表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チョッキとカエ  作者: にぼ
PR
7/7

旅ログ in巌流島&門司港


いきなり連れて行かれた下関の旅行だったが、美味い飯、いつもと違う風景と旅の楽しさに触れて、ハイになっているマナ達3人。


「さあ先輩!次はなにをする予定なんですか?」

「船に乗ります!巌流島行くよ〜」

「……。なにしに!?」


宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘の舞台を知らない歴史赤点ガールマナは思わず炎上確定の赤点テンションでリアクション取ってしまう。

フォローのために、カメラが拾わないくらいの大きさの声でカエがチョッキくんリクエストと補足し、マナの説得をすることにする


「旅=船に乗って島一周!コレだけでロマン溢れないかい?後輩ちゃんよ」

「虫居ますよね…」

「なんと、この巌流島って剣豪と言えばあの人な宮本武蔵と佐々木小次郎が戦った場所でもあるのですっ!

わー!拍手っ!」

「いえーーい!」


とりあえずリアクションしてくれたもののマナの説得が薄そうなので、カメラを止めて、種明かしをすることにした。


「このあと福岡でホテル取ってるから、その道中にこの島があるからついでに観光するの。」

「歴史全く興味ないからピンとは来てませんよ?巌流島」

「私もだからヘーキヘーキ」

「え、マジか。あの武蔵と小次郎が決闘した場所だぞ。アガらねえの?2人とも」

「そのテンション続けるならカメラ担当部活の先輩役でカメラ回しますよ?カエ先輩と私じゃ多分場が持たない。」

「マジかお前ら…。じゃあ船移動までは俺がカメラ持つとして、それ以降巌流島はマナと俺?炎上しねえの?」

「モザイクかけるか、写す価値なしさんとして消しゴムマジックで透明人間が話してる風編集で遊びます」

「まあ脈無し先輩とか男として見てませんよ〜アピールすると共感してくれるでしょ。私達アイドルじゃないんだし」

「そう言うなら…」


メチャクチャ酷いこと言われてるのはとりあえず流しておいて方針は決まった。

とりあえず船のチケットを買い、乗るまではカメラを止めておく。地味な絵面が続くので。


「唐戸港からすぐそこの定期便で私達は今、巌流島に向かってます!あのあと歴史ヲタカメラ担当に説得されまして、修学旅行って奴を前借りしたいと思います〜」

「私も2人の剣豪が戦った場所〜くらいしか知らないからね〜」

「なになに、任せとけって?頼もしいですねぇ!でも先輩、修学旅行の修学部分って要らないですか?」

「言わないお約束だ〜」


船の人の指示に従い、流石にGoProは辞めて音声のみで船のなかに乗り込む。

機械が飛ばされても負担を負いかねると言われると、金欠高校生としてはかなり弱いところなのだ。


風を切る音とか綺麗な青の海とか撮りたいところはメチャクチャあるので激烈に惜しいが、茶番だけ。

チョッキ先輩には頑張ってもらうしかない。


が、しかしチョッキ先輩頑張れなかった。


ポップでキャッチーなカルチャーチャンネルを目指してるマナにはそぐわないゲームで知ったであろうウンチクや決闘の諸説等々、男のロマンを語ってくれたが、動画で使えそうな場面がコジローさんたちの決闘の銅像と小さな島の海の景色くらい。

