起きたらそこは...
「ゆかりーん、終わったわよー」
おっとりとした声が聞こえた。ああ、修行終わったのか...
隙間を開き、その声の主に一言言う。
「食べながら言うのはお行儀悪いわよ。」
友人の忠告を無視して、彼女はまたひとつ饅頭を食べる。
「えへへー、妖夢の手作りのお饅頭はおいしいのよね。」
「へぇ、でも私が聞きたいのはそうじゃなくて、駿のことなんだけど。」
なんだかんだ言って霊夢も心配をしている。
私だってそれなりには働いているんだよ?
ということで、修行の見張り(8割は睡眠)をしていた。
「でも、この"ねるねるねるね"って何かしら?」
「それの説明ではお菓子のようなんだけど、妖夢が"こんな気持ち悪い、体に悪そうな物は食べないでください!"って言われたの。」
あの庭師はお母さんか!...って思ったけど、藍も同じようなものだから、いわないでおこうか。
「それで、駿は妖夢に任せたわよ。」
「でも、ここには居ないけど、どこか行ったのかしら。」
「幻想郷で行くところって言えばあそこだけでしょ。
それよりも、饅頭食べていかない?」
「あら、頂いていいのかしら?」
「妖夢に言い訳できるから、食べてほしいの。」
さらっと共犯にしようとするところは侮れない。
そう思った紫だった。
(...昔、なんかあったような..)
もう昔のことだ。さすがに思い出せない。
ただ、昔はよくあのお菓子を食べてた気がする。
「作って美味しい、ねるねるねるね♪...なんてな...」
「作って美味しい、ねるねるねるね♪...ぷっ!」
...!?
(ヤバい、めちゃくちゃ恥ずかしい!
こんなうさ耳女の子に聞かれてたとか...)
顔が真っ赤になる。しかも、音痴だからなおさら恥ずかしい。
「あれれ~、もしかして熱が出てるんですか?私が子守唄で寝かせてあげましょうか?」
皮肉のこもった声で言われる。
痛いところばかりつかれて、もう立ち直れないかも...
「こら、あんまり患者さんをいじめないの!」
おお、救世主が来た!
「はーい...」
テキトーな返事をして、あいつは去っていった。
「てゐのことはあんまり気にしないでくださいね。ただ、いたずらが好きなだけなんで。」
「いや、別にいいですよ。ちょっと恥ずかしいだけなんで。」
嘘だけどな。
本当はあいつの存在をなくしたいくらいなんだけどな。
しかし、周りを見渡してみるが、あたりは竹林におおわれている。
「ここって、どこなんですか?」
「ここは永遠亭ですよ。」




