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ヤンデレ弟の抱擁と、システムの不穏な消滅」

皆さん、こんにちは!

前回の占い師デビューから一転、今回はバスカラの人生最大(?)の危機が訪れます!

弟のクルエルに秘密がバレてしまい、刃を向けられるバスカラ。しかし、予想外の展開が待ち受けていました……。

まさかの「ヤンデレ弟」覚醒!?

命がけのハグ(というか絞殺に近い)と、重すぎる愛の行方を見守ってください!

ドーン!!!


クルエルがさっきまでバスカラが客の相手をしていたテーブルを蹴り飛ばした。その鋭い眼光に、バスカラは生唾を飲み込む。


ああ、これが最後か?本当にバレたのか?おい、勘弁してくれ。俺はまだ徳を積んでないんだぞ。こんなところで死んだら、地獄行き確定じゃないか! bishoujo(美少女)たちにも会えないなんて、そんなの嫌だ!!


クルエルはゆっくりと台所へ歩き、光を放つ包丁を手に取った。一方のバスカラは、恐怖のあまり体が硬直して一歩も動けない。


空は暗くなり、雨粒が落ちてきた。風が激しく吹き荒れる。まるで、この世の終わりを告げる災害がやってくることを自然が知っているかのようだ。


殺されるのか?あいつが包丁を手に取った以上、それは確実だ。あのクソシステムは、クルエルが疑い始めた途端に逃げ出しやがった。主人がピンチの時に逃げ出すなんて、なんて相棒だ!


「お前、一体何者だ?なんで俺の兄貴の体にいる?」クルエルの重低音の声が響く。


パニックに陥りながらも、バスカラは必死に冷静さを装う。


(落ち着け、ラー。お前なら説得できる。さっきのラトナさんだって騙せたんだ、ガキのクルエルを騙せないはずがない。正直に言えば死、隠しても死。どっちを選ぶ……?)


バスカラは震える声で答えた。


「俺だよ、エル。兄貴のカラだよ。俺のことを忘れたのかよ、この世界で一番イケメンな兄貴をさ」


バスカラは微笑んだ。それが、この世での最期の笑顔になるかもしれないというのに。


クルエルは高速道路のように平坦で無表情な顔のまま、数歩詰め寄り、その刃をバスカラの喉元に向けた。


「嘘つくなよ。本物の兄貴は冷酷で、俺を虐待して殴るような最低な奴だった!あいつは俺になんて興味なかったんだよ!なのにお前は……」


クルエルは首を傾げ、床にへたり込んだバスカラの顔を覗き込んだ。


「お前は兄貴じゃない。お前は……」クルエルが包丁でバスカラの喉を切りつけた。血が滲む。

その刃は、システムが俺に吐く毒舌並みに鋭かった。


(クソッ!!!システム!助けてくれ!このサイコパスなガキに処刑されそうなんだ!ああ、洗濯物干しに潰されて死んだと思ったら、今度は弟の手で死ぬのか!?ママ!!ママのお腹の中に帰りたいよ!!)

バスカラは心の中で号泣した。


「せ、せめて弟よ、兄貴はもう改心したんだ。人は変われるだろう?俺は――」


「正直に答えろ。さもなくば今すぐその首を切り落とす」


言葉を遮られ、バスカラは冷や汗が止まらない。逃げ場なしだ。目の前には飢えたライオン、後ろには絶壁。


クルエルの無表情で怒りに満ちた顔を見て、バスカラは降参した。


「わかった、正直に言う。だからその包丁を退けてくれ。ヒリヒリするんだよ」


クルエルはしばらく沈黙した後、刃をバスカラの白い喉から遠ざけた。


バスカラは、精神病院の患者のような、あるいは拾ってくれとせがむ子犬のような、世界で一番哀れな顔でクルエルを見上げた。


「俺は本物の兄貴じゃない。俺はシステムとかいうケチな奴に強制的にこの体にぶち込まれた、異世界の魂なんだ……」


バスカラは言葉を切った。


(もし「お前を闇から救うためだ」なんて言ったら、このガキは容赦なく俺を消すだろうな。俺、あと何分生きていられるんだ?)


「続けろ」クルエルの重い声がバスカラを現実に引き戻した。


「その……俺はシステムに命令されて、兄貴の体に入れられたんだ。お前を……お前を幸せにするためにな。お前、ずっとあの最低な兄貴のせいで苦しんできたんだろ?」バスカラは震えながらも、どうにか聞こえる声で言った。


言葉の後、静寂が訪れた。雨の音と、稲妻の光だけが二人を包む。


1分……5分……バスカラは頭を下げすぎて首が痛くなってきた。


(くそ、首が凝る。このガキ、一番残酷な殺し方を計画してるんじゃないだろうな?)

思考が乱れる中、突然クルエルが近づいてきた。


バスカラは恐怖で目を閉じた。もう終わりだ。


しかし、起こったことは予想外だった。そのガキは近づくと、バスカラの手を握り、うつむいたのだ。


「じゃあ、今の兄貴がこんなに貧しい暮らしを耐えているのは……ただの命令だからなの?」震える声でクルエルが尋ねた。


バスカラは言葉の意味を理解しようと必死になる。


「どういう意味――」


クルエルはバスカラを力いっぱい抱きしめた。息が止まりそうになるほどの強さだ。

「兄貴が誰かとか、どこから来たとか、そんなのどうでもいい」クルエルが囁く。その声は、もうサイコパスのようだった。


「もし兄貴がそのシステムの『任務』だけでここにいるなら……俺はそのシステムをぶち壊してやる。兄貴をここから逃がさない。ずっとここに縛り付けてやる。兄貴は、俺のものだ」


クルエルはバスカラの肩に顔を埋め、まるで魂が消えてしまうのを恐れるかのように抱きしめる力を強めた。


「うっ!ごほっ!ごほっ!」バスカラは自分の唾でむせた。青ざめていた顔が、酸欠で紫色に変わっていく。


(クソッ……このガキ、抱きしめてんのか、プロレスの締め技をかけてんのか!?骨が折れるわ!)


「ク、クルエル……離せ……死ぬ……このままじゃ本当に死んでしまう!」バスカラは掠れた声でうめいた。


「行くな」クルエルはバスカラの苦しそうな咳を無視して呟く。


「どこにも行くな。もし行くなら、兄貴が二度と息ができないようにしてやる」

バスカラは見開いた。(狂ってる!口から macan(虎)が出てきたと思ったら、今度はヤンデレのワニの巣窟かよ!)


「あ、兄貴が……もし死んじまったら、お前一人ぼっちになるんだぞ」


クルエルは沈黙し、言葉を噛み締めた。バスカラの言う通りだ。もし締め殺してしまったら、俺はまた一人だ。だが、兄貴がどこかへ行ってしまうのも怖い。兄貴だけがいればいい。兄貴は俺の世界だ。誰も、何者も、俺から兄貴を奪うことはできない。奪おうとする奴がいれば、明日の朝日は二度と見られないようにしてやる。


クルエルは抱きしめる力を少し緩めたが、バスカラの肩を掴む手は依然として力強いままだった。


「約束して……どこにも行かないって。ずっと俺のそばにいるって。俺を置いていかないで」クルエルは目を赤くして呟いた。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

ついに本性を現した(?)ヤンデレ弟、クルエル。バスカラの平穏な(?)日々は完全に終わりを告げましたね。

この重すぎる愛の行き着く先はどこなのか……。続きが気になる方は、ぜひ「ブックマーク」と「評価」をお願いします!

皆さんの応援が、この狂気的な兄弟の物語の原動力です!

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