▽class9 「5月10日<AM9:00〜10:00>」
リアル多忙につき、更新が遅れていますが大目に見てください(>_<)
一方の伊織はというと…。
「9時か、…そろそろお腹が減ってきたわね…」
なんといっても前日の夕飯から何も口にしていない。別にダイエットというわけではないが。とにかく何か食べないと、お腹が悲鳴をあげている…。
「毎度毎度、食べ物ぐらい支給してくれればいいのに…」
ブツブツと愚痴をこぼしながら彼女は小川にたどり着いた。
「いつものアレやるかな」
そう言った彼女の顔つきはどこか得意げだった。
(<レイジングミスト>!)
彼女が手を振りかざすと、小川の水は一瞬で干上がった。何匹もの魚がピチピチと悶えている。
「…こんなもんよね?」
伊織は3匹ほど魚を拾うと術を解いた。しばらくして再び小川は流れ始める。
――――――
「…ふぅ。これでしばらくはもつわね」
捕った魚は焼き魚としておいしくいただいた。腹が膨らむと、ふと先ほどの晃のやりとりが思い出された。
(宙…、歴代サバイバル史上初の未帰還者。去年一番の優勝候補だった、私たちの学年の第一位能力者で晃の親友。…アイツは死んだのよね、不慮の事故で。まぁアイツが怒鳴るのも無理ないか?)
「うぅ…」
彼女は眉間にしわをよせ顔をしかめる。
「嫌なこと思い出しちゃったわね…」
(…たまにアイツがわからなくなる、何考えてるかとか。)
伊織はモヤモヤした気持ちでコイン探しを再開する。
―――――
ピンポーンとかん高い電子音が空から島全体に降り注ぐ。飛行艇からのアナウンスだ。
《生徒の皆さん、調子はどうでしょうか?
おそらくは全員例外なくこの島のどこかに隠されたコインを探していることでしょう。
しかし今回は少しルールを変更したいと思います。
コインはありません。
今回は皆さんのバッジ一つ一つがコインみたいなものです。
一番多くのバッジを破壊した者を優勝にするつもりです。
バッジを三日目の終了時まで守りきった者にも景品を与えます。
それでは健闘を願います。
以上です。》
島の北東部、草原にて伊織
「また今回はずいぶんと戦わせるのね、まぁ実力主義なら望むところよ」
南部、翔
依然として睡眠中。ルール改正により寝込みを襲われる危機あり。
西部、晃
(ゆっくり詮索させないつもりか…、こざかしい真似しやがって)
三日目までは死ねない、少なくとも去年の宙の死亡、いや失踪の真実をあばくまでは。
一般生徒の知らないところにこの学園の闇が潜んでいる。そこには黒い陰謀が渦巻いていた。