魚釣りの話 果報は寝て待て
対象年齢の設定をしました。裏路地の大人な店の話も出てくるので。笑って頂ける程度かと思いますが、あら下品だわ、とお思いの方がいらっしゃいましたら申し訳ございません。
たくやさんが窓口になり、(本人はいやがったが。)それぞれ連絡先を交換して、店を出て女性達と別れる。自分達は駅へ向かう。夜の7時。明日、学校は休みでも早朝のバイトがある。「皆の晩御飯は?」「ゆりちゃんと正人君に頼んだ!」ここあさんに頼まない理由はあえて聞くまい。「「ぷいぷい」が休みになったから夜からの営業、手伝わなきゃ。」じんさんが伸びをしながら言う。「おうどん、すっごく美味しかったっすよ。」「うふん、わたしが出汁、ひいてんのよ。」「じんの出汁が出てるんじゃあ、臭うんじゃない?」「!あんたっ!二度とたべさせないわよ!」みっちゃんが要らん事言ってじんさんに追いかけられている。「…杉本、ほんとにごめんな。」谷さんが改めて謝ってきた。「いや、もう大丈夫っす。それに、思いの外、大きな事になってたんで。谷さんも巻き込まれたんだから、仕方ないっす。」隣を歩く谷さんのつむじが見える。今日、靴に仕込んだ上げ底、厚すぎたかな。「親しき仲にも礼儀ありってやつだよ。」たくやさんが声をかけてきた。「まあ、これからだよ。まだ、始まってないんだから。」谷さんの肩をたたく。「ありがとうございます。」なんか、二人しか判らない話しているなぁ。
駅前でじんさんと別れ、電車に乗り、自分たちの住まう駅で谷さんと別れる。三人で商店街を歩く。「あ、まだ店、開いてるわ。」たくやさん家の花屋が見える。本来ならシャッターが降りている時間だ。「あ、たくや、やぁっと帰ってきた。」中から昼間に会ったたくやさんのお母さんが顔を覗かした。「ごめん、ひとみママ、長くつれ回しちゃって。」みっちゃんが手を合わせて謝罪する。自分も、頭を下げる。「いいの、いいの。私が心配性なのよ。晩御飯食べた?上がってく?」「ううん、あたし達も帰るわ。ありがとう。」「じゃ、また。」「たくやさん、ありがとうございました。」店内に入るたくやさんに改めて礼をする。今日、1日付き合ってくれたからなぁ。「…頑張り過ぎちゃ駄目よ。」そう言って中に消えてった。自分の知る、たくやさんだったな。
みっちゃんと帰り際スーパーに寄り値引き品をゲットし、アパートに着いた。「あ、しまった。制服と学校カバン、「ぷいぷい」だ!」「明日、取りに行きなさいよ。」帰りに寄りゃよかった。先に自室に戻る。「おーい。帰ったよ。」小声で呼び掛けてみる。幽霊はまだ見かけていない。とりあえず、シャワーで化粧と、頭に振ったカラーリングスプレーを落とさねば。
「あらぁ~。」「ん~。」「アハハハ。」「ヤバくない?」シャワーを浴び、化粧水をはたき、着替えてみっちゃんの部屋へ。たっくんを寝かしつけたここあさんが晩酌の為、降りてきていた。ゆり子さんも正人さんも、自分達を待ちつつ、一杯つまんでいたらしい。「…ダメっぽいっすか?」みっちゃん含め、四人が見ているのは自分の頭。カラーリング材を洗い流したのだが、古かったからか相性が悪かったからなのか判らないが。「良く言えばメッシュ。悪く言えばダルメシアン。」正人さんの言葉にみっちゃんとここあさんが大爆笑した。「やだ、ダルメシアンより、黒が多いわ。ヒョウ柄の色が逆になった位よ。」ゆり子さんがフォローしようと言ってくれたが、さらに二人は笑い転げ、正人さんも顔を覆って震えてる。おろおろするゆり子さん。「大丈夫っす。伸びたら刈るんで。」くそっ。せっかく髪を伸ばしても良いかなって話が出てたのに。「ひっひっ…。刈らなくても…黒に…染めたげるわよ。」「もう、ほっといて下さい。」ちくしょう。
カラオケで食べたジャンクフードの脂が残っていた為軽くお茶漬けで済ませ、明日に備え床につく。今日は疲れた。昼前から夜7時まで、内容が濃い1日だった。すぐに意識がなくなった。
早朝4時、目を覚ますと幽霊が空中に寝っ転がっている。「おぉ、目ぇ覚めたか。」ニヤニヤしているのは自分の頭を見たからだ。「…。何も言うな。」と、顔を洗って歯を磨き、上下ジャージを着る。「たしか、予備があるはず。」中学時代に使っていた、幼なじみが自身の好みだけで選んで買ったウィッグ。軽くブラシをかけて、被る。「わぁ。こらまた、別人みたいやなぁ。」幽霊が感嘆の声を上げる。腰まである黒のストレート。前髪パッツン。まるで、マンガのキャラクターのようだ。「幼なじみの初恋の相手だよ。」「へぇ。」メガネはかけない。
なぜか、急に読んで頂く方が増えて、びびり散らしてます。多分、話の分野をちゃんと設定した為、目に止まって頂く事が増えたのだと思います。その事を踏まえ、再度、お伝えさせて頂きます。本作の杉本さん、恋愛要素はございませんので、あしからず。




