第十九話
二年A組廊下にて。
ここには夏愛綺羅々がいる。
同じ部活の先輩で、見た目子供っぽいけど性格はめっちゃ大人っぽい。
すごい努力家で、テストでは学年一位を保っている。
まあ大人っぽい性格だから話しやすい。
いや、コミュ障には誰でも無理なんだけど。
今コミュ障の定義が分からなくなってきているけど。
私思ったより喋れてるのでは?
もしやまだゲームの世界だからと思っているのでは?
まあそれで誰とでも喋れるならまあ怪我の功名というやつですよな。
よっし。見当たらなーい。クラスメートに聞一こおっと。
「あ、あああああのっ、すすすすみませんっ、なななななつっ、なつあい、きらららららせんぱい、いいいますキャッ?」
死んだーー!
私としてなら後輩に値するのにーーーー!!
俺としての本能的な何かが緊張を促してくるーーーーっ!!!!
コミュ障の分際でええーーーーっっ!!!!
さっき調子ぶっこいてたせいで……っ!
くっそ。やっぱダメじゃん…………。
「──あははっ! 綺羅々の後輩くん? そんなに緊張しないでよー!」
「──あっ、綺羅々ね? 呼んできたげるよ」
「あああああああぁありがとうございます…………」
嗚呼。
昨日死にたいと思うことへの心理を考えていたと言うのに。
昨日死にたいと思うことへの真理を考えていたと言うのに!
も一死にたいね~。うん。
やっぱこれは必然的なのかもしれないね~。
生きている上では大切なのかもしれないね~。
生と死は隣り合わせということを学べて良かったね~。
ね〜。
……………………。死のうか。
「──ごめーん、綺羅々いないみたい」
「──部活行ってるかも」
「そ、うですか。あ、りがと、うご、ざいました。行ってみます」
「──あははっ」
「──片言過ぎだよ」
「──イケメンがキョドってるww」
「──おもろいww」
死にたい。
部室って何処? どこ、っていうか何? 知らね。
いいや、先に秋来紅葉を攻略せよ! ですわ!
テンションを上げていきますわ!
そうすれば私は最強ですわ!
そういえば月見勇吹輝は演劇部だと聞きましたわ。
私が演劇ぃ? 出来るわけねぇだろざけんな。
死のう。ここから飛び降りれば死ねるでしょうか……。
三階の窓の外を見つめた。中等部の教室棟が見えた。死にたくなった。
中等部三年B組廊下にて。
ここは秋来紅葉の居る教室だ。
中等部は高等部よりも先に終わるので、いる人数は結構まばらだ。
中高一貫の進学校なので、受験もないため放課後残って勉強をする生徒も少ない、らしい。
今まで私が経験してきたかのように言ってきたけど、これは霞伊から昨日間いた情報だ。
中等部の頃の繋がりは私のゲーム知識だけど! ふふん。全部暗記済みだから! ふふふん。
現在の学内状況は霞伊の情報だけど……。
中等部の頃の繋がりは私のゲーム知識!! ふふふふん!
今までで六番目くらいにゲームしてて良かったと思ってる。
因みにその五番目までは全部が、
『胡桃ちゃん可愛い! 今までゲームしてて良かった!!』
『はわわっ、くるみんかわ……!』
『んふふっ、可愛すぎるよぉ! 胡桃ちゃあん……っ』
『……は? かわよ。くるみんかわよ』
『かわっ、かわわっ、か、かわ、かわ…………っっ』
です。
まあこれ毎日やってるからそれぞれ八百回ずつくらいやってるかな?
そして、秋来紅葉さん見当たりません。
死にたい。
やっぱり部活に行ったほうがいい? だよな。
くそ。演劇部?
死にたい。
無理だよ。
いくら顔がイケメンであろうとも、心までもイケメンにはなりきれない。
いつまでも陰キャオタクであり続けることしか出来ないのだから!
まあいい!
部室行こう。
たぶん、高等部の棟のどっかにあるはず!
地図とかも貼ってあるって今はもういない霞伊が言ってたし!(※決して死んだわけではない。用事で帰っただけである)
「お、これじゃん?」
早々に地図を発見する。
演劇部部室……。あ、これや。
ほーん? 高等部北校舎の三階の端。
行ってみるとしようか。
……。
ちょっと待てよ? 私は部員なんだよな? てことはみんな私のこと知ってるってことだよな? なんて言って入ればいいんだ?
『こんにちは』?
『失礼します』?
まあとりあえず『ちわーっす』って言っときゃ大丈夫だろ。




