↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風は巡り、再び戻る。~風に導かれた出会い~  作者: 上条四季
第1章 ハーベイの魔道士編
PR
14/18

第2話 魔都テセルス①

6日前――


ヒュォォォ――……


塔の上を抜けていく風にローブをなびかせながら、マーベリックは流れていく雲を目で追っていた。


(雲の流れが早い……。)


頬を抜けていく風へ意識を向けるが、強さそのものはいつもと大きく変わらない。


それでも何かが引っかかり、視線を空から外せずにいた。


(それにこの違和感はなんだ……。)


タッタッタッタッ――


塔の内部から螺旋階段を駆け上がる音が響き、次第に近づいてくる足音にマーベリックが振り返る。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


階段を上がってきたアストラが息を切らしながら足を止めた。


「やっぱりここでしたか……。」


「どうした?」


アストラは何度か息を吐いて呼吸を整える。


「そろそろ報告会議の時間です。」


「もう時間か……すまない。」


「いえ……。」


そのままアストラが外壁まで歩き、マーベリックが見ていた方へ視線を向けると、夕刻を迎えたテセルスの街並みの向こうを雲が流れていた。


「何か気になることでも?」


マーベリックも隣に並び、もう一度その風を受ける。


「……少しな……風の流れが気になっただけだ。」


「さ、行こう。」


答えるとすぐに階段へ向かうマーベリックを見送り、アストラはもう一度だけ空へ目を向けた。


(流れ……。)


「あ、待ってください!」


慌てて後を追い、二人は塔を降りて市街地へ出た。


夕刻の通りを魔道院へ向かって進んでいく間にも、道沿いの灯火が一つずつ灯り始め、人の流れの中へ淡い明かりが増えていく。


「今日の報告会議はルーフェンス代表も出席するみたいですね。」


「ああ。伝えたいことがあるそうだ。」


「伝えたいこと……。」


「何を言うかは俺も聞いてはいない。」


マーベリックの隣で、アストラは少し速く足を運びながらついていく。


(あの時のことが今でも気になってる……。)


足元へ落としていた視線をわずかに上げ、隣を歩くマーベリックを見る。


(代表とマーベリックさんはあの時……何を話していたの……?)


やがて建物の間から魔道院が見え始め、市街地を抜けるにつれて高くそびえる中央部から左右へ延びる石造りの建物が視界に広がっていく。


壁や柱に彫刻が施されたその正面へ向かって、周囲を歩いていた魔道士達も次々と流れ込んでいた。


「間に合いましたね。」


「ああ。」


「ウェズリーが席を取っておいてくれてるはずです。」


二人もその流れに入り、魔道院の前まで来ると、アストラが入口脇の座席表へ近づいた。


「西側の……」


並んだ文字の上へ指を置き、そのまま下へ這わせていく。


「4段目の……12……から13、14……。」


位置を確認したアストラが座席表から顔を上げ、近くの入口へ視線を移す。


「マーベリックさん、こっちから入りましょう。」


マーベリックがうなづき、二人は周囲の魔道士達とともに魔道院内へ入っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。