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SHOT D RAIN〜少子化対策VRMMOで関係を持った相手が、同じ会社の社員ってあり得るの!?  作者: 丹羽坂飛鳥
サークル対抗PVP編

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本日のハイライト

 私のムラムラ発言は置いておいて。

 タツキの作戦は、バックパッカーらしくアイテム使って戦うことだった。


 今までの私は、味方の支援メインに動いてた。

 タツキの弾薬を私が代わりに補充するスキルを使ったり、使用制限が掛かってる大技の秒数を短く変更出来るスキルを連発することで、チームのダメージ量を上げてきた。


 もちろんアイテムが一番重要。

 SP回復アイテムを投擲したり、HP回復アイテム使ったりしてヒーラーちゃんの補助してきた。

 あんまりバックパッカーが好かれないのは、こういった表に出ない地道で面倒な仕事が多いからだ。


 だけど今回は、私がアイテム多く持ち込める状況と、相手がダウンするまで状態異常を回復してこないことを逆手に取れるってタツキが言い出した。


【毒の散布】スキル。


 街でも売ってる『毒瓶』って単体用のアイテムをバックパッカーが持ってれば、スキルで敵全体に散布出来る。

 ボスには耐性ついてたり、通常敵にもほぼ効果ないから忘れられがちなんだけど、味方のスキル補助じゃなくてそっちをスキルツリーで取り直して欲しいらしい。


「バックパッカーが入ったことで前線の火力は低下したけど、全体への総ダメージ量なら実は増やせる。

 EGで回復入れられるの最初はきついけど、回復出来る量はアイテムの個数とHPを掛け合わせた分だけ。

 他のチーム相手でも、SPで回復出来る量は限られてるから……」


 総ダメージ量が総回復量を上回ればいい。

 EGも譲渡不可で無限じゃないんだから、いずれ枯渇が見込める。


 姫と騎士なら特に、傍観してるだけだからダメージ入れておけばいい。

 一割減った程度なら全体回復アイテムで回復すれば良いと思ってるかもしれないけど、タツキとマゼンタさんの遠距離スキルもあるし、もしかしたら一気に落とせるかもしれない。


