第49話 帰るべき場所
疲れた。本当に疲れた。
各勢力との交渉を終え、やっとの事でエイアースに戻ってきたスグルはソファに腰かけてグッタリしていた。
結局、バグズとメガラット。それにビーストアークとパラサイトとの戦争は継続。平和とは程遠い成果になってしまった。それでも、止まっていた時計の針が進み始めたことは大きな前進に違いない。
「この協定は小さな一歩かもしれません。しかし、大いなる一歩です。この会談の実現に尽力した、アカガネスグル大将にどうか盛大な拍手と温かい手を!」
グランギガロス共和国全権大使、モーリス・ランペルグ氏の言葉が胸に刺さる。
彼らの恩威と信頼を裏切る訳にはいかない。何としても、人類の意識を変えなくてはいけないのだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「この世にはね、一方から見たら摩訶不思議で理不尽な事でも一方から見たら当たり前。そういった事はごまんとあるわ。」
「この世界ではこれが常識なのよ。誰も疑わない普通のことなのよ。ここはね、そういう世界なのよ。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とあるバーの女性マスターの言葉を思い出す。その普通をぶち壊さなくてはならない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「気に障ったらすみません。この国では人類以外は撃て、そう習うんですか?」
「学校でそう習った覚えはないなぁ。習う習わない以前に、そういうものだと思っているからね。」
「なぁ、スグル。君からしたら…人類は相手が何であれ攻撃するのに、敵は人類の輸送船を攻撃しないことを疑問に思わないことが不思議なのかもしれない。でもな、我々にとってはそれが普通だったんだよ。そういうものだと思っていたんだよ。」
「う、宇宙艦隊を持っているのに、歩兵装備が貧弱過ぎると思わなかったんですか!?」
「だって………………………、そういうものだと思っていたから…。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いいぜ。それが普通だと思っているなら、そういうものだと思っているなら、そのふざけた幻想をぶち殺す!
でも…、その前に一旦帰ろう。もう1ヶ月以上、ミカエルとガブリエラに会えていない。
これ以上は姉妹欠乏症にかかって死んでしまう。元の世界の、IT企業に勤めていた時以上のブラック勤務に就くとは思いもしなかった。なんだかんだで休暇もお預けで、まともに休めていない。
「眠たかったら寝てもいいんだぞ。着いたら起こしてやる。」
「ありがとうございます。大尉、お言葉に甘えて…zzz。」
「本当にあっさり寝やがった。よっぽど疲れてやがったんだな。」
「そりゃそうですよ。各勢力との交渉を一手に引き受けて、軍の事も見なきゃいけない。合間に書類の整理、明らかに1人に負わせる仕事量じゃない。」
「…2人とも静かにしろ。」
エコー分隊のメンバーに護衛されながら、大尉の運転する車でシャーロットを目指す。
その途中。
「…ムッ!??」
大尉が慌てて急ブレーキを踏んだ。弾みで体が前に行く。シートベルトをしていなかったら前方に投げ出されていただろう。何事かと前を見ると何者かが車の進路を塞いでいた。
「おい! 危ないだろう!! 何を考えて………!!?」
大尉が窓から顔を出して飛び出してきた人物に怒鳴るが、直ぐに異常に気が付いたようだ。慌てて車をバックさせる。
「今度は何です!?」
「黙っていろ!!」
「???」
ドッガン!!!
次の瞬間、さっきまで車のあった場所で大爆発が起きた。衝撃と爆風で車体が浮くが、大尉が瞬時に空中走行モードに切り替えたようだ。猛スピードでその場を離れる。その時、
「畜生! 失敗だ!!」
「おのれアカガネスグル! 戦友の死を冒涜したお前の存在を、我らは許さない!!」
「アカガネスグルに死を! そして、人類に健全な思考を取り戻す!」
「人類存続機構万歳! エイリアン共に死を!」
…っ! これは!!?
