守護者が織り成す幻叡郷

　少年は絶望の中で目を覚ました。光を通さない真っ暗な空間が彼を取り囲むように広がる。何も聞こえないし、何も写さない空間でただ一人。そんな暗い闇に少年は沈んで行く。

　そんな彼に光が差した。「‥‥見つけた」と囁く声。少年は突然の光に包まれた。暖かな光は彼の心の闇を溶かし、小さな光を彼に宿らせるのであった。触れた言葉は短い物であったが、彼の心に再び小さな光を宿し深い眠りへと誘われる。
　　そして、再び目を覚ます。
　いつも見ていた光景より低い光景。小回り小さな両手。目覚めてからの異変を感じ姿が見える水面を恐る恐ると覗いてみた。―――すると、背が縮み、姿が別人になっていた。
　少年は状況が分からないるまま、生き残るために、洞窟の奥へと歩き始める。

　邪龍、　魔王、　そして人。

　様々な思惑が交差する醜い世界。そんな世界でも温かな出会いの数々。 取り戻していく記憶。
　そして、過去の傷。

森の中で傷心の少年がほのぼのと暮らしながら転生した世界で強かに生きていく。
　女神に保護された少年は『守護者』としての責務を負う。優しくも過酷な環境の中を生きるために駆ける。

その先に待つのは、

　　　　　　　後世からは、『幻叡郷』と綴られる物語。