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第1話 別れと旅立ち
薄暗い病室に、静かな呼吸音だけが響いている。
ベットに横たわる島田流那の顔は青白く、まるで
眠っているかのようだが、その体は日に日に弱っていく。
「流那、絶対に治すから…」
佐藤新は小さくつぶやき、窓の外の冷たい風に揺れる
木々を見つめていた。病院の窓から見えるその景色は、まるでこれから訪れる困難を告げているようだった。
医者たちは、もう何もできないと言っていた。
僕も諦めようとした。あの薬の存在を知るまでは。
「魔法の薬がある…ジャングルの奥深くに眠る、
どんな病でも治すという薬が…」
子供のころ、流那と交わした約束。
二人で未来を描いたあの瞬間は、まだ忘れられない。
流那を救うために、新は決意した。
命を賭けて、未知の世界に踏み出すことを。
そして、新の冒険が始まった。
(#2に続く)