表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
124/124

ー朝焼けの章28- 弥助(やすけ)くんが燃えたぎっているんやで?

「いいんやで!いいんやで!まずは足の動きをちゃんとするところやで!」


「うっぷおっぷ!うっぷおっぷ!」


 珍二郎くんが、今日も頑張って、川で泳げるように頑張っているんやで?ああ、珍二郎くんはほんまに真面目やなあ?わいもなんだか触発されそうなんやで?


「おっし。わいも、もうひと泳ぎさせてもらうんやで!珍二郎くん、頑張ってついてきてやで!」


「うっぷおっぷ!うっぷおっぷ!」


 わいと珍二郎くんの水練の真似をしだしたひとらも増えてきたんやで?やっぱり、新人さんたちは普段、川で泳ぐことなんてないからなあ?みんな、どこからか拾ってきた鍋のふたや、木の板、丸太なんかに掴まって、水練を行っているんやで?


「皆さん、頑張っているみたい、ですね。信長さまが喜んでいま、したよ?こんな画期的な泳ぎの練習方法はいったい誰が考え付いたのですか?そのモノには褒賞を与えましょうか?って言って、ましたよ?」


「ほんまかいな、ひでよしくん!そんなら、わいの名前を信長さまに伝えておいてくれやで!?わい、その報奨金で、千歳(ちとせ)ちゃんの晴れ着を買うさかい!」


「はいはい。わかって、いますよ?信長さまには(よん)殿の名前を伝えておき、ました。近々、信長さまから褒賞をいただけると想うので、楽しみにしておくといいかも、ですね」


 やったんやで!まさか、珍二郎くんの世話を買ってでたら、褒賞が転がりこんできそうなんやで!よっしゃ!こりゃ、今夜は飲みに行かなならんのやで!?


「オウ。(よん)さん。羽振りがよさそうなので、弥助(やすけ)にもおすそわけしてほしいのデス!」


 あっ。バイの弥助(やすけ)くんが近寄ってきたんやで?このひと、肌も黒けりゃ、腹も黒いと、なかなか厄介なお友達なんやで?


「オウ。なんデスカ?その胡散臭いモノを視るような目つきは。まるで弥助(やすけ)がゆすりたかりにでもきたかのように視るのはやめてほしいところなのデスヨ?」


 語るに落ちるとはこのことやなあ。でも、あぶく銭はパッと使ってしまうのが良いとも言うもんなあ?


「わかったんやで?信長さまから、いくらもらえるか、今のところわからへんから、もらったあとに飲み屋にでも行くんやで?弥助(やすけ)くんはうわばみやさかい、ガバガバ飲まれて、赤字にされちゃたまらへんのやで?」


「ハイ。では、信長さまから報奨金を頂いたら、忘れずに弥助(やすけ)を飲み屋に連れていってクダサイネ?」


 弥助(やすけ)くんがそれだけ言うと、また、訓練に戻っていくんやで?


「なんや。弥助(やすけ)くんはほんまにたかりに来ただけですかいな。しっかも、田中くんところの部隊を抜け出してまでやってくるとは想ってもいなかったんやで?」


「それだけではないと想うんです、けどね?多分、何か用事があったと想うのですが、弥助(やすけ)殿のことですから、お酒が飲めることに嬉しくなって、頭から飛んだだけではない、ですか?」


 と、ひでよしくんがわいに言っているとやで?(くだん)弥助(やすけ)くんがこちらに戻ってきたんやで?


「オウ、ノウ!弥助(やすけ)としたことが大事なことを忘れていたのデスヨ!(よん)さん、1カ月ほど前に【神の家(ごっど・はうす)】デシタッケ?その怪しげな組織とトラブルになっているという話だったじゃないデスカ。あれから、いったいどうなったのか、弥助(やすけ)には一切、連絡がきてないのデスヨ?あれからどうなったのデスカ?」


「あっ。そう言えば、弥助(やすけ)くんには何も言ってなかったんやで?なんや、弥助(やすけ)くんは巻き込まれたかったんでやんすか?先に言っておきますけど、彦助(ひこすけ)くんも嫌がらせをされるようになったんやで?」


「オウ、マイ、ゴッド!弥助(やすけ)彦助(ひこすけ)さんに嫌がらせをするとはいったい、どういうことデスカ!弥助(やすけ)の利かん坊で、【神の家(ごっど・はうす)】の連中を亡きモノにしてやるのデス!」


「落ち着くんやで?そりゃ、弥助(やすけ)くんが常々、彦助(ひこすけ)くんのお尻を狙っているのは皆の知るところやで?でも、掘ってもない男の尻を守るために弥助(やすけ)くんが火中の栗を拾いに行く必要はないんやで?」


「し、しかしデスネ?惚れた男が危害を加えられているというのであれば、弥助(やすけ)が助けねばならないのは当然の権利なのデスヨ!いや、権利などではありマセン。これは義務なのデス!」


 あかんわ。こうなったら、弥助(やすけ)くんは彦助(ひこすけ)くんのお尻に一直線なんやで?彦助(ひこすけ)くん、上手く逃げてくれやで?このままやと、出会って5秒でお尻といちもつが合体なんやで?


「おっす。(よん)さん。聞いてくれよ。今朝、俺が住んでる長屋の前に猫の死体が転がってたんだけどよ?これって、【神の家(ごっど・はうす)】の奴らの仕業だと想っていいのか?」


「あかん!彦助(ひこすけ)くん!今、ここに来たらダメやで!弥助(やすけ)くんが未だに彦助(ひこすけ)くんのお尻を狙っているんやで!」


「オウ!スイート・マイ・ハニー!弥助(やすけ)が今すぐにでも彦助(ひこすけ)さんの傷ついたハートを癒してみせるのデス!」


「待てえええ!なんで、ここに弥助(やすけ)が居るんだよおおお!弥助(やすけ)は裁判で俺から10メートル以内に入らないようにって判決が下されたじゃねえかよおおお!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

cont_access.php?citi_cont_id=886148657&s

ツギクルバナー

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