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任務前のひととき

「おはようございます、ソレイユにーさま! すみません、遅くなりました!」



「あぁ、おはよう、ノーラ。 そんなに慌てなくても、出発まで時間あるから大丈夫だよ」



自警団の拠点に到着すると、銀髪で人間の青年……ソレイユ団長が資料を読みながらまったりしていた。


にーさまの幼馴染で、襲撃事件の後から時折遊びに来ては面倒を見てくれた、私にとってもう1人のにーさまともいえる人です。



「自警団を立ち上げるにあたって、急にきみを誘った上に副団長という役を押し付けてしまったからね。 もし仕事量がきついようなら言ってほしい」



「いえいえ、多少の疲れなら私の魔眼で回復できますから大丈夫です。 むしろ足を引っ張っていないか心配なのですが……」



「いや、大助かりだよ。ノーラの魔眼のおかげで盗賊や魔眼狩り、魔物の討伐の際に起きる不測の事態がわかるのはとてつもないメリットだ。それに、回復に支援も得意ときた。もっと自信をもってくれていいんだよ」



「えへへー」



そう答えながらソレイユにーさまが私の頭を撫でる。うん、ノエルにーさまと同じ優しい手です。


それからしばらく二人でお茶をしていると、他のメンバーがやってきた。



「ノーラ様、本日もお美しい。私もお茶をご一緒してもよろしいですか?」



「ジェイク、だれかれ構わずナンパすんのやめなさいって言ってるでしょーが! あっ、お二人ともおはようございます!」



「ルビー嫉妬かな? 素直になってくれてもいいんだぞ。 はははは、足を蹴るのをやめたまえ」



「ひゃわ……おおおおおはようございます、皆様……」



「おはよう、皆」



「皆さんおはようございます!」



仲良く?喧嘩しているのはエルフのジェイクとルビー。 ジェイクは空色の髪をした青年で、ルビーはその名前の通り綺麗な紅い長髪の女性だ。


二人の後ろに隠れるように入ってきたのは黒い髪をしていてちょっぴり臆病な獣人の少女ルミナ。 彼女は盗賊に捕まり奴隷にされそうなところを設立したばかりの自警団が保護した子供で、捕まった時につけられた首輪が今も残っている。 本当は外してあげたいところだけど、特殊な素材でできているうえに下手に壊そうとすると電流が走る仕組みになっているため一旦保留としている。



「3人のお茶もすぐ入れますねー」



「ノーラ様あたしがやるからいいですよ。 仮にも領主様の娘で副団長なんですから、もっとこきつかってくれていいのに」



「堅苦しいのはどうも苦手で……。 私としては普通に仲良くしていただけると嬉しいのですが」



「あぁもう、エリナ様と同じでほんと優しいんですから! 妹に欲しい~」



「むぎゅ」



私の体にはないルビーさんのふかふかナイスボディにぎゅっとされた。 むぅ、元々男だったとは言え女の子に生まれたからか時々嫉妬してしまう。




「ふむ、僕もぜひ抱擁をさせてもらいたいのだが」



「ダメに決まってるでしょ! ほらルミナもこっちきなさい、こういう大人には近づいちゃだめよ!」



「ひゃわわ……」



「うーん、僕一応貴族なんだけどなぁ。 ルビーの僕の扱い悪すぎないか……」



ジェイクさんは黙っていれば絵本に出てくる王子様みたいなのに……。



「ふふっ」



「嬉しそうだね、ノーラ」



「はい、にぎやかなのは大好きですから」



今はまだ人数も少ないけど、もっと仲間が増えてにぎやかになったらいいなぁ――

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