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お前を愛することはない、私もなのでお構いなく  作者: 紡里
第一章 卒業パーティーとそれから一年後

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玉座を汚すもの

報復の内容が、過激なものになっています。

苦手な方は、申し訳ありませんが、ページを閉じてください。

 王宮の地下牢に、アルベリックが現れた。

 隣り合う二つの牢には、いまはまだ玉座にある者と、その後継者――国王と王太子が収監されている。


「おお、我が友、ゴドリックの救いの手だな!」

 国王が顔を輝かせる。

「アルベリックよ、早く我をここから出すのだ!」


 だが、次男アルベリックは無言のまま、冷たいまなざしを国王に向けた。


「早ようせんか! こんなかび臭いところ、勘弁ならんわ!」

 苛立った国王が声を荒げる。


「お、お前、よく俺の前に顔を出せたな……!」

 王太子も顔を歪め、鉄格子に手をかけて怒鳴った。

「へ、平身低頭して詫びるところだぞ、ここは!」


 その言葉に、アルベリックはあっさりと返す。


「出さないし、詫びない」



 国王と王太子は、まるで打ち合わせたかのように怒鳴りだした。

「無礼者が!」

「何様のつもりだ!」



 牢の中で響く怒声に、アルベリックはわずかに眉をひそめた。

「……あんたたち、ほんと、そっくりだな。一晩たっても、まだ反省してないのかよ」


 その言葉に、国王が怒りで顔を真っ赤に染める。

「なんだ、その言葉遣いは?! 不敬罪に問うぞ!」


 だが、アルベリックは肩をすくめるだけだった。

「敬うべき相手には、敬語を使うさ。――でも、敬えない相手には、これで充分だろう?」


 ぴしゃりと返された言葉に、国王は唇を噛み、低くうなるように言った。

「……後悔するぞ」

 アルベリックは冷笑を浮かべると、その目を国王に向けた。


「ふっ、そこから? どうやって?」

 その声は氷のように冷たく、湿った地下牢の空気のかび臭さがひときわ強く感じられた。



 アルベリックは静かに、だが、きっぱりと言い放った。

「『国王陛下』と呼ばれた男――その座を追われたら、お前にはもう、価値がない」


 牢の中で国王の目が見開かれる。言葉の意味を理解するよりも早く、次の言葉が突きつけられる。


「民が統治者に敬意を払うのは、その者が秩序と安寧をもたらしてくれるからだ。

 不敬罪とは、本来その秩序を守るためにあるもので、無能な者の矜持を守るためのものじゃない。

 今、お前が軽んじていた王妃が、代理の国王として、見事に王国大評議会を取り仕切っている」


 言葉の刃に、国王の顔がみるみる紅潮する。

「代理だと……? そんなことを認めるわけがなかろう!」


 怒りに震える声に、アルベリックはあきれたように首を振った。

「そう思うか?

 貴族院議長、法務卿、軍務卿、宮内卿、外務卿、そして最年長の王族であるセレスタリア様……誰一人、お前を擁護しなかったそうだ」

 沈黙が落ちた。王太子がごくりと喉を鳴らすのが聞こえるほどの、重い静けさ。



「まあ、他国の未成年の姫を強姦し、監禁していた奴をかばうなんて――どんな恥知らずだよってことだ。

 下手すれば、同類だと疑われる。誰だって、自分の地位と命が惜しいだろう?」

 アルベリックの声は、どこか乾いていた。情けのようなものは、一片もない。


「国を反吐みたいな醜聞で危機にさらしてるんだ。その時点で、『国王』の称号を剥奪されるのは致し方あるまい?」

 苛立たせるよう、わざと古めかしい言い方をした。


 国王は声を荒げ、頭をガシガシと掻き出す。

「また叔母上か! いつもいつもいつも……!」


 その言葉に、アルベリックは呆れたように、大げさに肩をすくめてみせた。


「ええ~この話の流れで、そこ?

