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守護者が織り成す幻叡郷  作者: 和兎
2章 亜人連合国騒乱編
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指令塔

予定通り更新します。

 

  グルギャ!!!!


  魔物が四方八方から迫る。

 視界がぐらつく頭で何とか全身に流れる魔力を感じ取る。


「お、【朧月、瞬、雷】」


  再び電撃のフィールドを発動させる。


 先程より威力が落ちているが、迫る魔物を戦闘不能にすることには成功する。


  グギャ!!!


  しかし、難を逃れた魔物が【朧月・瞬雷】が切れるタイミングで襲いかかってくる。


「うっ、ぐ‥‥‥。」


  爪の斬撃を何とか刀で防ぐも、勢いで後ろへ吹き飛ぶ。弾かれた刀がどこかへ飛ばされる。


「がっ!!」


  地面に滑りながら受け身を取ることができず、叩きつけられる。肺の中の酸素が全て衝撃で外に出てしまい苦しい。

 滑空しながら、止まる。

  うつ伏せの体を起こして前方に目を向けると歪む視界で魔物が迫るのが目に入る。

(これ、は、‥‥‥‥ヤバいな)


  まともに魔力のコントロールがうまくいかず、力も手に入らない。非常にマズイ状況だ。


 ガッッ!!!


  魔物が牙を剥いて自分へと、飛び掛かってくる。口の端から涎が垂れている。

(くっそ!!)


  自分はどうやら此処で食われてしまうようだ。

  迫る魔物、力が入らない体、どうにもならない状況で思わず目を瞑ってしまう。





 ・・・・・・・・・・・





  しかし、一向に魔物が食らい付く際の痛みが襲って来ない。

  恐る恐る目を開けて見る。


 バチッ!!


  空気中に白い稲妻が走る。


「大丈夫かのう?」

目を開けると、目雷を纏ったミレドがいた。


「ミレ、ド……」


「してやられたのう、おぬし。

 油断するでない!こやつらは瀕死の際が特に危ないのじゃ。確実に狩り取れ!!」


  ミレドの先を見ると囲んでいる魔物の一部が一直線に捌けている。

  ミレドが振り向きネスクの頭に触れる。


―――すると、酷い吐き気と魔力酔いの気持ち悪さが消えて無くなる。先程の魔物の攻撃で額を切って血が流れていたが、その傷も癒えていく。


「おぬしも手を貸せ。一気に片付ける。」


「‥‥‥ああ」

  立ち上がり、改めてミレドを見てみると、いつものミレドと大分、外見が刺々しくなっている。


  雷で髪の毛が逆立ちハリネズミのように鋭く尖り、手や足が雷の爪のような物を纏い変化している。


「ん?ああ、これかのう。雷付与を手や足に集中させておるだけじゃ。それより、見えるかのうアレが……。」

  自分の視線に気が付いたミレドが説明してくれた。そして、ミレドの視線の先にある前方のソレに目を向ける。


  他の魔物と違い特別、大きさが大きな狼の魔物がいる。霧の中でも分かるほどの大きさだ。


「恐らく、アレが司令塔の一体じゃろうな。アレを今から二人で叩く。手伝え、ネスク!!」


「‥‥‥わかった。」

  体調も元に戻ったため魔力に集中させて、発動させる。

「合成魔法【聖雷(パージ・ライトニング)】」

  ミレドと同じように白い雷を自身に付与させる。


 オオオオオオッ!!!!


  狼の魔物が咆哮すると、周りにいた魔物が一斉に襲いかかるために迫る。戦闘開始の合図のようだ。


「来るぞっ!次こそ油断するでないぞ!!」

  ミレドの掛け声と共に臨戦体勢に入る。


 ****


「ここでお待ち下さい、クーシェ様。」

  ポーア様が中央の巨大な木の根へと近づいていく。上の階同様、ヒカリゴケのお陰で部屋の中が明るくなっている。


  ポーアに言われた通り、クーシェはその場で待機する。

  ポーアが懐から折り畳み式のナイフを取り出し指を切る。切り口から血が溢れ出る。

 その血を中央のその根に向かって垂らすと血が根に触れると同時に光り輝く。



  「!!」


  その光が余りにも眩しいため思わず目を瞑ってしまう。光が収まる頃に目を開く。すると、収まった先に琥珀色の丸い石のような物が出来ていた。

  ポーア様がそれを取り戻ってくる。


「‥‥‥それが『神木様の根』なのですか?」

  ポーア様の手の平に収まったそれは根というより、石だ。


「はい!これは神木様の根から作られる魔力を高密度に固められた塊です。

 これの抽出には、王族の者の血が一滴だけ、必要なのです。

これは使い方によってはとても危険な物です。それよりも急ぎましょう。ネスク様とミレド様が前線で奮闘していらっしゃる筈です。」


「はい、そうですね。急ぎましょう!」

  来た道を戻ろうと振り返ろうとしたその時、


『ほう、それが『魔力塊の樹液』か。では、頂こう。我らが義のために。』

  その声で咄嗟にクーシェはポーアを押し倒して地面に伏せる。


「クーシェ、様?」


ポーアは状況を理解出来ずに混乱している。


 背後の中央の根に目線を向ける。


 クーシェがポーアを押し倒す前、ポーアの首が合った所にナイフが突き刺さっている。もし、クーシェが押し倒していなければそのままポーアの首に‥‥‥‥。


「っ!!!」


   ポーア様の顔色が血色を失う。

 数秒前に起きかけた事実に気付いたようだ。

  殺気と音にクーシェの五感が反応した。


「【(シールド)】!!」


  透明な壁がそれを阻む。

 カランッ!!と音を立てて先程と同じナイフが地面に転げ落ちる。


『我の攻撃を見切るか、獣人の娘よ。』


  再び声がする。姿を見せないが先程の攻撃であらかたの居場所は把握している。


「あなたの居場所は把握しております。姿を見せて下さい。」

  何もなかった前方の暗闇から黒装束のローブを被った何者かが現れる。

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