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パパはランクF  作者: うさぎさん⭐︎


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1/7

Prologue 市場にて


「捧げよ、捧げ、無垢な子供を、捧げよ!」

 怪しいローブの集団が、なにやら怪しい言葉を発している。

「我らが、神の召喚を……!」


   *   *   *


 筋肉質の男が、幼女を肩車をして、やってくる。

「パパ、早く! 今日の特売品をゲットするんだよ!」

 店の床に下ろしてもらった幼女は、子供用のかごと共に、走り出す。

「あ。リアナ! 走るな!」

 男──アグナードは、娘のアドリアナを追う。

「お野菜に、お肉に、お魚! も〜、シュフは大変!」

「誰が主婦だ」

「忙しいママの代わりに、リアナがシュフなの!

 平メンバーのパパと違って、ママはぎるどのかいちょーだから」

「ぐっ……。痛いところを。

 いいのさ。母は、偉大というからな!」

「パパ! お菓子は、一つだけだよ」

「パパのおつまみは、いくつでもいいの!」

「そんなフケイザイいけません!」

「不経済? どこで覚えた? 5歳なのに」

「パパはもう、35だよね!」


「聞いた〜? 奥さん、子供が次々、失踪してるって!」

「聞いたわ〜!」


 どこからか声がし、見ると、主婦とおぼしき人たちが、噂話をしている。

「最近、よく聞くな。リアナも気をつけないとな」

「あ! エルくん!」

 アドリアナがまた駆け出す。

 そこには、娘のお気に入りの、エルウィンがいた。

 只今、9歳。某貴族の令息である。メイドを連れている。

 なんつーか、利発そうなイケメンだった。

「お貴族様が朝市かよ」

 目をハートにしているアドリアナ。

 おもしろくなさそうな。アグナード。

「こんにちは。リアナちゃん。アグナードさん」

「エルくん。こんにちは!」

 ちょうど、広場だった。

 エルウィンは、なぜか鳩たちに囲まれていた。

「あ、リアナちゃん、鳩さんに、ごはんあげる?」

 エルウィンは、手にパンを持っていた。 

「こんにちは。急いでるんで。

 リアナ! 行くぞ!」 

「え〜〜? いま、いいとこなのに!」

 アドリアナの手を引いて、アグナードは歩き出す。

「なによぉ、パパ、ヤキモチ? 別に急いでないのに!」

「急いでま〜す」

「はいはい。見たでしょ、エルくんってね、動物が大好きなんだよ!

 すぐ懐かれちゃうんだから。やっぱり優しいからかな?」

「ふーん……」

 アグナードは聞いてみた。

「リアナ。エルくんと、パパ。どっちが好き?」

「エルくん!」

 即答だった。

 アグナードは世界が崩れそうなショックを受けた。


「あれ?」

 アドリアナの視線の先に、青い大きな蝶が見えた。

「パパ! ちょうちょ!」

「あ? どこだ?」

 何か不思議な甘さが香った気がした。

「ちょうちょ! ちょうちょ! きれいなちょうちょ!」

「待て! リアナ。遠くに行くな」

「はぁ〜い」

 アグナードは、アドリアナの手を掴もうとした。

 そのとき。

「アグナードさん!」 

 傭兵ギルドのメンバーのアインが話しかけてきた。

 リアナは、そばで様子を見ている。

「おう。アイン」

「買い物っスか?」

「今少し見てたっス! 戦闘時とパパ時で、まるで違うっスね!」

「パパ時?」

 アドリアナを見ると、そばにいる。

「いやいや、俺なんて、まだランクFだから」

「F⁈ ……いや、それは、すごいほうのFなんじゃ」

「なんのことだ?」

「いや……。それより、知ってます? 子供失踪の噂?」

「あぁ。リアナも気をつ……リアナ⁈」

 そこに、アドリアナの姿はなかった。


 アドリアナは、蝶々を追いかけていた。

「あれ? リアナちゃん!」

「あ! エルくん」

 エルウィンも、蝶々を追ってきたらしい。

「綺麗なちょうだね!」

「うん!」

 蝶々は、ひとけのない細道に入っていく。

 二人は、それを追う。










 


 







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