 劣等感に振り回されすぎ。ほんと、小者だな。

 そんなに精霊魔法を使えないことって、恥ずかしいか?」


 挑発的な言葉に、国王はさらに声を尖らせる。

「な、何を言っておる! あんな怪しげな妖術、羨ましいことなどあるものか!」

 その否定の言葉すら、どこか必死で、空々しい。



 アルベリックは冷ややかに微笑み、皮肉たっぷりに言い放つ。


「……この国の建国王は、妖精女王の力を借りて前王朝を倒してますけどね。

 『怪しげな妖術』って言うなら、この国自体が最初から怪しい存在だったってことになるなぁ」


 彼はわざとらしく腕を組み、ゆっくりと頷いた。まるで自分の中で合点がいったかのように。

「ああ! だから、滅ぼそうとして、国際問題を起こしたのか。納得、納得――なるほどねぇ」


 その気の抜けた口調と煽りに、国王の顔が見る見るうちに紅潮し、拳を固く握りしめる。



 アルベリックは丁寧に解説してやる。


「だってさ――姫に対するやらかしも酷いけど、屁理屈つけて一つの国を無理やり属国にしてるんだぜ?

 それだけで、イスカリーヌ国から攻め込まれる理由には充分だよな。大義はあっちにある。

 もし、イスカリーヌが他国に協力を頼んで多数の国に包囲されていたら、お前らは今頃もう生きていなかったかもしれない」



 その場に重苦しい沈黙が落ちる。

「……宰相にも相談せず、すべて独断専行だろ?

 ――グリムリー。お前が、国を危険にさらしたんだよ」


 淡々と語る声が、牢の石壁に静かに響く。その一言一言が、重く、鋭く国王の心を貫いていくようだった。



 隣の牢で、王太子が息を呑む。

「そんな……」

 驚愕の表情で、王太子は鉄格子を両手で握りしめた。視線は隣の牢の方向――だが、分厚い石壁に遮られ、国王の姿は見えない。



 彼の目に浮かんだのは、これまで信じてきた「国を力強く導く父親」の像だった。


 国王は民に慕われる賢王でも、慎重な戦略家でもない。

 ――ただの、強引な独裁者。

 その事実が、王太子の中の世界を揺るがしていく。



「お前に、何がわかるというのだ!」

 怒りに顔を紅潮させた国王が、唾を飛ばしながら叫んだ。


 だが、アルベリックは微笑さえ浮かべていた。わざと間を置いてから、肩の力を抜いた口調で言い返す。

「ん~、わからないねぇ」

 軽く首を傾げながら、彼は続ける。


「俺も精霊魔法は使えない。でも、魅力を感じたから、勉強した。

 知識を持ち寄って、あれこれ話すのも楽しいし、思いついたことは頼んでやってもらえばいい」

 そこまで言って、彼は少しだけ表情を引き締めた。


「……それのどこに、恥じることがある?

 使えないことそのものより、劣等感をこじらせて他人を排除する――その方が、よほど恥ずかしいと、俺は思うけどな」

 国王は返す言葉を失ったように、うつむいた。



 国王の肩が、小刻みに震え始める。唇を引き結び、怒りなのか、羞恥なのか、自分でも制御しきれない感情が滲み出ていた。



 そんな様子を見下ろしながら、アルベリックが冷ややかに告げる。

「精霊魔法を使えるセレスタリア様だって、お前に協力を申し出てたんだろう?

 それを拒んで、精霊神殿に追放って……馬鹿じゃねぇの?」

 鋭い言葉で、国王の虚像を剥いでいく。



 その隣の牢で、王太子の声が震える。

「……父上、それは誠ですか?」

 鉄格子を握る手に、力がこもる。


 否定の言葉を期待しているのか、それとも心のどこかで薄々気づいていたのか。

 いずれにせよ、彼の中の世界が音を立てて崩れていく気配が、空気を通じて伝わってきた。


 アルベリックは、そんな王太子に目をやると、わざと軽い口調で続けた。

「ほら、答えてやれよ、おーさま。

 真実を語るのも、王の責務……だろ?」

 牢内には、返事の代わりに、国王の荒い呼吸だけが響いていた。



 国王はぎり、と奥歯を噛みしめ、牢の外に立つ次男を鋭く睨みつけた。

「……あれは、あやつの……自業自得じゃ」


 喉の奥から絞り出したようなその言葉に、アルベリックは一拍の間を置いたあと――声をあげて笑った。

「あっはははは!」

 その笑いには、軽蔑の色が浮かぶ。


「叔母から差し伸べられた手を、自分から振り払っておいて?

