表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHOT D RAIN〜少子化対策VRMMOで関係を持った相手が、同じ会社の社員ってあり得るの!?  作者: 丹羽坂飛鳥
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/36

迷い

 その後も二人で賑やかに遊んだ。

 水族館デートの一員みたいな格好の人も見かけて、きっとショー終わりで買ったんだって共有してる感じも良かった。


 ……正直、タツキとのお出かけすっごく楽しい。

 呼び名は一崎だし、見上げたら課長なのに、話してるとゲーム一緒にしてるタツキそのままだからかな。

 悔しいけどやっぱり気が合うし、休日出勤でお通夜状態なんてもう考えられないくらいはしゃいでた。


 水族館は外にもコーナーがある。

 ランチを楽しんだら今度はペンギンの餌やりタイムを楽しんだり、十分すぎるくらい遊べた。

 午後三時に予定されてる餌やりタイムの館内放送が流れると、私もタツキも約束の時間が来たって気付く。

 携帯端末を開いた課長が、出口を示した。


「そろそろ帰るか。渋滞予測したら今くらいが限度だけど、どうする? それとも延長?」


 来る前から解散時間もきっちり決まってたし、ゲームのログイン時間の確保も言わずともしてくれてた。

 まだウインドキャッスルエリア全然回りきれてないし、正直ありがたい。……って来る前は思ってたのに、ちょっと残念。水族館もっと回りたかった、って気持ちになるなんて思ってなかった。


「うーん……結局全部回りきれなさそうだし、今日は帰ろうかな」


 これ以上は夜遅くなっちゃうし、名残惜しいけど予定通りにしようって決めた。三井くんとも夕方には解散だったしフェアプレーだ。


 でも帰りの車内では、タツキと水族館の話で大盛り上がりした。

 イルカとシャチのショーも時期によって違って、年中飽きないようになってるらしい。

 ハロウィンに、クリスマス。すぐにお正月。夏が過ぎても賑やかな行事はどんどんやってくる。


「……」


 その時、私の隣にいるのは誰なのかな。

 ……夕暮れが始まる中、運転してくれてるタツキの横顔を眺めてた。


 このお出かけが終わったら、私は一人に決めなきゃいけない。

 告白してくれた三井くんにも、諦められないって言ってくれたタツキにも、答えを出さなきゃいけない。


 ……やっぱりずっと会社でそばにいて、慰めてくれた三井くんを彼氏にするべきかなって思ってる。


 優しい三井くんとなら、二人で初めての彼氏彼女になって、イベント共有して、ゲームも一緒に始めて。これから先も仲良く楽しく暮らしていられる。


 会社で情報オープンにしたって、同期で仲良いから納得してもらえるはず。

 振っちゃったら三井くんは多分傷ついて近づけなくなるし、周りにも何があったのかって心配されちゃう。


 タツキとは冷戦状態の上司と部下。


 ゲームの中で素性を知らずに遊んでただけだからきっと誰にも驚かれるし、上司が部下に手を出したのは正直喜ばれる話じゃない。

 私だって『⚪︎課の課長が部下と出来てる』って聞くのやだ。

 何か特別扱いをされてるわけじゃなくたって、穿った見方もされる。


 振れば元から塩対応同士、きっと誰も気付かないまま終わりだ。


 ……携帯端末を開けば『恋の芽生える街』の看板を背景に、二人でピースした写真が残されてた。

 シャチコーデが似合う課長を見れば、一緒に水族館を巡った思い出が溢れてくる。


 それでも待たせてる三井くんを思い浮かべて、今度こそ答えないとって全部含めて考えて……私は誰を選ぶべきか決めた。

 運転中のタツキと、暮れていく高速道路を眺めてたけど……私の答えはもう決まったんだって、これから先も隣にいて欲しい人を思い浮かべてた。


 もう一度寄ってもらったサービスエリアで休憩して車内に戻ると、エンジンがかかる前にタツキのシャチコーデを引っ張る。

 振り向いた背が高くて顔はいいメガネの課長を改めてじっと眺めると、不思議そうに「どうした」って聞かれるから、言うって決めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