Re:class4 「乙女心」
恋愛描写は慣れてないので、読んでて違和感を感じるかもしれませんがあしからず…。
<サバイバル>とは…――
その名の通り学園規模の生き残りゲームである。
5月10日からの三日間、初等部生徒と大学生徒を抜いた中等部生徒と高等部生徒の<プレイヤー>によって毎年行われている。
<プレイヤー>は無人島内に隠されたゴールコインを探す。能力、魔法の使用は自由。各自が開始時に配られる特殊なバッジを付け、それが破壊されればリタイアとなる。なお、<プレイヤー>への直接攻撃は認めず、バッジへの攻撃可能のみとする。
三日間生き残った者には豪華商品と称号が、最終的にゴールコインを持っていた者を優勝者とする。
…なおリタイアした者は強制的に見物監視用飛行艇に送還される。
初等部生徒及び大学部生徒は学園に残る。見学者は飛空挺にて見物とのこと。
―――といった具合か。
「もうそんな時期か…」
「あぁ、期待してるぞ晃。なんてったって昨年優勝者だからな」
そう、俺は昨年の<サバイバル>で高等部生徒を差し置いて優勝を果たしている。
ちなみに昨年の優勝商品はAランク奥義、秘剣、一年間食堂無料使用券、学園内立ち入り区域拡大など。さまざまな特権がもらえた。
「今年の商品はどうなってんだ?」
「今回は闘技会シード権、秘術、聖石とかだとさ。まぁ目玉はシード権だろうな」「なるほどねぇ…」
今のところ俺のランクはB。昇格試験を受けていないだけで実質Aランク並みの実力は持ち合わせている。みたいなことは言われる。だよなー、俺実際強いし。
「晃さまー、何のお話をされてるんですかぁ?」
やっと女どうしの争いに決着がついたのだろうか、ルナが会話に入ってきた。
「今回の<サバイバル>についてだよ、ったく面倒な<イベント>作りやがって」
「そういえばルナはまだ一回しかやったことないんだっけな」
翔が聞く。
「そうですねー、しかも去年は1日目でリタイアしてしまって…」
なにやら伊織は目を光らせた。
「あらー、随分ひ弱なのね?口とは違って」
「まぁ、お前みたいな可愛げのねえ体力バカよりは全然いいんじゃねーの?」
まったく、年下相手にムキになりやがって…。大人げねーなぁ、伊織は。
………、どうやら俺は彼女の最大の逆鱗に触れてしまったようだ。こいつが炎系の能力者――だからなのかはわからないが、明らかに空気がメラメラと蜃気楼を起こしている。
「……、晃のバカッ!!」
そう言って伊織は共同広場から駆け出していった。
「あーあ…やっちまったな、晃」
ちょっ…、何のことだよ?
「私からはなんとも言えません…」
ってえぇッ!!!俺すんげールナのこと肯定したのに!!
さらに香奈が追い討ちをかけてきた。
「今の言葉はデリカシーがなさすぎね、いくら伊織でも今のは傷つくわ」
「なんだよ、みんなして!俺は日頃思ってることを言っただけだっつーの!」
ちくしょう!俺にデカリシー(?)なんてわかんねえよ!だってこれまで女子と付き合った経験ねーし。なんだかんだモテないワケじゃないのによー…。なーんか泣かせちゃうんだよな。いまだに彼女いない歴16年…。
我ながら悲惨な経歴だが、やっぱりしょうがなくね?
「もーなんでもいいから謝ってこい、晃」
「はぁ?だからなんで俺が…って」
オイオイ翔、てめえその水鉄砲(能力による立派な武器)どうする気だ?
「わかったよ、行けばいいんだろ!?行けば。…ったく」
なんかもう空気が痛々しいのでやむなく、伊織を追って広場を出た。
一方野外の噴水広場では、ベンチに腰掛ける伊織の姿があった。
「…、もうッ!なによアイツ、人の気も知らないで…!」
少し間をおいてまたこぼす。
「バッカみたい…、アイツがあんな性格だってのはわかってたことじゃない…。なのに…」
彼女の頬に涙が伝う。
お、いたいた。こんなとこに。ったく手間かけさせやがって。
とりあえず隣に座る。
………………。
沈黙が続く…
クソッ…、やたら気まずいじゃねーか。翔に無理やり放り出されたものの、あぁ!何も浮かばねー!こんなときなんて言やぁいいんだよ?!
「「あの…」」
二人の言葉が重なる。
「んだよ…、先言えよ」
「アンタから言いなさいよ…」
また沈黙。あぁ怖ぇえ!!俺こういう空気マジでダメなんだよ!!!
あまりの気まずさに先に口を開く。
「……なんつーかその…、さ、さっきは悪かったな。その、で、"デカリシー"のないこと言っちまって…」
伊織の体は小刻みに震えていた。
ミスったか?そう思ったのもつかの間。彼女は恐らく泣いていて真っ赤になった目で、こちらに笑いかけてきた。
「何よ…、"デカリシー"?"デリカシー"の間違いじゃないの?」
「う、うるせえなぁ!どっちでもいいんだよ、そんなこと!!」
「相変わらずバカなんだから…」
それから二人は他愛もない、ちぐはぐな会話を続けながら、そろってベンチで眠ってしまった。
その後、二人揃って寮監に捕まり罰則<ペナルティ>を出されたのは言うまでもない。
次回より<サバイバル>編が始まります…かも




