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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第六章 初代様

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第90話 私立高等学校

 エストが三代目領主に就任してから、四年ほどの歳月(さいげつ)が流れ去った(ころ)

 メイは第三子を出産していた。

 その出産の際、私はもはや恒例(こうれい)となっていた、大地の神様への祝詞(のりと)(とな)え続けていた。そのかいもあったと思いたいのだが、今回もとても安産(あんざん)で、元気な女の子がこの世に誕生(たんじょう)した。

 この子は後に、ルナリアと名付けられた。

 メイによく似た金髪と青い目をしており、将来はさぞかし美人さんになりそうなかわいらしい赤ちゃんだ。

 さすがに三人目ともなると、ゴランさんも泣き出したりはしなかったのだが、それでも、初めてできた娘にデレデレしっぱなしであった。

 また、この(ころ)になると、高等学校の先生たちと協力して編集(へんしゅう)した参考書の印刷(いんさつ)も始まっており、販売されるようになっていた。

 一般販売された参考書の内容を見た貴族たちは、さらに反発を強めるようになり、その中には武力をちらつかせるような発言をするものも(あらわ)れ始めていた。

 そのような情勢(じょうせい)の中、自衛(じえい)する必要性を感じたエストは、傭兵を常時(じょうじ)雇用(こよう)して(そな)えるようになっていた。

 そのため、ガインの町に多数の傭兵たちが移り住むようになり、傭兵団の支部もできていた。

 少し時が()つと、ガインの町には騎士団が存在しないことから傭兵団が自由に運営できると評判(ひょうばん)になっていき、本拠地(ほんきょち)をガインの町に移す傭兵団も(あらわ)れるようになっていった。

 キナ(くさ)さを()していった周辺事情ではあるが、町の中は平和そのもので、この頃になると、高等学校の卒業生の中には、私立の高等学校を設立するもの(あらわ)れ始めていた。

 私立の学校は年度を()すごとに増加の一途(いっと)をたどり、官僚(かんりょう)の中には、一定の規制をかけるべきだと主張するものもいた。

 私立の学校では教える内容がまちまちになっていて、レベルも学校ごとに異なっていたためである。

 私は前世の私立学校を知っていたため、(ほう)っておけば、やがてレベルにあった生徒たちが集まるはずだと考えており、エストに進言して、最低限の教育カリキュラムだけを(さだ)め、後は自由にさせる事にした。

 また、領主からの補助(ほじょ)(きん)が出る高等学校が、最初に設立した公立の学校のみであったため、授業料も一番安くなっていて、入試(にゅうし)競争率(きょうそうりつ)も一番高くなっていた。

 そのため、私の設立したガイン公立高等学校が、最高の高等教育機関として認識(にんしき)されるようになっていった。


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