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「おかえりなさい。麗華さま。」
その声を聞いて思い出した。
海人くん。 大人だよね??
ニヤリ。 海人くんに聞いてみようっと。
「ねー。海人くん。聞いてよー。」
物凄いキラキラの笑顔でこっちを見てくれる。
やめてー。眩しすぎるー。
「えとねー。前、お父さんにも話したんだけどー。」
と。高杉花梨ちゃんの話を説明し始める。
一通り、説明し終わったら、にこりと一言。
「それで、麗華さまは何を知りたいですかー?」
と。
んんん??
どういうこと??
もしかして、これは、お父さんが既に海人くんに話しているパターンなのかなー?
「そうですねー。 既にお話してくださってます。
麗華さまが、もう一度この話をしに来たら、聞きたい話をしてあげて欲しいと。」
おおー、まじか。
さすが。行動が速いな。
えー。じゃあ、何を聞いたらいいんだろう?
こういう時、どう聞けば答えにたどり着く質問なのか分からんないや。
ええーい。もうそのまま聞いちゃえ!!
「先生は、高杉花梨ちゃんに怒ってるのってわざと?」
「わざとというと?」
「まえ、私の方が点数低かったのに、怒られたのは実際は花梨ちゃんだったから」
「前回の高杉花梨さんがみんなの前で怒られていたのに、実は最低点は麗華さまだった事件ですね。」
事件て。まぁ、確かに事件っちゃ事件だけどさー。
「今回はたまたま私の方が点数が高かったけれど、今までも、実は私の方が点数低かったなんてことは……」
お願いします。どうかなかったと言ってください。
と思いながら、ちらっと見ると、笑顔で
「もちろんありました。」
ですよねー。ですよねー。おかしいと思ったー。
花梨ちゃん、あんまり私より点数低いイメージなかったんだもん。
えー。ショックー。
あれ? じゃあ、やっぱり花梨ちゃん、実は最低点じゃないのに怒られてたの。
やっぱりなんか変!
「そうですね。実際高杉花梨さんは、最初の方はいい点数でした。きっと繊細な方なんでしょう。
先生が変わられてから、みるみる成績が落ちていったそうです。」
なーにー?
てことは、やっぱり花梨ちゃんって頭良かったんだよ。




