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君だけが俺をユイと呼ぶ  作者: shiyushiyu


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第22話 連絡

 夏休みは矢のように時間が過ぎた。


 部活をしている。

 というだけで、忙しいというのを肌で感じていた。


 白石からメッセージだ。

<明日10時に駅前集合だって>

<分かったありがとう>

 ここで手が止まる。

<佐々木、俺のことなんか言ってた?>

 あからさますぎるか?


 何度か数えられないくらい、同じような文章を打っては消していた。


 結局、俺の返信しかできないでいる。


<そろそろ新しいスマホ買えば?>


 新しいスマホかー。

 今までは不便さを感じなかったんだが……


 俺のスマホは古いらしく、みんなが使っているメッセージアプリを使うことができない。

 唯一、白石と古いメッセージアプリでやり取りをしていた。


 確かにこうやって団体行動を取ることが多くなると、新しいアプリが必要になるのかもしれないな。


 けどスマホとかよく分からないしなー。


<考えておくよ>


 もし俺が新しいスマホを買ったら、毎日佐々木とやり取りができるんだな。

 新しいスマホか……

 ありだな!


 ●


 ユイと私だけのものがあった。


 スマホでの連絡だ。


 でも……

 ユイはもう私を見てくれない。

 私もユイに囚われてはいけない……


 ユイの邪魔をしてはいけない……


 そう思えば思う程に心が痛くなる……


『私はどうしたいんだろ……ズルすぎるよ……』


 勝手に涙が出てきた。


 そして、やめなきゃいけないのにまた私はユイにメッセージを送る……


 ●


 お。また白石からメッセージだ。


 夏休みになってから多いな。


 ま。俺も夏休みって暇だし白石も同じ感じなんだろうな。


 特に今日みたいに、同好会の活動もないとなると尚更だ。


 明日が楽しみすぎる。


<明日はちょっと遠出だね>

<あぁ。みんなで電車乗るの初めてじゃないか?>

<さくみなんて緊張しすぎて寝れないとか言ってたよ>


 いつの間にか、白石と塩田は仲良くなっていた。

 聞くところによると、2人で買い物まで行く仲だとか。


<なんとなく気持ち分かるかもしれん>

<そうなの?>

<じゃあ癒される写真を送ってあげよう>


 はっきり言って、俺は白石の写真が送られてくるのだろうと少し期待した。


 送られてきたのは、白石が飼っている猫の写真だった。


「確かに癒されるけども!」


 何だかモヤモヤして余計に寝付けなくなった。


 ●


 さて……どうするか……


 ここで送ったら迷惑になるか?


 いやでも近況報告くらいいいよね?


 ……前回送ったのが1週間前。


 既読は付いているけど返信は無し。


 これってもう脈なしなのかなぁ?……


<私は今。不思議探し同好会ってゆーのに参加してるよ。そっちはどう?>

<相変わらず忙しい?>


 連絡待っています。と。

 ちょっと仰々しいかな。


<久しぶりー!>

<暑いねー。こっちはもう夏だけどそっちはまだ涼しいのかなぁ?>


 軽すぎかな?

 なんかわざとらしい気もする。


 はぁー。かおるちゃんは凄いな。

 好きな人に対して真っすぐで。


 私は送ることすらできないのに……


 私もあんな風に強くなりたいよ……

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