電子生命体はいませんでしたからね⦆
⦅もっと奥地に行けば可能性がある⦆
⦅無理ですよ。覚えてないんですか、中域の手前で死にかけたの絶対に行きません!⦆
⦅やはり早急に強くなる必要があるな⦆
⦅......勘弁して下さい。色々と用事もありますから当分はここを拠点にします⦆
⦅ロキ二等兵がそこまで言うのなら任せよう⦆
⦅ありがとうございます。まずは宿を探します⦆
⦅まんぷく亭か⦆
⦅いえ違います。他の宿を探します⦆
⦅任せよう⦆
宿を探しながら街を散歩する。
「うちの商品はヘーゼル王国の王都で手に入れた食器だよ。多くの貴族様が使用してる自慢の品だ」
「グランパレスで手に入った魔道具だ。迷宮で有名なグランパレス産だ」
「ミドル産の紅茶はいかがですか~。王族の方々も飲んでいますよ~」
「新鮮な野菜はいかがですか!」
「新し武具納品されました。そこの冒険者いかがですか! 最高の剣や盾がありますよ~いかがですか」
お店の前で各々自分の商品の宣伝をしている。
⦅お金もできたし風呂がある宿を探したいな。久しぶりに暖かいお湯に浸かりたい⦆
⦅ロキ二等兵は水浴びの時にお風呂に入りたいと言っていたな。そんなに違うのか⦆
ロキは普段と違う気迫を持って話す。
⦅全然違います。水浴びと風呂を一緒にしないで下さい⦆
⦅まぁ、私には関係ないことだ任せるさ⦆
⦅ただ探すにしても、情報誌があるわけでないから、どうしたものか⦆
エイラ少佐はロキ二等兵の記録を検索する。
⦅......情報誌......これか、専門雑誌か⦆
⦅悩んでもしょうがない。高そうで立派な建物を探します⦆
ロキは宿の事を考えてると、エイラ少佐から忠告される。
⦅ロキ二等兵。宿もそうだが後をつかれてるぞ⦆
⦅......えぇ、冒険者ギルドから付きまとわれてますね。大方リュックサックの荷物の大きさを見て金があると思ったんだろ。馬鹿な奴らだ⦆
⦅それでどうするのだ⦆
⦅......潰しますよ。仕掛けてくるんなら潰します⦆
⦅それで手伝えることはあるのか⦆
⦅手伝ってくれるんなら、ナノメタルで監視をお願いします⦆
⦅あぁ、任せよ。良いデータが録れそうだ⦆
やっぱりデータ録りのためか、可愛い部下を助けるためではなく。
⦅エイラ少佐は監視の方お願いします。俺は予定通り宿を探します⦆
後を付いてくる奴等を監視しながら宿を探してると、ようやく見つけることができた。
5階建ての建物で、まるで日本の老舗旅館を感じる風格のある宿だった。
宿の入り口に入ると執事の服装している老紳士が毅然とした態度で背筋を伸ばした状態で上半身を45℃ほど傾けて挨拶する。
「いらっしゃいませ」
ロキはこの世界で初めてお辞儀を見て驚いた。
「えっ、お辞儀か?」
老紳士はロキの顔を見て毅然とした態度で説明する。
「お客様はお辞儀をご存知ってことは、日乃本の出身の方でしょうか」
ロキは老紳士の日乃本って言葉に悩んだ。
「日乃本はなんでしょうか? どういった意味でしょうか」
老紳士は毅然とした態度で謝罪する。
「違っていましたか、申し訳ございません」
「いえ、気にしないで下さい。それよりも日乃本の意味はなんでしょうか」
「私のご先祖様の出身地になります。とても遠い地で二度と戻れない場所と聞きました」
老紳士の話しを聞いて日乃本はことは、もしかして日本のことではないかと思った。ここで俺の出身地も日本ですと伝えるのはやめた。話題を変えるため、ここに来た目的を達成する。
「ご先祖の出身地なんですか、俺は日乃本ではありません。もしかしたら、お辞儀を教えてくれた友人が、そうかもしれません」
「お客様のご友人ですか......」
老紳士は何故か惜しむような表情をした。
「えーーと、すいません。こちらの宿でお風呂はありますか」
老紳士は少し慌てたように対応するが、直ぐ毅然とした態度に戻る。
「......これは申し訳ございません。質問にお答えさせて頂きます。各部屋にお風呂が付いております」
ロキはお風呂はあることに歓喜した。
「本当ですか!」
ロキは騒いだことを謝罪する。
「すいません。それで宿は止まれますか」
「少々お待ちください」
老紳士が受付に戻って調べている。
「はい。部屋は空いております。当宿は一泊二日で金貨5枚になります」
金貨2枚か..まんぷく亭に比べると高い。高いけど金はあるし、とりあえず湯舟に入りたいと思う。
「それじゃ、一泊お願いします。こちらが金貨5枚になります」
老紳士に貨幣を渡した時に思い出す。
「そういえば、この宿ではゼニーではなく。金貨で呼ぶんですね」
「はい。当宿は外国の方も泊まりますので共通貨幣の名称で伝えさせて頂きました。それでは、こちらが鍵になります」
老紳士から宿の細かい説明を聞き終わると、改めてお辞儀をした。
「本日は当宿『京の星空』に泊まって頂きありがとうございます。私、店主のシルバーと申します。ごゆるりとお休みなさってください」
ロキは店主のシルバーに説明された部屋に向かった。
木製のドアを開けて部屋の中を見渡すと広さは50平米ぐらいあり、ベッドが中央に設置されていた。部屋の中をとても広く快適に感じる。
「流石は5金貨の部屋だな~」
⦅ロキ二等兵。そんなにいい部屋なのか、私には理解が出来ないがな⦆
「まんぷく亭の3倍ぐらい広い部屋ですよ」