 『王家に相応しくない』なんて言って、冤罪までかけておいて?

 どこらへんが……なにが自業自得なんだよ」

 嘲るように笑い、アルベリックの声はわずかに低くなった。


「冤罪の片棒を担がされた男は、今、うちの領地で保護してる。

 夜中にふいに思い出しては、罪悪感で半狂乱になることがある」

 彼はまっすぐ国王を見据えた。


「なのに――首謀者のお前が、よくもまあ、そんなふうに嘯けたもんだな。

 自業自得って、今のお前のことなんじゃねぇか? どんだけ墓穴掘るつもりだよ。くっくくくくく……」



 ひとしきり笑ってから、ふうと息を吐いて呼吸を整える。


 アルベリックは口元を歪めて、にやりと笑った。


「言っとくけど、セレスタリア様の名誉は貶められてないからな」

 その一言で、国王のまぶたがぴくりと動いた。



「国民に対しては、『自ら神殿に入られた』って発表しただろ? 王家の威信を守るために。

 ……でも、国の中枢にいる連中は気づいてる。

 お前がただ『気に入らない』ってだけで、耳が痛い意見を言ってくれる味方を排除したってことに」

 アルベリックの声は、じわりと染みる毒が含まれていた。


「セレスタリア様本人が、神殿に入る前に『甥をよろしく』って挨拶して回った。

 だから、皆その顔を立てて、あえて波風立てずにいるだけだ」

 彼は一歩、牢に近づいて、柵を指ではじいた。


「お前は、子どものころからずっと変わらないんだろうな。

 ガキ大将のまま、ただ甘やかされて――

 大人たちが生ぬるく見守る中で、のうのうと好き勝手やってきたクソガキのまま……」


 その言葉を突きつけられた瞬間、国王の顔から血の気が引いた。

 ただ口を、魚のようにパクパクと開閉させるばかりだった。



「さて、王太子に問題です」

 アルベリックはゆっくりと王太子の方へ顔を向ける。

「この愚かな男は、精霊魔法の使い手を失い、国王の務めをつつがなく果たせたでしょーか?」


 唐突な問いに、王太子――アーチボルトは困惑の色を浮かべた。

「立派に……務めていらっしゃった、だろう? 鉄道の整備だって、父上の……偉大な指導のもと……」

 自信のない声が尻すぼみに消えていく。


「いいや」

 アルベリックの声は冷ややかだった。

「肝心の、『建国王の誓い』を果たしていない。太陽宮と清静宮の間にある泉、あれこそが、ここに王宮を建てた理由だ」


 沈黙が落ちる。昔は誰もが知っていた、けれど今は忘れられかけている事実。


「その泉のすぐ脇にある聖堂。その奥の『祭祀の間』で、建国王の後継者しか知らない儀式をすべきなんだ。つまり、国王が……な」



 そのとき、隣の牢から、震える声が聞こえた。

「なぜ、それを知っている……?」


「なぜって?」

 アルベリックは意外なことを訊かれたとばかりに、片眉を上げる。


「この国で精霊魔法を学ぶ者なら、最初に習う基本中の基本だろう。

 ……ああ、精霊力がないとわかって、拗ねて講義さえ受けなかったんだっけ?」

 国王は無言で柵を蹴飛ばした。



「歴代の国王の中にも、精霊魔法を使えない方はいらっしゃった。

 その方々がどうしていたかも知らないのか? 王族で精霊魔法を使える人に入り口を開けてもらえば、中に入れるんだよ」


 まるで魂が抜けたかのように、国王の顔から血の気と共に表情が失われていく。



 その様子に、アルベリックの方が焦りを感じる。

 ――まさか、本当に知らなかったのか?

