最終話 平和な世界で
「は、遥斗!」
水原さんがこちらに駆けてきて僕に抱きついてきた。
「お帰り、私の彼氏さん」
水原さんは泣きそうな顔をする。
「ただいま、僕の愛する彼女、亜香里」
僕は亜香里を抱きしめる。
「おいおい、俺たちを置いてイチャイチャしないでくれよ」
声をかけたのは洋介、それに沙織だった。
「ごめん洋介、沙織も・・・無事だね」
僕は二人に向かって言う。
「ああ、保健室で寝ていたからな。
いつの間にか元気になったぜ、なぁ沙織」
洋介は沙織に向かって言う。
「う、うん!そうだね。
それにしても本当に倒してくるなんて凄いね、勇者遥斗様だね」
沙織は言う。
「よしてよ、僕は勇者じゃないよ。
僕は僕、新田遥斗だ」
僕はそう答える。
その後
僕達、それにクラスメイトや先生達は剣さん達と一時的に隣町へと行く。
するといつもどおり煙が青葉町を包み込む。
そして青葉町へと戻ると元の状態へと戻っていた。
壊された建物も車も家もそして学校も。
僕達の日常が戻ってきたのだ、平和と言う名の日常が。
学校前
「剣さん達は戻っちゃうんですね」
僕は剣さんに向かって言う。
「そうだな、平和になったのにここに居るわけにも行かないからな。
それにパプルも戻ってきてほしいだろうし、じゃあな」
そう言い剣さんは歩いていった。
「おいおい、俺たちも一言言う感じなのか?」
橋原が言う。
「そりゃそうだろ」
荒川さんが言う。
「じゃあ私ね、沙織ちゃん貴方の一撃凄かったわ。
バケモノを一撃で沈めるその強さ本物よ。
これからも頑張ってね」
そう言い水口さんも剣さんの後を追った。
「ちょ!・・・洋介・・・」
「なんですか橋原さん」
洋介が聞く。
「そのなんだ、短い間だったがありがとな。
仲良く出来そうな感じがしたが俺の思った通りだな、それと・・・あんま不良みたいになるなよ」
橋原は洋介に向かって言い水口さんを追いかけた。
「不良になるつもりは無いんだけどな」
洋介はそうつぶやく。
「三人共・・・よくやった、バケモノを倒して・・・有川は愛ちゃんが拘束しているはずだし剣さんも今頃着いてるはず。
まぁ、なんていうか・・・迷惑をかけたな」
荒川さんが言う。
「そんな事ありません、皆さんが居なかったら勝てなかったですし」
僕はそう答える。
「それを言ってくれてなんか心が落ち着いたよ。
じゃあまたどこかで・・・と言ってもまた会うことになったらバケモノが現れたってことだしな」
そう言い荒川さんも三人の後を追った。
「なんか三人とはあまり話してないが、生徒会長とは少し話したんだ。
この学校の生徒会長・・・中々いいやつだな。
それに滅茶苦茶強いぞ?一度戦ってみたらどうだ?
驚くぞ」
梓馬さんが言う。
「いいえ、梓馬さんも学校を守ってくれました。
ありがとうございます、感謝しかありません」
僕達はお礼を言う。
「な、なんかお礼を言われるのは慣れてぇねぇから変な気分だな。
まぁ、また会うことになったらよろしくな」
梓馬さんも荒川さんを追いかけた。
「・・・・行っちゃったね、みんな」
沙織が僕たちに向かって言う。
「うん、でも中々キャラがいい人が居たね。
特に橋原さんはね」
僕はそう答える。
「まぁ、少し静かになるのは寂しいかもな」
洋介はそう答える。
「まぁ、これからは平和なこの町で生きていこう。
待っている人が居るから」
僕はそう言い校舎へと走った。
「遥斗のヤツ、水原と付き合うのか?」
沙織に向かって言う洋介。
「さぁ?私達が介入する必要はないでしょ?
それよりも洋介も彼女の一人くらいは作ったら?」
沙織は洋介に向かって言う。
「ふん、俺は作れないんじゃない、作らないだけだ」
洋介はそう答える。
「近くにいるのにね」
沙織はぼそっと言う。
「何か言ったのか?」
洋介が振り返る。
「ううん、何でも無い」
沙織はそう答える。
青葉高校、屋上
「遥斗くん、来たんだね」
僕が屋上に着くと水原さんが居た。
そして僕に向かっていった。
「うん、君ならここに居るんだろうなって思ってね」
僕はそう答え水原さんの隣に行く。
「バケモノを倒してころっと帰ってきて安心したよ。
ハッピーエンドだね」
水原さんは言う。
「水原さん・・・いいや亜香里・・・言うことがあるんだ」
僕は亜香里の顔を掴みこちらを向かせる。
「何?」
亜香里は僕の手をどかす。
心臓がバクバクとする、呼吸が苦しくなる。
「亜香里・・・今度亜香里の家に行っていい?」
僕は亜香里に向かって言う。
亜香里はキョトンとした顔をしたが直ぐに戻り
「いいよ、それまではお預けなのかな?」
亜香里はそう答える。
「じゃあ行こっか・・・亜香里」
僕は亜香里の手を繋ぐ。
「うん」
僕達は校舎へと入る。
こんな数ヶ月で色んな事が起きるなんて思わなかった。
僕達はまた平和な世界で今も生きている。
剣さんたちも元の世界で生きているのかな?
また、この世界に来たときは色々と案内してあげたいな。
「遥斗くん」
亜香里が立ち止まり言った。
「どうしたの?」
僕は振り返る。
「愛してる」
亜香里は満面の笑顔で言った。
終わり。




