第1章:最悪の転生と、隣にいる小さな怪物
みなさん、こんにちは!一番ありえない、とんでもない物語へようこそ。もしクールでカッコいいヒーローの物語を探しているなら、今すぐ引き返した方がいいかもしれません。でも、隣人の物干し竿で死んだMC、超毒舌なシステム、そして……ちょっとヤバい弟と一緒に、笑えて泣ける「大惨事」な家族物語を読みたいなら、ぜひ最後までお付き合いください!
「うわ……マジで頭痛いんだけど」
そう言って、ある青年はゆっくりと目を開けた。網膜に飛び込んでくる光に目を慣らすように、彼はまばたきを繰り返す。
彼の名はゼンラ。5分前、隣人の家の2階から落ちてきた物干し竿の直撃を受けて死んだはずだった。
【ピッ……1、2、3……テスト、テスト……おはようございます、迷惑で情けない「重荷」な人間さん。私は「アンチヒーローの兄貴システム」です。あなたは今、転生しました。身体の主はバスカラ。弟のクルーエルに無惨に殺される運命にある、貧乏で哀れな脇役です】
バスカラ(ゼンラ)は呆然とした。
「待てよ、弟に殺されるだと!? 目が覚めた途端、自分の死亡フラグを突きつけられるのかよ? いやだ! そんなの絶対イヤだ!! 俺、さっき変な死に方したばっかなのに、次は笑えない死に方だって? ふざけんなよ! まだ家には食べかけのバッソ・アチ(肉団子スープ)が残ってるんだぞ!」
(以後、この青年をバスカラ、またはバス、アスカ、あるいはカラと呼ぶ)
【リクエストは拒否されました。あなたの徳ポイントはマイナス500です。前世で宅配便の連絡を無視し続けた罰ですね。生き残るための唯一の方法:クルーエルが邪悪な道に進まないようにすることです】
バスカラが部屋の隅に目をやると、一人の小さな男の子が藁人形を解体するのに忙しそうにしていた。頭、手、足と、人形の部位を次々と切り離していく。彼は部屋全体を見渡した。どう見てもここは小さな小屋だ。というより、廃屋に近い。屋根にはあちこちに穴が空いていて、今にも崩れそうだった。おまけに、そこらじゅうに食べ物のゴミが散乱している。ああ、神よ。なぜ俺はこんな目にあっているんだ。
彼は、今や自分の弟となったその小さな少年をもう一度見た。こんなに可愛い顔をしているのに、なぜこんなに中身が凶悪なんだ? 小さな体とは裏腹すぎる。
「これ……こいつが弟か? 小さいのに顔つきが国際指名手配犯みたいなんだけど? どうやったら更生させられるんだよ?」
カラは目の前の子供を信じられない思いで見つめた。いいか、自分が15歳だった頃なんて、せいぜい友達と悪ふざけしたり、モスクで友達の親父のサンダルを隠したりする程度のイタズラしかしなかったぞ。それなのに、目の前のこの子は今、人殺しの練習をしている。
【最初のミッション:純粋な愛情を与えてください。今すぐ弟を抱きしめてください】
「抱きしめるだけだろ? イージーじゃん、余裕余裕」
バスカラは両手を広げ、最高に優しい笑顔を浮かべて弟に向かって走り出した。
「クルーエルー!」
ドカッ!!
