色の謎
神様が、あくびをしました。
あくびの振動が、宇宙にほわーんと広がっていきました。
それから、神様は、ゆっくり、目を閉じて、うとうとし始めました。
すると、どこからか、光がさしてきて、神様は、おもむろに目を覚ましました。
神様が言いました。
「光には色などない。」
「えー。色ありますよ。色がなかったら、この世界は、つまんなくなってしまうでしょ。色はあります。」
「光には色などなーい。」
「では、この世界は、白黒の世界なんですか?」
「では、聞くぞ。100年前の写真は、白黒だったなあ。あの時に、色はあったのか。テレビも最初は、白黒だった。液晶も、最初は、白黒だあ。その世界には、色がない。なので、光には、色などない。」
「えー。本当に色がないんですか?」
「光は、電磁波だ。ラジオやテレビの電波と同じだ。違うのは、その波長だけだ。人間が色といっているのは、波長が、380オングストロームから780オングストロームの間で、人間が色として感じているだけだ。色とは、目の幻想なのだ。」
「目の幻想?? そうだ、目の幻想、錯覚に過ぎない。」
「もし、目が、白黒写真のようなら、色などないことになる。目が、色を感じる力があるから、色があるにすぎない。」
「目が、白黒を感じるか、色を感じるかだけの問題なんですか?」
「そうだ。では、聞くが、目がどうして、色を感じることができるようになったのだ。もし、目が白黒写真のような構造だったら、色の世界があることを知ることはできないはずだ。目は、白黒を難じる構造から、7色の色を感ずる構造に、飛躍的進化ができただろうか?そんなことができるわけがない。白黒の世界から、色を世界へ飛躍することはできない。」
「そんなことはありません。現に白黒写真から、カラー写真へ、白黒テレビから、カラーテレビに進化してきました。だから、生き物だって、白黒からカラーへ進化したにちがいありません。」
「では、聞くが、現在の人間の眼は、別の進化をするのか?赤外線や紫外線を感じるようになるのか。ラジオの電波から、音や映像を生み出し、ラジオもテレビも必要のない人間になれるのか?」
「そのような進化はしないと思います。」
「もし、人間の眼が、おぼろげなものを感じるだけの目だったり、白黒しか感じない目だったりしたばあい、それ以上の進化をどのように行うのか?その方向性は、どのように探り当てるのか?」
「さあ?」
「さあ? たよりないなあ。いいか、目の悪いトンボから目のいいトンボに進化するとすると、目の悪いトンボは、空中を飛ぶ餌を一匹も捕まえることが出来ず、すべて、死に絶えてしまう。トンボが生き残るためには、最初からトンボが餌を捕まえる力がないと生き残ることはできない。すると、トンボは初めから、目がよくなければならない。人間も色を感じる目を持つのは、最初から、色を感じる、形を感じる目を持っていなかればならない。」
「ふーん。」
「色は、目が色を感じているので、色がある。現実の世界があっても、白黒カメラの世界では、白黒の世界しかない。それ以外の世界をしることはできない。カラーのカメラでは、カラーの世界がある。現実は、なにも変わらないが、白黒の世界とカラーの世界があるのは、見ている側が、白黒か、カラーであるかによる。」
「ふーん。」
「だから、色とは幻想だ。人間の眼が、生み出している幻想にすぎない。人間の眼が、白黒写真のようだったら、色などないのだ。しかし、どうしたわけか、目が7色の世界を感じるように作られていた。しかも、最高の出来で。」
「それは、どうしてなんですか?」
「われわれ、神様が、始めから、そのように創ったのだ。それが、神様の力なんだなあ。」
神さまは目を閉じてから、また、なにか、言い出した。
「人間は、電波望遠鏡を持っているだろう。電波には、色はないが、電波望遠鏡の画像にも色がついているが、あれは、人間が適当に色を付けているんだぞ。宇宙望遠鏡のジェイムス ウエップ 望遠鏡は、赤外線望遠鏡だあ。だから、色はない。でも、それじゃ、つまらないので、色をつけているんだぞ。」
と、つぶやきました。




