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さぁ、犬の名前は何にしよう。
どんな犬が来るんだろう。
いつ犬を買いに行くんだろう?
「麗華ちゃん! 聞いてる?」
は! 聞いてなかった。
ごめん。
「私たち来年は修学旅行に行くでしょ。男の子たちと一緒に。」
そうだった。
私たちの小学校、校舎は別々にするのに、修学旅行は一緒に行くのだ。
本当に変わってるよね。
校舎が別々ということは、教員の数も足りてるはずなのに……。
「それでね、修学旅行委員やってよ。修学旅行委員だったら、修学旅行中の日程決めとかある程度融通聞くでしょー。」
「えー、嫌だよ。めんどくさい。他のそういうことが好きな子がいるでしょー。」
「アメリカ行くんだったらディズニーワールド行きたいんだよ。」
確かに。私もディズニーワールドに行きたい。
それでも、
「やっぱり、めんどくさいもん。私はやらないよ」
「嫌かー。そんなこと言ってて、麗華ちゃんが委員会やる羽目になるかもしれないねー」
怖いこと言わないでよ。
「修学旅行委員決めますよー」
きた。私は何があっても、手を挙げない。
誰がやりたいって言ってくれますように。
「修学旅行委員やってくれる人いますかー?」
しーん。
嘘でしょ。誰かやりたいって言ってよ。
「えー。誰かやりたい人いないのー?」
「先生。修学旅行委員って男の子もいますかー?」
お、やっぱり男の子がいるかどうかみんな気になるよね。
「いますよー。多分、今この時間に男の子達も決めてると思いますよー」
えー、じゃあー、私やろうかなー?
とか声が聞こえてくる。
しめしめ。この調子だよ。
「じゃあ、やりたい人いますかー?」
「私やりまーす。」
彼女は堀木あずさ。
うーん。私は少し苦手なんだよな。彼女。
なんでかって言われたらわかんないけれど。
やっぱり一軍キラキラピーポー感が、苦手なのかなー?
まぁ、いいや。
とりあえず、私じゃなくて、よかったー!
それよりも、犬の名前、どうしようー!




