5話ー訓練の中で
入学して一日しか経っていないにもかかわらず、Aクラスでは魔術訓練が行われていた。
元々この学園は魔の捕食者を専門として狩る、魔の捕食者の狩人を育成するためにつくられたため、戦闘能力の優れた者が在籍するS~Bクラスはカリキュラムに戦闘訓練が多く組み込まれている。
もちろん普通の授業も組み込まれているが。
魔術をコントロールすることは戦闘において欠かせないものであり、一番初めの実技訓練が魔術訓練であることもそれが関係している。
ラピスとリィルは訓練場へと足を進めていた。
「ね、ラピスは魔術は得意なの?」
「………一応?」
ラピスは少し考えてからそう答えた。
というのも自分とギルドに仲間を比べていたからである。
(マスターやロイ、ルイスには劣るけど…。あれ?空間属性だとカイルにも劣ってる?)
ラピスは下を向いて少し落ち込む。
それをみたリィルはあわててラピスに話しかける。
「ラピスっ!ほら、早く行かないと!」
「っ、うん」
「さぁ、私がこの授業を担当する、ラル・ニームです。今日は同じクラス同士でペアを組んで魔術のみで戦ってもらいます。ペアはこちらで決めてしまうので、文句は言わないこと」
順々にペアの名前が呼ばれていくなか、
「えー、16組目はラピス・レインさんとオルスレッド・ヴォイルさん」
名を呼ばれ、ラピスが顔を上げると、目の前に茶髪の小柄___といってもラピスより背は高い___の男子生徒が立っていた。
「よろしく、レインさん」
ラピスは軽く頭を下げる。
「おーい、16組目!始めてください」
「ルールは簡単です。相手が降参するか、気絶したら終了。そして相手を殺さないこと。わかりましたか?」
「「はい」」
「では_____はじめっ!」
蒼銀の髪が揺れた。
「__え?」
その声を発したのは、オルスレッドだった。
彼の背後には風の魔術で作られた刃を背中に突きつけるラピスの姿。
それを見ていた周囲がざわめきだす。
「………っ、降参だ」
「しゅ、終了っ!」
合図がかかるとラピスは刃を消し、オルスレッドにぺこり、と礼をした。
「ラピス!今のどうやったの!?」
リィルが驚愕した様子で問いかける。
「どう…って、見たままのことをしただけだけど」
こてん、と首をかしげるラピス。
周囲は思う。
(((見たままって言うか、速過ぎて見えなかった)))