「もう大丈夫だろう。援軍もすぐに駆け付けてくれるはずだ。」
大尉は、車を一旦司令部敷地内に停車させた。走行中に無線で連絡を入れていたので、到着時には既に数台の護衛車両と十数名の兵士が待機していた。
「ありがとうございます。大尉の機転で助かりました。」
「礼など必要ない。これが任務だからな。それに、避けられなかったら我々も死んでいた。」
大尉は振り向かずに返事をした。
「さっきの人達は、やはり…。」
「ああ、アンジェラと同じだ。…彼女が…あの連中の中にいなくて良かった。」
今だ独房にいるアンジェラ中尉を思い浮かべる。アグノーラ准尉の報告だと最近は落ち着いてきているみたいだが、一歩間違えれば彼らと行動を共にしていたかもしれない。独房に入れたのは正解だった。
「帰りがまた遅くなるなあ…。定時はとっくに過ぎているのに、すみません皆さん……………どうしました?」
愚痴りながら両脇に座っているジェイド中尉とダーム少尉を見た時、異常に気が付いた。2人は…………怯えていたのだ。両手で肩を抱きながらガタガタ震えていた。
「え? え?? 2人ともどうされました!?」
数々の激戦を潜り抜け、どんな状況下でも怯えることのなかったジェイド中尉が恐怖に顔を引きつらせている。慌てて運転席と助手席にいる大尉とギルダー中尉を見ると、なんとその2人まで震えていた。
「一体どうしたんです? そりゃ、狙われて怖かったのは同じですけど…。」
「違う! そうじゃない!!」
「?」
突然、ジェイド中尉が大声を出した。
「スグル! 君は何とも思わなかったのかい!!」
「な、何がですか?」
「人が襲って来たんだよ! 同じ人間が! 僕たちを! 君を殺そうとした!!」
「そ、それは確かに自分も驚きましたけど…、アンジェラさんの時と違いすぎませんか?」
ジェイド中尉は首を振った。
「彼女は素手だった! でも彼らは銃口を向けてきた!! ありえないよ! 人が人に銃を向けるなんて!!!」
「ス、スグル。おめーは間違いなく英雄で…、閉じていた扉をこじ開けたかもしんねーけどよ。あ、開けちゃいけない扉まで…開けちまったみたいだぜ…。」
「…………。」
ダーム少尉の言葉で理解した。
ああ、そうか。この世界では、人同士の争いは少なくともAI大戦開始時の1600年前に終わっていたんだった。しかも、その前から既に軍の解体が行われており、大規模な人同士の戦争なんて、それこそ約2500年も前の太陽系内乱まで遡らなくてはならない。人同士で争い合うなんて、今の人達には考えられないことだったんだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「お! 起きているな。どうだ気分は。どこか痛い所とかはあるか? 念のため確認して来いと先生から言われてな。」
「気分は悪くないです。痛い所もないです。確かに撃たれたと思ったんですけど。あの、助けてくれたんですよね。ありがとうございました。」
「ふむ、それなら良かった。結構大きな傷だったから跡が残るかと思ったがそれもなさそうだ。それと礼なんかいい、人が人を助けるのは当たり前のことだ。」
そうかな? いや、助けられたのに文句なんかあるはずがない。きっとこの人はいい人なのだろう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
大尉と初めて会った時の事を思い出す。あの時の違和感はこれか。
この世界の常識は愕然とさせられる事がほとんどだったけど、こればかりはこちらの世界に軍配が上がるだろう。
その閉じたはずの、閉じられていたはずの扉を再び開けてしまったのだ。
「いつの時代にも…、時代に付いてこられない、付いて来ようとしない人はいる。君は大丈夫みたいだが一応言っておく。気にするな。あんな連中は無視して、信ずるままに前に進めばいい。」
「…いいえ。大尉、それは違います。」
「?」
大尉は励ましてくれたつもりなのだろう。しかし、今の大尉の考えは恐らく危険だ。
「彼らのような人を、時代遅れの敗北者と蔑むのは簡単です。しかし、社会から、国から見捨てられた、顧みられることすらなかったと感じる人が増えたら…将来必ず後悔する時が来ます。社会が、国が安寧を求めるなら、尚更彼らのような人々を無視するわけにはいかないんです。」
スグルは元の世界で、2016年のとある大国で行われた選挙で、誰もが当選不可能と思われた人物が当選したことを思い出した。新しい時代に乗り遅れ、それ故に嘲笑された人々が何を感じていたかを知っていた。鬱憤を抱く人々が想定以上に多くなった時、どんな政治体制の国であれ混乱するのは自明の理だ。
「しかし、どうする? 彼らは恐らく、聞く耳を持たんぞ。」
「大尉の言う通り、どんなに気を使っても受け入れられない、受け付けない人はいるでしょう。それでも、国はあなた達を無視しているわけではないという姿勢を示すことは大事だと思っています。それが暗殺やテロといった犯罪を抑止する事に繋がるなら、危険を承知でも彼らとの対話を諦めるつもりはありません。」
「………。」
スグルの目を見た大尉は、その覚悟の強さに驚いていた。環境は人を変えると言うが、将軍になった事で彼の中で何かが変わったのだろうか。その目の輝きは強く、どこまでも澄んでいた。
それから1時間後、何十台もの軍用車に護衛されながらようやくシャーロットに着いた時には空が白み始めていた。しかし…。
「…妙だ。」
大尉が訝しんで、お店の少し手前で車を止める。
「え? 何がですか?」
「シャーロットに明りが灯っていない。」
お店を見ると確かに真っ暗だが…。
「こんな時間ですし、何もおかしくないのでは?」
「ママは、君が何時帰って来てもいいように、常に1階の明かりをつけておくと言っていたんだ。」
大尉の言葉に、一気に緊張が体に走る。
「元帥以外は全員降車。スグル、様子を見てくる。良いと言うまで入ってこないように。」
「…わかりました。」
そう言って大尉達はお店に入っていった。
しかし、それから5分経っても10分経っても連絡がない。15分後、居ても立ってもいられず、お店の扉の前に立っていた。
「大尉! 聞こえますか!!」
返事はない。
「開けますよ!」
ドアノブを回して中に入る。部屋の中は真っ暗だった。緊張で心臓の音が聞こえてくる。
「ママ! ミカエル! ガブリエラ!!」
ここまで来ても返事がない。思わず腰のホルスターに手が伸びる。
カッ!!