 じわりと嫌な汗がにじむ。冗談だろ、嘘だと言ってくれ……。



「んん、お前も、セレスタリア様の手を取っていれば、問題はなかった。それだけのことだ」

 アルベリックは自分のペースを取り戻すべく、顎に拳を当てて、早口で言った。



 しばしの沈黙。牢の中で、国王の膝が崩れた。片手で鉄の枠を掴んだまま、ゆっくりとへたり込む。


「……もっとも、精霊魔法を毛嫌いしているお前の祈りを、泉の精霊が受け入れてくれたかどうかは……別の話だけどな」

 淡々とした声に、わずかに憐れみが滲む。

 精霊たちは気まぐれだ。人の努力や願いなど、露ほども意に介してくれない。

 その悔しさなら、アルベリックもわかるのだ。だが__。



「お前は、国の安寧よりも、自分のちっぽけなプライドを優先した。それだけで、もう、国王の器ではないなぁ」

 言い放ったアルベリックに、国王は激情を爆発させた。


「だから、イスカリーヌの巫女姫を娶ったのではないか!!」

 ……これが犯行動機か!

 心底、呆れた。



「……ほんと、勉強しろよ」

 アルベリックはやるせない思いで、頭をかいた。


「泉を礼拝するってことは、水の精霊をお祀りしてるに決まってんだろ。精霊の相性くらい、ちょっと信心深いなら庶民でも知っている知識だ。

 イスカリーヌは土の精霊の国。水にとっては、弱点そのもの。

 連れて行ったところで、逆に、がっちがちにガード固めるっての。絶対に開かないわ、そんなの」



 国王が言葉を失う中、アルベリックはふっと笑い、やけに軽い口調で付け加えた。

「お・べ・ん・きょ・うって、だいじぃ~」


 この侮辱に、王太子が顔をひきつらせ、国王は震える拳で柵を叩き始めた。



 王太子が鉄格子に取りすがるようにして、叫んだ。

「それなら、私の御代になったら、どうすれば……!」

 その声には、焦りと不安が滲んでいた。


 アルベリックは、ため息まじりに肩をすくめる。

「お前、一応ちょっとは精霊力あるじゃん。鍛えてないから、まともに使えるようになるには、相当がんばらないとだけどさ」


 そして、ぎろりと国王を睨みつけながら言い放った。

「だから、コーデリアを強引に婚約者にしたんだろう。精霊力が強いあの子を、自分の補佐に使おうとしてさ」


 その言葉に、王太子は一瞬たじろぎ、「そんなぁ……」と情けない声を出した。



 他人の娘を当てにせず、息子をちゃんと育てればよかったのにな。

 それとも、我が子でも自分より優れているのは許せないってことか?

 そんなの、親として問題っつーか、なんていうか……惨めだよなぁ。



「どんなに優秀な人間だって、一人でできることには限界がある」

 静かにアルベリックは言葉を紡いだ。


「だからこそ、協力し合って生きている。――その先頭で指揮を執るのが『王』だと、俺は思う」

 静かに語る声に、熱がこもっていた。


 アルベリックはゆっくりと国王の正面まで歩き、鉄格子越しに国王を見下ろす。

「王は支配するのではなく、導く者だ。

 完璧を目指して欠点を隠し、人を排除してでも、自分だけが讃えられたい……その結果がこれだろ」


 牢の中に静寂が落ちた。


「……アルベリック。そなたこそ真の側近……」

 国王がポツリと呟いた。感銘を受けたような口ぶりで。


 ……はあぁぁぁ?!

