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先祖返りの町作り ~無限の寿命と新文明~  作者: 熊八
第十四章 建国

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第245話 名字

 それから、また二年ほどの月日が流れ()っていた(ころ)

 (ほう)整備(せいび)もかなり進んでいたため、司法(しほう)試験(しけん)開催(かいさい)するための準備(じゅんび)として、法科(ほうか)ダイガクが開校(かいこう)していた。

 ちなみに、日本などで採用(さいよう)されている法曹(ほうそう)一元(いちげん)という考え方を取り入れていて、(さい)判官(ばんかん)検察官(けんさつかん)弁護士(べんごし)は同一の司法(しほう)試験(しけん)採用(さいよう)することが()まっている。

 本来(ほんらい)であれば、各種(かくしゅ)法律(ほうりつ)根拠(こんきょ)となる憲法(けんぽう)制定(せいてい)したいところだ。しかし、そこまではとても手が回らないため、イギリスのような、慣習法(かんしゅうほう)憲法(けんぽう)にするしかないかと考えている。

 また、大統領(だいとうりょう)違法(いほう)行為(こうい)をしたときのために、特別(とくべつ)検察官(けんさつかん)制度(せいど)(ほう)整備(せいび)していた。

 国会(こっかい)議員(ぎいん)過半数(かはんすう)議決(ぎけつ)で、特別(とくべつ)検察官(けんさつかん)任命(にんめい)できる。その特別(とくべつ)検察官(けんさつかん)捜査(そうさ)した結果(けっか)違法(いほう)行為(こうい)(みと)められる場合は、大統領(だいとうりょう)本人(ほんにん)起訴(きそ)できる仕組(しく)みである。

 そして、裁判所(さいばんしょ)違法(いほう)行為(こうい)認定(にんてい)した時点で、大統領(だいとうりょう)失職(しっしょく)することになる。その場合は、あらかじめ任命(にんめい)していた(ふく)大統領(だいとうりょう)昇進(しょうしん)し、六十日以内に大統領(だいとうりょう)選挙(せんきょ)(おこな)うことが義務付(ぎむづ)けられている。

 これらの準備(じゅんび)奔走(ほんそう)していた、ある日。

 戸籍(こせき)調査(ちょうさ)(おこな)っている部署(ぶしょ)担当者(たんとうしゃ)から、質問(しつもん)()けていた。

「コセキなのですが、家族(かぞく)単位(たんい)がとても()かりにくくなっています。なにかいい(あん)はありませんか?」

 (くわ)しく内容(ないよう)を聞いてみると、この国の市民(しみん)たちには名字(みょうじ)がないことが問題(もんだい)根本(こんぽん)であると気づくことができた。

 これまでは、()んでいる地域(ちいき)屋号(やごう)として、名字(みょうじ)()わりにしていたようだ。つまり、ガイン村のヒデオさんのような()び方をしていたのである。

 しかし、今では市民(しみん)移動(いどう)自由(じゆう)になっているため、出身地(しゅっしんち)管理(かんり)していたのでは()かりにくいと言われていた。

 そこで、私は名字(みょうじ)各自(かくじ)名乗(なの)るようにしてはどうかと提案(ていあん)してみた。

 そうすると、先ほどの官僚(かんりょう)さんが、さらに質問(しつもん)(かさ)ねる。

各自(かくじ)で考えるとは言っても、地方(ちほう)では学校(がっこう)教育(きょういく)が始まったばかりです。そのため、自分では考えられない人も多いかと思われますが」

 私はそれもそうかと思い、別の(あん)提示(ていじ)する。

「それでは、各村(かくむら)の村長さんに()めてもらうというのはどうでしょうか?」

 しかし、この意見(いけん)不評(ふひょう)のようだ。

人口(じんこう)が少ない村は、それでいけるでしょう。しかし、家の多い村や町になってくると、一人で(すべ)てを()めるのはさすがに無理(むり)かと」

 そのような指摘(してき)()けた私はしばらく考えを(めぐ)らせ、別の(あん)(てい)()してみる。

「それでは、ご先祖(せんぞ)(さま)の名前の二人分を(つな)げるのはどうですか? (たと)えば、ガイン家に名字(みょうじ)がなかったと仮定(かてい)して、ユキムラ・ヒデオクリスとか、ヨシヒロ・ルースエルクのように名乗(なの)るのです」

 この(あん)はすんなりと採用(さいよう)されることになり、やがて名字(みょうじ)の作り方の手引書(てびきしょ)も作られて、一般(いっぱん)配布(はいふ)されることになった。

 こうして、この国では、(すべ)ての市民(しみん)名字(みょうじ)名乗(なの)るようになったのであった。


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