抱きしめる間もなく、彼はテーブルの脚に足をつまづかせた。そのまま無様に転倒し、こともあろうかクルーエルの足元に顔面からダイブしてしまった。自慢のイケメンフェイスが地面にめり込む。
「兄ちゃん、俺の足にキスでもしたいの?」
クルーエルが、心底嫌そうにバスカラを見下ろした。
当然、カラはすぐに立ち上がった。最初の印象をこれ以上崩すわけにはいかない。
【まったく、本当に情けない。転生早々、顔面が平らになるとはね】
システムが冷ややかな声でバカにしてくる。
「くそっ」とカラは苛立ちをぶつけた。正直、鼻がさらに低くなった気がするが、まだ諦めるわけにはいかない。
「エル、兄ちゃんが抱っこしてやってもいいぞ」
カラは自信満々に微笑んだ。
クルーエルは冷ややかな目で兄を見つめた。兄貴の脳みそは洗剤で洗われたのか? 前まであんなに粗暴だったのに。
「ペド(変態)」
クルーエルの辛辣な一言で、バスカラのやる気は崩壊し、インドネシアのメロドラマ並みに大げさに倒れ込んだ。
(中略)
長いドラマの末、ようやく抱っこすることには成功した。もっとも、左目は弟のパンチの直撃を食らい、今やどう見てもパンダとオラウータンに殴られた直後みたいな姿になってしまったが。
「おい、システム……真面目な話、この弟は返品できないか? それとも交換とか。せめてビー玉遊びが趣味の、もうちょっとマシなやつと交換してくれよ。まるでサスペンス映画の中にいる気分だよ」
システムは無表情に答えた。
【申し訳ありませんが「重荷」さん。一度母親の胎内から出た商品は、いかなる理由があろうとも返品・交換できません。「返品・交換不可」の宇宙規定が適用されます】
バスカラは荒くため息をついた。
「じゃあ、手動で母親の腹に戻すのはどうだ? いいか、こいつのオーラはもう大物犯罪者クラスなんだよ……まだズボンもずり落ちてるっていうのにさ」
一体どれだけの罪を犯せば、こんな未来のサイコパスの世話を焼かされることになるんだ? 自分の人生に罪が多かったのは認めるが、まさかここまでの罰を受けるとは。
【それはこの世界のルール違反です。もしそんなことをすれば、あなたとあなたの子孫は7代先までゴキブリに転生する呪いを受けますが、やりますか? まだ申込用紙は残っていますが】
「うわ、容赦ねぇな。だいたい俺が何をしたっていうんだよ! そんな重い罪なんて犯してないぞ。人殺しなんてしたこともないし!」
バスカラは抗議した。無様な死に方をした挙句、未来の悪魔を育てるなんて納得できるはずがない。
【前世で犯した罪を忘れているようですね。では、いくつか読み上げます:
永久ライター借用罪。
タバコを吸うたびに「ライター忘れた」と嘘をついて借り、そのまま自分のポケットに入れて返さない。そのせいで友達は焚き火で火をつける羽目に。盗んだライターは計500個】
システムがゼンラとしての記憶を再生する。
「システム、あれはうっかりだよ! ライター一つでなんで俺がサイコパスの世話係にならないといけないんだよ!」
【あなたが盗んだライターのせいで、ある男がタバコを吸えず、そのストレスで妻と喧嘩し、ドミノ倒しのように世界中の夫婦仲を悪化させた。あなたは世界の不和の原因なんですよ】
バスカラは力なくため息をついた。自分のイタズラがそこまで大きな結果を招いていたとは。
【2つ目の罪:Wi-Fiパラサイト罪。
隣人のWi-Fiをハッキングし、4K映画をダウンロードして通信速度を完全に破壊。隣人がプロバイダーにクレームを入れている時、あなたも一緒になって「最近のネットはゴミですねぇ」と加担した】
「もういい、いいよ……。俺をバカにしたいんだろ? 金がないからやっただけで、隣人は金持ちなんだから活用しただけだよ……」
ああ、本当に恥ずかしい。自分の悪事がすべて暴かれていく。モスクでのサンダル泥棒や、招待されてない結婚式の引き出物強奪事件なんかが露呈しなくてよかった。
【計算によると、あなたの言動のせいで「クソが(アンジル)」と罵った人は150万人。おめでとうございます、あなたは公式に『ウザすぎる地獄の指名手配犯』に認定されました】
カラは頭をかきむしった。言い逃れはできない。行ったり来たりしながら、ありとあらゆる可能性、つまり地獄行きの可能性を考えていた。
「おい、システム。聞きたいんだが、なんで子供はいつも親の言いなりにならなきゃいけないんだ? 本当にイライラするぜ。親の期待に応えるために生きてるわけじゃないんだ。子供を自分のコレクションか何かだと思ってる親が多いよな。隣の子が陸上で優勝すれば走らされ、医学部に行けば医者になれだと。俺たちは親の見栄のためにあるトロフィーじゃない!」
【一部の親にとって、子供はトロフィーです。プロセスなんてどうでもいい。ただ『輝き』を見せつけて、隣人に勝ちたいだけなのです】
「クソッ! それは教育じゃなくて、ただの野心のための飼育じゃんか! 子供がストレスで潰れたら『信仰心が足りない』とか抜かすんだ。どれだけ信仰心があっても、毎日他人の自慢話で耳を焼かれたら精神だって限界がくるよ! 親は帰るべき家であるべきで、ドアを開けるたびに逃げ出したくなるボクシングリングであってはいけないんだよ!」
「……カラとクルーエルは、孤児だったよな?」
彼は不意に呟いた。クルーエルには聞こえないように、小さく自分に言い聞かせるように。
【——】
どうでしたか? カラたちの物語は、もうすでにカオスで頭が痛くなりそうでしょうか?(笑) でも、安心してください。本当の混乱はここから始まります!
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