「!!???」
その時! 突如として明かりが灯った。眩しさに思わず目を瞑り、腕でガードする。
一瞬、閃光手榴弾でも食らったのかと身構えたが次が来ない。恐る恐る目を開けると目の目には…………
「…………………………………………き、綺麗だ…………。」
そのあまりの美しさに思わず呟いた。
目の前には花束を持ち、花嫁衣装に身を包んだミカエルとガブリエラがいた。その後ろにはエコー分隊のメンバー以外にママ、サミュエル教授、オリビア女医、コーデル大佐、アグノーラ准尉、さらにはミーモとアデルバード大尉までいた。
「ス、スグルさん。」
「は、恥ずかしい。ほ、本当に昔の人はこんなものを着ていたのか??」
2人とも顔を真っ赤にしている。ミカエルは恥ずかしさのあまり花束で顔を隠してしまった。
「こ、これは一体??」
「すまん、スグル。実はこういう訳だったのだ。」
いやあの、意味が分からないんですが大尉。
「ワシが頼んだんじゃ。昔の人は一緒になる時にどうしたのか。教授に聞いたら、こんな感じの衣装に身を包んで誓いのキスをしたと聞いてな。」
「いやはや、お2人ともお綺麗ですよ。資料が残っていて、正確には昔の結婚式場のパンフレットが残っていてくれて助かりました。」
ママと教授が説明してくれた。まさか、帰れていない間にこんなものを用意してくれていたとは…。
「ふ、2人とも本当に綺麗だよ。本物の天使が舞い降りたみたいだ。」
「ほ、本当ですか。嬉しい。」
「ス、スグルがそう言うなら…。」
今にも泣き出しそうな2人の手を思わず握る。スグルにとって、世界の誰よりも美しい2人がそこにいた。
「あんな事があった後だけど、だからこそ余計感慨深いものがあるのかなあ。この世にこんなに美しい物があるなんてね。」
「きっとそうっすよ、ジェイド中尉。あっしは眩しくて目が潰れそうっす。」
「…おめでとう。」
みんな…。
「おめでとさん! 君の行く末に幸あれ!」
「いいですね、この衣装。これほど絵になる服は初めて見ました。明日の一面は決まりですね!」パシャ!Σ[ ◎ ]}ω・●)
アデルバード大尉、ありがとうございます。ミーモ、いいとも、今日だけは許そう。2人のこの美しさを国中に広めてくれ。そうすれば、少しは人々の意識にも変化が現れるかもしれない。オシャレのオもないこの世界に、再び文化の火を灯す礎になってくれることを願う。
「これが新しい時代の男女の在り方か。正直、今までとあまりに違い過ぎて困惑していないと言えば嘘になるが…幸せの形は人それぞれだ。たしか…昔の言葉でシュクフク、だったかな? それをしよう。」
「ほわーーー。お2人ともキレーですーー。」ヽ(*’∀’*)/
コーデル大佐まで、ありがとうございます。
アグノーラ准尉は姉妹に見とれて目を輝かせていた。
「昔の人が羨ましいわ。こんな衣装を着る事が出来ていたなんて。それにしても、よく出来たわね? 現物はもちろん、制作方法も残っていなかったでしょうに。」
オリビア女医の指摘で気が付いた。そうだよ、花嫁衣装の作り方なんて今の人達が知っている訳がない。それなのに、目の前の衣装は姉が着る予定だった衣装になんら劣らないクオリティに見える。
「制作方法の資料が残っていたんですか?」
「い、いえ。それが……。」
「…スグルには、信じられないかもしれない。」
急に2人が口ごもる。はて? 何があった??
