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美しく、はかない
私は、『死』を『師』と仰ぎ、これを『詩』にたしなめる。
『死』は万物に訪れる必然とした現象。それが天寿を全うしてもしなくても。
そんな『死』を私は『師』と仰ぐ。
何故ならば『死』は『生』と同じく万物の象徴であり、はかなく尊いものだから。
しかし『師』は『死』を迎えてはくれない。
『死』の後に続くものが、必ずしも悲しみの連鎖では無いが、『生』の後に悲しみの連鎖は生まれないから。
だから私は『死』を『師』と仰ぎ、『詩』をたしなめる。
『師』に『死』の尊さを理解してもらう為に。
『師』に『死』のはかないなかの美しさを知ってもらう為に。
ここに『死』の『詩』をうたう。
『詩』は、波紋となって広がり、波となる。
その波が『師』に届くまで、私は『死』を『師』として『詩』をうたう。
それこそが、私が『死』を敬愛する【たった一つの手段】なのだから。
『師』は『死』を『詩』として理解してくれるだろうか。