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水の秘密

神様が言いました。


「あなたに水の秘密を教えましょう。」


「水? 水になにか、秘密があるんですか?」


「水は、秘密と謎に満ちた物質なんですよ。しかも、水が、酸素と水素からできた非常に単純な物質なんです。しかもね。酸素と水素という気体の化合物なのに、水は、非常に重たい物資なんです。不思議でしょう。気体と気体が化合して、液体になるなんて。そんな物質、他にあるかなあ。」


「気体と気体が、結合すると、液体になるというのが、秘密なんですか?」


「それ以外にも、不思議な秘密があるんです。」


「たとえば?」


「個体の氷は、液体の水より、軽い。そんな物質、他にあります?」


「他にないんですか?」


「さがせば、いくつかあるかもしれませんが、ほとんどの物質は、個体は、液体より、重いんです。しかし、水は、液体の方が重い。だから、氷は水に浮かぶんです。」


「どうして、そうなったんですか?」


「それはねえ。魚に頼まれたんだよ。地球が、氷河期になったとき、魚が、住むところがなくなっちゃうって言うんで、それは、困るだろうなあと、思ったわけ。はじめは、海の水を氷りにくくするように、塩をまぜたんだ。そうすると、なななか調子がいい。海の水が、すぐに氷ったりしなくなった。けれども、氷河期の寒さは半端ない。地球が、全球凍結したこともなるんだ。その時は、太陽に言って、もっと、パワーを出すようにいったんだが、太陽も、これが、精いっぱいというばかりで、どうしようもない。」


「それで?」


「それで、私も、困ってしまって、考えたんだあ。すると、魚がねえ。氷より、水を重くした方がいいって、言うんだな。それで、なるほどと思って、氷が軽くなるように、考えたんだ。なかなか、良いアイデアだったなあ。」


「じゃあ、それって、魚のアイデアで、神様のアイデアではないんですね。」


「うるさい、わしのアイデアだあ。魚は、ちょっと、ヒントを出しただけだあ。物質の秘密を知っているのは、神様以外にいなーい。」


「他に、水の秘密はあるんですか?」


「あるぞ、あるぞ。水は、液体だから、重力にしたがって、どんどん、流れて行ってしまう。しかし、重力に逆らって、溜めておく方法を考えたんじゃ。」


「なんです。それは?」


「雪だよ、雪。春は、命の季節。たくさんの水が、必要だあ。春に、たくさんの水が必要だからといっても、雨ばかり降らすわけにはいかない。春は、太陽の光をみんな待っている。すると、太陽の日差しとたくさんの水が必要。その両方を同時にかなえる方法が必要だ。なんだと思う?」


「それが雪なんですか。」


「そうだ。春のために、たくさんの水を、山の上に溜めておくという、すごいアディアだろう。人間になんて、考えつかないだろうなあ。」


「へえ。すごいですねえ。」


「水は、重力に従って、どんどん流れていく。すると、海に溜まってお終いになってしまう。大地は、カラカラになってしまう。そこで、水を、山より高く、地球のどこへでも運ぶことができる雲を考えたんじゃ。すごいだろう。」


「雲ですか。雲ですよね。」


「雲は、大量の水を運んで降らすことができる。水も一気に大量に流すと、津波のようになって、すべてのものを押し流してしまう。けれども、雨は、小さな水玉になって、パラパラ、しとしと、ざあーざあーと降ることができる。」


「雲が雨になって、空から水を地球に供給できるようにしたんですね。」


「そうだ。雲のいいところは、太陽の光を、適度に遮り、雲があるからと言って、地上が、真っ暗になるわけではない。なかなか、微妙にできていると思わんかね。」


「そうですねえ。」


「水蒸気もすごいと思わんかね。」


「水蒸気ですか。どこか、そんなにすごいんですか?」


「水蒸気のすごいところは、水から水蒸気になるとき、すごいエネルギーを出すんだ。」


「水蒸気がエネルギーをだす?」


「まあなあ。人間の使っている電気は、ほとんどが、水蒸気の力を使っているんだ。火力発電所、電子力発電所は、蒸気の力で、タービンを回しているし、水力発電所は、水が重力で下る力を利用している。世界のほとんどの電気は、水の力が生み出しているんだ。」


「ふーん。そうなんだ。」


「水の秘密がわかったかな? 水が重いということは、大きな船を浮かべることもできる。それも、人間にとっても、利便性がたかい。重いものも、船では運べる。なんだか、便利すぎるものを作ってしまったなあ。水は、大傑作だあ。大傑作すぎるなあ。」







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