 アルベリックは盛大に眉をひそめる。


 王太子の目が覚めなければ、この先が厳しくなる。

 だから、俺の持論を抵抗感を抱かせずに聞かせようとしているのに……反省すべき親の方が、相も変わらずこの調子か。


 王太子はともかく……もう、お前が戻れる玉座は、どこにもないぞ。




「……もう、なんか疲れてきたわ。終わらせよう」

 アルベリックは小さく息を吐き、背後に控えていた近衛騎士に目配せをした。

 すぐに騎士が頷き、鉄扉の外で待機していた一人の男を連れてくる。


 鉄鎖のこすれる音とともに現れたその男を、国王と王太子は揃って目を見張って見つめた。


「……あんたたちが、気軽に女性の尊厳を踏みにじろうとするのは、それがどれだけ酷いことか、わかっていないからだと思うんだ」

 平坦な声、その奥に許せないという思い。


「だから、しっかり――わからせようと思う」

 その言葉に、加害者二人は凍りついた。



「この男はうちの公爵領の住民で、痛めつけながらするのが好きなんだ。もし、相手の同意を得ないでやったら、不能にすると約束している。

 だから、昨日、王太子に刻んだ術式は、この男のために編み出したんだよ。

 しっかり約束を守っているから、今まで実際に刻んだことはなかったんだけどね」


 今、お前たちが感じている恐怖に、被害者が味わったかもしれない感情を想像してみるがいい。



「反抗できないように、少し、痺れさせてもらうよ」と加害者に話しかけると……。

「いや、そのまま、活きのいいままがいい。もし逃げても、近衛さんが取り押えてくれんだろ?」

「……まあ、そのためにいるようなものですが」

「そういう趣味か。わかったよ」


 二人はこの会話に、今日一番の絶望を見せた。



「今、王国大評議会が開かれている。

 国王に与した者たちも、すでに牢に入れられていて、王宮の守りは手薄だ。

 それから、今日この牢屋番を務めているこの近衛騎士――彼は、婚約者が面会に訪れたとき、国王に襲われて……。

 だから、俺の計画に賛同してくれたんだ。

 まさに自業自得……だな?」




 アルベリックは静かに息を吐いた。

 自分は、結局のところ奴らと同じなのだ。


 __ これは私刑だ。



 権威の陰に隠れて好き放題をしてきたこいつらと、たいして変わらない。

 彼らが「王族」の名のもとに法をねじ曲げたように、俺は今、「正義」の名のもとに隙を突き、法を無視している。

 自分がやらねば、誰がやるのか――と。

 こんなのは、歪んだ正義感にすぎない。だが、酔っているとわかっていても、やめられなかった。

 たとえ、方法が間違っていたとしても。



「まず、お前らさぁ――大前提が違ってるんだよ」


 仕上げに、希望を徹底的に叩き潰そう。


「俺たちの父、ゴドリック・ダンブリッジ公爵は、国王グリムリー・アルビアンスを『友人』だなんて一度も思ったことがない。

 だから、今もあんたを助けようなんて、これっぽっちも考えてないよ」


 国王の目が泳ぐのを見つめる。……反論もできないか。



「それから、妹のコーデリア。

 あいつは王太子アーチボルトのことを心底嫌ってる。

 最初から、婚約したくなくて、破棄したくて仕方がなかった。

 縋ってきたら、側妃にして仕事を押しつける? アホか。

 今じゃ、お前から逃げるために、帝国の皇子からの求婚に応えるのも『悪くない』と思い始めてるよ」


 昨日、あんなに抵抗されて、暴力を振るって……なぜ「初めて知りました」みたいな顔をするんだ。



 最後に、舞台の悪役のように、両腕を広げて――はっきりと告げる。

「さあ、味わうがいい。お前たちが与えてきた恐怖を……今度は、お前たちの番だ」


 牢内に、声にならない悲鳴があがった。


やりすぎですか? 気分が悪くなったら、申し訳ありません。

でも、怖さ、悍ましさを実感しないと反省しないだろな……と、こんな流れになりました。

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― 新着の感想 ―
最低でも12年間はズタボロ性的拷問して欲しいです! 全然やりすぎのざまぁじゃないです大丈夫です。
 被害者の心の傷を思えば、まだ、やり過ぎとまでは言えない気がしてしまいますね。王と王太子も酷い目に遭わされてはいますが、子ども時代は安穏と過ごせたわけですし、望まぬ妊娠と出産からも免れていますから。
アルベリック様。最高です
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