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東方存在歴  作者: ゆくひめ
永遠亭~療養編~
36/58

起きたらそこは...

「ゆかりーん、終わったわよー」

おっとりとした声が聞こえた。ああ、修行終わったのか...

隙間を開き、その声の主に一言言う。

「食べながら言うのはお行儀悪いわよ。」

友人の忠告を無視して、彼女はまたひとつ饅頭を食べる。

「えへへー、妖夢の手作りのお饅頭はおいしいのよね。」

「へぇ、でも私が聞きたいのはそうじゃなくて、駿のことなんだけど。」

なんだかんだ言って霊夢も心配をしている。

私だってそれなりには働いているんだよ?

ということで、修行の見張り(8割は睡眠)をしていた。

「でも、この"ねるねるねるね"って何かしら?」

「それの説明ではお菓子のようなんだけど、妖夢が"こんな気持ち悪い、体に悪そうな物は食べないでください!"って言われたの。」

あの庭師はお母さんか!...って思ったけど、藍も同じようなものだから、いわないでおこうか。

「それで、駿は妖夢に任せたわよ。」

「でも、ここには居ないけど、どこか行ったのかしら。」

「幻想郷で行くところって言えばあそこだけでしょ。

それよりも、饅頭食べていかない?」

「あら、頂いていいのかしら?」

「妖夢に言い訳できるから、食べてほしいの。」

さらっと共犯にしようとするところは侮れない。

そう思った紫だった。



(...昔、なんかあったような..)

もう昔のことだ。さすがに思い出せない。

ただ、昔はよくあのお菓子を食べてた気がする。

「作って美味しい、ねるねるねるね♪...なんてな...」

「作って美味しい、ねるねるねるね♪...ぷっ!」

...!?

(ヤバい、めちゃくちゃ恥ずかしい!

こんなうさ耳女の子に聞かれてたとか...)

顔が真っ赤になる。しかも、音痴だからなおさら恥ずかしい。

「あれれ~、もしかして熱が出てるんですか?私が子守唄で寝かせてあげましょうか?」

皮肉のこもった声で言われる。

痛いところばかりつかれて、もう立ち直れないかも...

「こら、あんまり患者さんをいじめないの!」

おお、救世主が来た!

「はーい...」

テキトーな返事をして、あいつは去っていった。

「てゐのことはあんまり気にしないでくださいね。ただ、いたずらが好きなだけなんで。」

「いや、別にいいですよ。ちょっと恥ずかしいだけなんで。」

嘘だけどな。

本当はあいつの存在をなくしたいくらいなんだけどな。

しかし、周りを見渡してみるが、あたりは竹林におおわれている。

「ここって、どこなんですか?」


「ここは永遠亭ですよ。」




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