「2人とも隠していてもしょうがなかろう。ほれ、お主も顔を見せんか。」
首を傾げるスグルを置いて、ママが何やら催促している。大尉の後ろからおずおずと現れたのは……。
「………ヴァイオレット……?」
そう、あのヴァイオレットだった。
「スグル。昔、ヴァイオレットがここら辺の女性達のボスだと説明した事を覚えておるか。彼女が君臨できたのには理由があっての。裁縫が上手かったんじゃ。特にミシンの扱い方は抜群じゃった。その才能を見込まれて、国から依頼されてこの辺りの衣類生産部門のトップだったんじゃ。ボタンの付け直し、ほつれた箇所の修繕といった衣服でのトラブルで彼女の世話になった者は多い。今回、ワシらが花嫁衣装の制作に取り掛かっていると聞くと、自ら協力を申し出てきおった。もちろん最初は訝しんだがの。完成品を調べても、なんの細工もない事はワシが保証する。正直、彼女がおらなんだら完成しなかったか、しても数年後だったじゃろうな。彼女は昔の写真を見ただけで、衣装がどういった工程で作られる物かを理解しおった。おかげでこうして今、2人の綺麗な姿を見る事ができるわい。」
彼女に、そんな経歴があったなんて…。単にプラチナマザーと言うだけで取り巻きが多かった訳じゃなかったんだ。彼女は彼女で、真っ当な形で人望を集めていたんだ。
ヴァイオレットに目を移すと、彼女は今だ黙って下を向いていた。その彼女に歩み寄り、声をかける。
「ありがとうございます。2人をこんなに綺麗にしてくれて。」
「あ、あ、あの…。わ、私、私は………。」
声を掛けられただけで、ビクッと体を震わせる彼女。議場で見せたあの姿からは、想像も出来ない。
「いいです。許します。少なくとも自分は、引きずるつもりはありません。」
「あ、あああ…。」
「ただ、2人が許すかどうかは別です。あなたが嫌がらせをしていた事実が消える事は無い。それを許せるかどうかは本人達のみが決められる事です。」
「そ、そうですよね…。」
振り返ると、2人は複雑な顔で一瞬お互いの顔を見合わせたが…。
「あの時の事を…簡単に忘れる事は出来ません。でも、この衣装には感謝しています。」
「私も忘れん。でも…、あんたがいなかったらここまでの物は出来なかった。………あんがと。」
2人のその言葉を聞いた瞬間、ヴァイオレットはホッとした顔になって、次に泣き笑いになった。
その瞳からは、スグルに迫った時のような狂気はもう欠片も見られない。
「それじゃ、そろそろ次のステージに行くとするかの。」
「? ママ、次のステージって?」
「誓いの言葉と共にキスするんじゃろ? 教授がそう言っていたぞい。」
…あ。
「確かにそうでした。ちょっと恥ずかしいけど…い、いくよ2人とも「待て待て、慌てるでない。」…え?」
茹でだこみたいになった3人をママが制する。
「丁度そろそろ夜明けじゃて。昔は太陽に、オテントサマとやらに、お互いを離さない事を誓ったんじゃろ?」
海岸通りに出ると、空は大分明るくなっていた。最初に2人と共に夜の通りを歩いたことを思い出す。半年も経っていないはずなのに、何年も前の事のように感じる。それだけこの世界で過ごした時間が濃かったという事だろう。
「えー、それでは僭越ながら私がボクシ、と言うのを務めさせていただきます。」
教授が牧師役を買って出て、スグルとミカエル、ガブリエラ3名の前に立つ。
「えっとえっと確か…。コホン、スグルさん。あなたは今、ミカエルさんとガブリエラさん両名を妻とし、夫婦になろうとしています。汝は、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、両名を等しく愛し、敬い、慰め遣え、共に助け合い、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「はい! 誓います!!」
「ミカエルさん、ガブリエラさん。あなた方は今、スグルさんを夫として夫婦になろうとしています。汝らは、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、これを愛し、敬い、慰め遣え、共に助け合い、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」
「「はい! 誓います!!」」
「そ、それでは! お互いに誓いのキスを!」
ナイアースの基地で彼女達に会ってから、どれほどこの時が来ることを願っただろうか。あの日、彼女達に一目ぼれした時からこうなる事は決まっていたのだろうか。何となく、自分には縁のない話だと最初は諦めていた。しかし今、現実に花嫁衣装姿のミカエルとガブリエラが目の前にいて、微笑んでいる。これ以上の光景があるだろうか。
最初にミカエル、次にガブリエラにキスをする。ガブリエラの唇から離れた瞬間。水平線の向こうから太陽が顔を出し、3人を明るく照らし出した。
その光はどこまで温かく、やがて鳴りやまない拍手を送るその場の人々全員を包み込んでいった。