途中で充電もったいないと思ってGoPro消したのは黙っておいてあげよう。


先輩にカット編集とかいれるくらいならと、考えると余計に。

よし、残念ながらココも写真カットと喋りでなんとか動画にしよう。

「チョッキ先輩〜!先輩のターン、全カット☆」


今日1はっちゃけたテンションで先輩に告げておく。

カエ先輩に至っては興味失せきって巌流島バーベキュー場について真剣に調べ始めている。


「満足した?チョッキくん」

「まぁ、流石に」


辛辣な二人の態度でようやく歴史旅への熱が冷める。


「チョッキくん語る熱量まだあんの?」

「出し切った」

「ならよし、門司港レトロ観に行くよ!カレー!カレー!」

「なあ、何の確認?」

「先輩、言わせる気ですか。」

「あー大体察した。流石に明治とか昭和は知らないから安心してほしい」


マナとカエはミーハーめと心の中で突っ込んでおく。

ともあれ門司港だ。焼きカレー、スイーツ。観光スポット諸々沢山あり、カエとしても行きたかったところなので期待を膨らませる。


再び一行は船で潮風を浴びて移動する。

船から降りると巌流島の素朴さとは違い、雰囲気のある建物が並ぶ港へと着く


「へー!ほー!」

「M字の帽子かぶったオッサンの敵役!?」

「興奮してるだけです!茶化さないでください赤づくめ仮面の2頭身じゃないでしょ!?私」


再びGoProを付け直しながら突っ込んでおく。

日常にこんな風景中々ない。


「イイですね〜!こういうのです!寂れた小島にロマンを感じるより、こうもガツンと観光スポットってわかるほうが嬉しいんですよ!反省してください?チョッキ先輩」

「………」

「浮いたチョッキくんはどうでもいいんだよ〜。マナ〜撮れ高要るよね?」

「超いります」


今のままではさみしい写真で自分語りするだけの、陰キャが牙を剥きそうな悲しい動画になってしまう。


「旧邸の中のオシャレレストラン興味ある?」

「あります」

「予約取ってあるのさ!」

「流石カエ先輩っ!私のツボわかってくれてるんですね」

「そういうことにしておこう!時間がヤバいのでちょっと走るよ」


ランチタイムギリギリに予約取っておいて良かった。

ということで、一行が着いたのは、旧三井倶楽部。

今は和洋レストランとして使われており、カエは密かに楽しみにしていた。


大正の和洋折衷の雰囲気はもちろん高校生×3では超浮いている。が、気にしている女性陣では無かった。

チョッキは口を挟むと良くないかと察し、大人しくGoPro役に徹している。

浮いてるだろとか、メニュー高くね?とか言ってもあとが怖いだけ。


「アップルパイとかありますよ!先輩」

「流石にスタバのノリはステイだよ!マナ!門司港の名物食べないと損だよ」

「なんでしたっけ?」

「焼きカレー!海鮮とビーフも選べるよ!」


やんやとメニューを決めて注文する。

シェア前提にカエが海鮮。マナがビーフ。チョッキはハヤシライスとなった。普通にカレーが食べたかったが、女性陣には逆らえない。


瓦の器にエビやふぐが入ってテンションマックスになっている横目に、バナナのはいった家庭では楽しめないちょっとお目にかかれない感じのハヤシライスを楽しむ。

焼き目がついてほろ苦くなっているのがアクセントとなっていって超美味い

2人も絶品を体験した特有の会話がなく黙々と食べるフェーズに移行している。


「はーー美味かった!コーヒー飲みたい!」

「ランチの時間はカフェメニュー頼めないのが残念でしたね〜」


流石に前が寿司からのコレはお腹が張ってきたマナはお腹をさすりながらいう。


「どうする〜?このあと。ホテルのチェックインは博多に17時だけど。」

「観光マップ見て気になったんですけど、跳ね橋とかどうですか?はじめに渡りきったら永遠に結ばれるご利益とかあるそうですよ!」

「「彼氏(彼女)いない!」」

「んー、オルゴールミュージアムとか気になります。お土産も買ってないですし、」

「海峡プラザ?アリだね!」


一行はのんびり腹ごなしに海風を楽しみながら、道中を散歩する。

動画を撮ったりしながら。

風で揺らめくカエ先輩の銀色の髪は動画映えしそうとマナは思う。


「プラザに来て早々、私達たべてばっかだな!と思いますが言いますね!このほうじ茶アールグレイソフト!めちゃくちゃ美味しそうじゃないですか?」

「良いねぇ。ちなみに晩ご飯はモツ鍋です。」

「太るとか気にならない?明日からのダイエットとか…」

「体質なんだ。太らない、ね?」

「始めてカエ先輩に腹が立ちました。カメラの人奢ってください」


理不尽な。

メモ書きにあとで返せと書いて、3人分頼む。全員ホットコーヒーもセットにだ。

チルタイム。

ゆっくりコーヒーをすする。ずっと騒いでいたので落ち着いた時間が妙に嬉しい。

が、しかし。


「ごめん!みんな!チェックインの時間間に合わなそう!」


落ち着いていられそうな時間も無く動き出すのが3人クオリティ。

まだ今日の夜と明日の分の予定はある。

体力は続くのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