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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
2章 亜人連合国騒乱編
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絶望と希望〈パンドラ〉の扉

最近は、バトルシーンばかり。そろそろ、日常系も書きたい所ですが戦いが終結するまでまだ時間が掛かりそうです。


『ネスネス~!!ネスネス~!!!』

『ネス~~!!!』


血溜まりに倒れたネスクを呼び掛けるも返事は無い。ネモとペーレの悲痛な呼び声が響く。


「ちっ、少しは期待したんだがな‥‥。魔法一発で即死。‥‥まあ、その程度の強さだったという事か。……残念だ。」


クロの周りを黒くドロドロとした物が蠢く。

 期待が失望へと変わり、興味を失せたようにネスクから視界を外し、影に絡め取られたネモとペーレを見る。


「‥‥‥‥まあ良い。おかげで収穫はあった。

こんなご時世に『精霊』を見る事が出来たんだからな!!」


ローブの奥で口がニヤリと釣り上がる。

面白い玩具を見つけた子供のような好奇心に飢えた瞳が二人を見据える。


「俺、一度見てみたかったんだよな!!精霊の血はどんな色なのか、空気中の魔素から出来ていると聞いたが、実際の体の中を引き裂いて内臓を見てみたいと思ってたんだよ!」


ゆっくりとペーレとネモへとクロは近付いていく。獲物を追い詰めた狩人のように、獲物を弄ぶようにゆっくり、ゆっくりとダガーを構えて影に捕まり身動き出来ない二人に近付いて行く。


『ネスネス~!起きて~!!ネスネス~!!』

『ネス~!!ネ~スゥ~!!!』


ネスクを呼び掛けるもその声はネスクには届かない。


「‥‥‥‥くくくっ、無駄だ。心臓を一突き、確実にもう死んでる。心臓が二つあるか、再生させる奴じゃない限り只の人間じゃ生き返ることは無い。大丈夫、直ぐに会えるさ。

‥‥‥‥まあ、あの世でな。」


ダガーに影のような黒い物が纏うとクロが近くの大樹に払う。影が鞭のようにしなり分厚い木を根本から真っ二つに切り裂く。


「痛みもなく、一瞬だ。くくくっ、お前らの死体は希少だからな。ムダなく使ってやるよ。

依頼人あたりが‥‥な。」


クロが構えていたダガーを振り上げる。濃厚な黒い物体が粒子となってクロのダガーに纏わり付く。だが、魔素の粒子のようで全くの別物。

空気中の魔素を喰い肥大化する。


「はあっ!」


肥大化した黒々塗り潰されたダガーを振り下ろす。


『ネスネス~!!!』『ネス~!!』


二人の悲痛な叫びが森中を反響する。










「‥‥‥‥分析完了。

魔法名、【影湾の刃、スキア・ハルパー】。

<第一禁扉>、禁書録第五〇一、【魔法破壊】」


機械的音声の後、クロの使った黒い影の魔法がネモとペーレに届くことなく、再度、魔素粒子に変換されて消え去る。


「なにっ!?」


クロが驚きの声を上げる。

何が起きたのか、何故魔法が消えたのか。想定外の事に頭が混乱した一瞬の隙、動く影がある。

クロがダガーで背後へ切り裂く。


「装甲の変形終了‥‥。

‥‥【衣装(チェンジ)遮影の衣(カタヴロス・ローカ)】。」


ダガーを受け止める事なく直撃する。しかし、

切り裂く事なくダガーが弾かれる。


「なっ!?」


後ろにいた人物に驚きを隠せない。


「‥‥<第一禁扉>、第三〇八、【衝波(エピットシィ)】」


黒い刀を振るう。


「くっ!」


クロがダガーで刀を受け止める。すると、ダガーと刀が擦れ合った瞬間、弾かれるようにクロが後方へと吹っ飛ぶ。


「がっ!!」


再び大樹にめり込むが先程と違い、クロの肺の中の酸素が全て外へ放出されて呼吸が出来ない。


「ふぅ‥‥ふぅ‥‥ふぅ、

ど、いう、こ、とだ‥‥‥‥。」


地面にポタポタと血が溢れる。衝撃波による痛めた肺で呼吸を整えながら魔法を放った人物を凝視する。ローブに隠れたクロの瞳に先程心臓を貫かれ倒れた筈のネスクが立っている姿が映る。


『ネスネス~、だよね?』

『ネ、ス~?』


何処からともなく吹き荒れる風で黒い羽織りが揺らめく。軍服を彷彿とさせる衣装。ヘヴラ戦で【反転】した際の衣装を身に纏ったネスクが立っている。


―――――――――しかし、何処かおかしい。


生気の宿っていない瞳、覚束ない足取り。そして、刀を構える事なく只握りしめたままぶらりと刀を持っているだけでだらりと下ろした手がぶらりぶらりと揺れる。


「‥‥‥‥敵性個体『クロ』、生存確認。

攻撃力による負荷(ダメージ)、確認。

有効打の模索‥‥‥‥完了。

これより実証‥‥‥開始。」


刀がバチバチと電気を帯びる。


『魔法名呼称【聖雷(パージ・ライトニング)】、刀・脚力・腕力に付与‥‥。』


ネスクの姿が稲妻と共に消える。


「っ!!」


クロは体に走る痛みを押し殺して右へと避ける。稲妻が走ったかと思うと大樹が大きな音と共に崩れ落ちる。先程自分がいた所に刀が横凪ぎで切り裂かれていた。


「こい、つ‥‥!さっきより何倍も‥‥。」


高速の刃がクロを目掛けて繰り出される。そのあまりの速さに押し負ける。手数の速さで圧倒される。

最近は、コメントを書けずに投稿してしまい申し訳ありませんm(__)m

本文を書き終えて、力尽きて寝てしまう事が多々zzz‥‥。読んで下さる方も体調には十分お気をつけください。

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