 回復スキル持ちのチーム相手でも、HP減ってきたの嫌がって回復した分だけSP減らせるから、ドットダメージは地味に効くって寸法だ。


「リーダーも総ダメージの話出してたけど、多分ミツハにこれ以上の負担かけたくなくて言い出せなかったはず。

 でも……出来るよな、ミツハ。

 俺もサポートする。練習も手伝うから」


 覆い被さったまま見つめられてる状況が、真剣な壁ドンみたいな状況でちょっとドキドキする。

 何より一番胸を騒がせてるのは、やっぱり。


「もっと早く言ってよタツキ……!」


 私に出来ることが増えたって嬉しい事実だ。


 お遊びで入れられてるの分かってるから、足手纏いになってる感あったのが一番つらかった。

 でも私にしか出来ない立ち回りがあるなら、話は別。


 やりたい。

 普段弱くて話題にもならない毒散布スキルが生きるとか、リーダーじゃないけど夢がある。


「効率悪くなった分だけダメージ下がるから、常に入れてる状態が理想。

 スキル入れるタイミングは十五秒ごとだから、体にタイミングを徹底して叩き込まなきゃならない」


 なるほど、リーダーが遠慮するくらいとんでもない話があるんだってタツキに言われて気づいた。

 バックパッカーとして最大火力を叩き込むには、他の役職が自分のスキルで秒数管理してるのと同じくらい努力が必要ってことだ。


「あと、三秒ごとに一回ドットダメージが入るけど、ラストダメージが最も大きいから、それが入ったのを確認してから使い直すのも重要。

 最後の三秒待てずに上書きすると、遅れるより間隔が空く上にクリティカルダメージが入らないこともあって効率が落ちる」


 弱いスキルなのに条件厳しいなあ、毒散布。


「つまり、そろそろ十五秒って思ったタイミングで敵キャラ見て、HPちょっと減ったの確認したらすぐにまた毒入れるってことでしょ。

 でもそれだけじゃなくて、状況見て周りに支援も入れながらってことね、OK把握」


 やること増えた分だけ、もちろん大変になるって分かってる。

 アイテム持ち込める数多いって言ったって、無駄に毒瓶で埋めるわけにいかない。

 雑にやってて強い職業なら、誰もがバックパッカー選んでる。


 タツキの部屋にある秒針付きの時計を見て、十五秒数えてみたけど意外に長い。

 なんとかこのタイミングを体に叩き込まないとなって考えてたら、タツキに頭撫でられて思わずそっち見ちゃった。

 首に触れて照れくさそうなタツキがいる。


「……ところで一崎」


「ん?」


「さっき言われた通り、リアルでSTP対策誘った方が良い?」


 ちゃんと私が言ったこと覚えてるんだって、私まで恥ずかしくなった。

 タツキに「入れちゃう?」って聞いたの私だし、翌日の練習までにしっかり寝てた方が効率いいってわかってるから、タツキの首に腕を回した。


「じゃあ……ゲームのこと考えて、興奮して寝られそうにないから。

 鎮めるためにも、ちょっと運動する?」


「……俺も同じだから、付き合ってもらおうかな」


 キスされてそのままベッドインしたけど、賢者モードでお互いにぐっすり眠れました。




 日曜日は十五秒間隔練習して、お互い家に戻ってログイン。

 だけど新しい戦法も最初は小馬鹿にされてた。

 リーダーは褒めてくれたけど、付け焼き刃的な感じで短気なドラゴンライダーさんにもちょっと睨まれた。


 でも賛否両論スキルがしっかりハマった時の強さはあった。

 たった一度だけど、毒でちょっと弱ったところに全員がうまく攻撃出来て、回復入れる間もなく全滅させられた。


 これには短気なドラゴンライダーさんもにんまり。

 タツキもハイタッチでめちゃくちゃ褒めてくれたから、照れちゃった。


「すごいね、ミツハちゃん。毒瓶の威力舐めてた。

 チーム全体弱ってたからいい感じに倒せたね」


「ヒーラーちゃんがしっかり回復してくれるから、みんな前に出られたおかげですよ。いつも感謝です」


「私なんてルーチンワークだよー。

 ……いいな、前衛楽しそうだよね。

 ダウン取るの爽快そう……私もやりたくなってきちゃった」


「新しいこと試すの今みたいに大事ですし、リーダーに言って練習してみますか?

 タツキに銃火器仕込んだのヒーラーちゃんって聞きましたし、ダメージ増加見込めるかもしれませんよ」


 ヒーラーちゃんは、元々前衛で大暴れするタイプの職業使ってたらしい。

 子熊の時に師弟関係あるって小耳に挟んだ通り、ネタ画像みたいに『ヒーラーちゃん』って名前で大斧振ってる姿も画像残されてたけど、昔はランカーだったのを引退したみたい。

 理由は不明だけど今はヒーラーしてて可愛らしいヒーラーちゃんが、杖をブンブンした。


「んー……回復いなくなっちゃうから、考え中。

 ミツハちゃんがアイテム回復してくれるのに任せても良いけど、一人に背負わせるのも大変かなって思ってるし……」


「ヒーラーちゃん、ちょっときてー」


「あ、はーい。

 ごめん、リーダーに今の話、内緒ね」


 ヒーラーちゃんを見送ったけど、その後も何度かサークル戦してみて、とにかく今のスタイル通してみようって話になった。


 毒対策は、するかしないか微妙ラインなところまで強いかもしれない。


 私も支援でアップアップで毒入れるの忘れたり、効率まだまだ悪いから練習を重ねた。

 敵ドロップを売ってるプレイヤーもいるし、毒瓶よりもっと効率良いアイテムないかなって調べたりもしてたんだけど……ヒーラーちゃんが職業変更悩んでたのもあって、それもちょっと考えてた。


 姫チーム相手なら、回復役を私だけにしてもいけそうなんだよなぁ……。

 前線固まりやすくてアイテムの範囲回復が届くから、とにかく回復アイテム投げてる感じでいいかも。


 むしろ前衛増やしたほうが、相手も減らしやすくなってダメージ量が減る試算をマゼンタさんが出してた。

 リーダーとヒーラーちゃんが検討中だけど、強力な攻撃が出来るメンツ多い方が、押し込みやすい実感はある。


 どうにもならない状況に陥ってもEG使えばリカバー出来るし、やっぱり私がサークルメンツに言えないままEG隠し持ってる方がもったいないよなあ……なんて考えてたけど。


 そんなある日のこと。


「ねえねえミツハちゃん」


「どうしましたかヒーラーちゃん」


「EG持ってるよね?」


 どこからどうバレたのかはちょっと分からないんだけど、リア充爆発四散派のヒーラーちゃんが真顔で言い出して、私が固まったところまでが本日のハイライトです。

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