脇役談義
脇役の会話です。読まなくても支障なし。
小文字が多いのはチェシャ猫、エクスクラメーションマークがついてるのはマッドハッター、読点が多いのは三月ウサギです。
カラフルな木に囲まれて、テーブルの上に紅茶を出す人がいた。それを待つ猫とウサギ。
「…いやぁ、お茶会に招待してくれてありがとねぇ、マッドハッター。」
「こちらこそ、来てくれてありがたいよ!暇で仕方なかったんだ!」
「三月ウサギとチェスなんかしないのかぁい?」
「俺は、チェスのルールは、わからない、から」
チェシャ猫、マッドハッター、三月ウサギだ。
「…それにしても、女王と女王候補が姉妹だったなんてねぇ。」
「あの子たちか!どおりで似てると思ったんだよ!」
「マッドハッター、本当に、そう、思ってるか」
「思ってるさ!見た目の話だけどね!」
「白ウサギもいい加減に『女王交代制』やめたらいいのにねぇ。僕たちも、女王候補が来る度に道案内するの面倒なんだしぃ…」
「白ウサギ、前に『究極の物語を作る』って言ってた気がする!」
「俺たちを、巻き込まないで欲しい…」
「なんか、現世の、女王候補になりそうな人の情報をまとめた本を持ってるらしいよ!」
「まぁ、前の女王に比べたら、今の女王…なんだっけぇ、アリス?アリサ?の方が良いと思うんだぁ。」
「アリスだね!うん、ボクもそう思うよ!」
「前の女王は、たくさん、トランプ兵を、殺していたからな」
「そうそう、トランプ兵だってタダじゃないのにねぇ…」
「普通のトランプに人間の魂を入れるんだっけ!?」
「そうだ。現世で、成仏してない、自殺者の魂を、トランプに入れる。」
「僕たちが魂を集めなきゃいけないのにねぇ。でも今の女王はトランプ兵を全く殺さないから、助かるよぉ。」
「ボクとしては少し退屈かな!」
「…マッドハッター、少し、不謹慎だ。」
ひたすら紅茶に角砂糖を入れるチェシャ猫。
紅茶に手をつけないマッドハッター。
スプーンで紅茶を混ぜ続ける三月ウサギ。
きっとこの三人はもう少し会話を続けるだろう。
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暗い部屋で、白い影が動いた。
「まさか、女王と女王候補が姉妹だったなんて。しかも、妹が姉を殺すのは想定外だ…。まぁ、また次の女王候補を探せばいいんだが。」
長い耳をもてあそびながら、本棚に向かうその影。
本棚から本を一冊抜き取り、言った。
「うん。次の女王候補はこの子にしよう。」
黒幕は白ウサギでした。