⦅広いからいいのか理解できないな⦆
「広さだけじゃないですよ。家具や置物等で風格のある宿じゃないですか~。いいですね~」
ロキは日本で泊まった宿を思い出していた。
⦅風格か! くだらん! 有機生命体は無駄ばっかだ⦆
ロキは馬鹿にされたと思い、しかめっ面な表情をする。
「......そりゃ、エイラ少佐の研究室見たいに物が乱雑に置かれていないですよ」
エイラ少佐は冷たい声で言い放つ。
⦅いい度胸だなロキ二等兵⦆
ロキは図に乗り過ぎたと思い話しを切り替える。
「......あ、えーーと。そうだ一番大事な湯船を見てみよう」
浴室のドアを開けると、木製で出来た湯船で2人ぐらい一緒に入れる広さだった。湯船にはお湯が溢れて流れ、なんだか木の香りもしてきて懐かしい記憶を思い出す。
「木製で出来た湯船か日本の旅館を思い出すな~。広さも十分だ。早く入りたいけど、先にご飯にするか、 楽しみは最後にとっとこう」
荷物を部屋に置き食事をするため食事処に向かう。店主のシルバーの説明だと営業時間ないであればいつでも食事処を利用できると聞いていた。
食事処に着くと執事服の青年に挨拶された。
「いらっしゃいませ。お一人様でしょうか」
「えぇ、はい。一人です」
「それではこちらへどうぞ」
青年に案内されたの大きなテーブルの場所だった。ロキは疑問の思い質問する。
「ここですか。俺は一人ですよ?」
「まだ、他のお客様はいませんで大丈夫です」
「それじゃ、お言葉に甘えてここにします」
席についてメニューを見て数分経ち料理を決めた。
「すいません。おススメ下さい」
結局ロキはいつものおススメに決めた。
料理を決めて方数分経つと奥から料理が運ばれて来た。
「お待たせしました。本日のおススメ『メガソニックバードの照り焼き』になります」
「頂きます」
口の中に入れた瞬間に鳥の旨味が溢れてきた。あっという間に食べ終わり至福のひと時を感じ部屋に戻る。また食べにこうよと誓う。
部屋に戻ったロキは早速湯船に身体を預けリラックスしていた。
「はぁ~~最高」
バシャバシャを顔にお湯をかけると小さく息を吐く。
「......ふぅ~。そういえばあいつ等はどうなりましたか?」
ロキは真剣な表情で聞いた。
⦅あいつ等かロキ二等兵が宿を決めたら、2人だけ見張らせているな。他の奴等は仲間を集め会議をしている、話しの内容はロキ二等兵を殺した後のゼニーの分配方法で口論しているぞ」
ロキは俺を殺してお金を奪う聞いて、ゆっくり瞼を閉じて明日のことを考える。
ロキは目を閉じたまま、エイラ少佐に質問する。
「エイラ少佐、そのまま監視をお願いします」
⦅ふっふっふっふっふっふっ、本当に良いデータが録れそうだ」
エイラ少佐は不敵に笑いながら明日のことを考えていた。
ロキは湯船で思考を高めながら明日のことを考え終わると湯船から出る。身体から蒸気が上がり体温も上がっていた。部屋着に着替えベッドに向かう。
「お風呂は最高だな。毎日は無理だけど、また泊まりに来よう」
ロキが湯上りで気持ちを緩めていたら、エイラ少佐から話しかけてきた。
⦅ロキ二等兵。あいつ等の口論が終わったぞ。まぁ、結局お金の分配に関してはロキ二等兵の懐次第らしい⦆
ロキは大きくため息をする。
「はぁ~~。意味がない話し合いだな。こんな馬鹿な奴等に狙われるのか。とにかく明日か......俺は回復のため<スリープモード>に入ります。なにかあったら<スリープモード>を解除して下さい」
エイラ少佐が冷たくいい放つ。
⦅ロキ二等兵。毒キノコを食べなさい。それと上官への侮辱の罪で3倍だ。文句を言わせないわかってるな⦆
ロキは諦め短く話す。
「はい」
ロキはエイラ少佐に言われた通りに毒キノコをいつもの3倍食べて<スリープモード>に入った。口の中に毒キノコも嫌な食感が残ったまま目を閉じた。
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冒険者(馬鹿な奴等)視点
スラム街の近い酒場の奥で下卑た笑みで集まっている集団が酒を飲みながら談笑していた。
「おい、あのカモはどこに泊まった」
「『京の星空』に泊まったぜ。今、ガレオが見張っている」
「あのバカ高い宿か、いいねぇ~羨ましいねぇ~。俺も泊まりたいな~」
「バ~カお前は金ができたら娼館に使うだろうが」
周りの仲間が笑い出す。
「あ~~腹がいてぇ。あのガキはいくら持ってるんだろうな」
「分からねぇが。荷物が一杯になってギルドで買取したんだ結構持ってるだろ」
「あぁ~そうだ。それで分け前はどうするよ」
「金だ。金」
自分が多く金を手に入れようと口論する。その時、リーダー格が手を叩いてその場を治める。
「待て待て仲間同士で争うな。あのガキがいくら持ってるかは奪えば分かることだ。いつもの手でやればいい」
「そうだな、あのガキが依頼で外に出た所で襲えばいいことだ。 仲間が入れば一緒に始末すればいいことだ」
「あぁ~俺達のために金を稼いでるんだ。今日は最後の晩餐に『京の星空』に泊まってるだ」
周りの仲間が下卑た笑みで笑い出す。
ならず者の冒険者達は酒場で金が手に入った時の欲望に顔を歪めながら談笑し長い夜を過ごす。その場をエイラがナノメタルで監視さてるとも知らずに。




