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アンジュ・ス・バートル  作者: Jyona3
ー第2章ー カースス王国編
43/55

どうしてこうなったー2

 短めです。

 



「リリス辞めなよ。君じゃ勝てないよ」



 突然現れたマオが、笑顔のままリリスに話しかける。



「ッ!! ()()様!!」



 リリスが慌てて跪く。



 ーーーん? 知り合いか? ってか、様付け?



 マオとリリスを交互に見比べる。


 リリスのマオへの様付けや急な慌てぶりを見るからに、恐らくマオのほうが立場が上なのがわかる。


 見ればクレアもいつの間にかマオの横で跪いていた。



 一人この状況に着いて行けず黙って様子を伺っていると、マオが笑顔を崩さず話しかけてくる。



「やあ、もっちー。うちの馬鹿がごめんね。許してくれる?」


「よっ! ……まぁ、別にいいよー」




 軽く右手を上げる。


 許すも何も、エフが少し踏まれたぐらいで、とくに私が怪我したわけでもないので怒っていない。

 むしろ、美味しい菓子を貰って感謝してるくらいだ。



「ありがとう。意外と優しいんだね」


「マ、()()様! 恐れながら申し上げます。その餓……子供は危険にございます! 今の内に始末しなければ、後々面倒な存在になるかと思われます!」




 リリスが跪いたまま、なにやら物騒な事を叫びだす。



 …………



「リリス……君は本当に馬鹿なんだね? 僕は残念だよ」


「で、ですが!!」




 マオの目がまたもや“あの目”になる。

 まるで感情の無い人形のような冷めた目で、リリスを見ている。


 リリスの顔がみるみるうちに青ざめていく。




「君ごときが、もっちーに勝てるとでも思ってるの? それに、君にはアレが見えないの?」




 と、マオが私を指差す。


 なんだ? と思い自分の体をペタペタと触りながら見回すが、全くわからない。



「ま、まさか! あの腕輪は!!」



 リリスが目を見開き、異常に驚いている。




「そう誓約の腕輪(プレッジカーズリング)だよ。もっちーは僕の旦那さんになったんだ。それを始末だなんて、よく言えたね」


「そ……そんな。で、ですが……




 ーーーなんか、ママゴトが役に立ってるぽいな。面倒に巻き込まれずに済みそうだ。私、グッジョブ!!




 話が長くなりそうだったので、とりあえず椅子に座り先程取り上げられた菓子を頬張りながら二人の話が終わるのを待つ事にした。



「い、いつのまに、その様な事になったのですか?」


「さっきだよ。もっちーが僕を嫁にしてくれるって、言ってくれたんだ」


「さっきでございますか? 確かに私に、気になる方と言ってましたが。まさか! 本気だったとは! ……で、ですが嫁なのですか? 普通は逆ではございませんか?」


「そうなんだ。会う前から僕の事を思ってくれてたんだね。まあ、普通は逆だけど、もっちーは普通じゃないからね」


「まあ、確かに普通では、なさそうですが……素性は? わかっておいでですか?」


「ううん。知らない」


「!! そんな素性も知らない者と?! 何故?」


「だって、退屈しなさそうだったから。実際、楽しいよ」


「で、ですが! 今は大事な時でございます! それが終わってからでも良かったのでは?」


「もう、リリスは本当に、口うるさいな〜。これ以上、言うと……殺っちゃうよ?」


「も、申し訳ありません。ですが、心配なのです。力を封印された今、出歩くだけでも危険だというのに」


「はいはい。大丈夫だから」




 リリスがマオを本気で心配しているのが、慈愛に満ちた様な優しい目でわかる。が、マオはそれを軽く流している様子だった。




 菓子を食べながら遠目に眺めていると、




「そういえば、もっちー。城探索は終わったの?」



 マオが突然、話を振ってきた。


 途中から菓子に無知で何も聞いていなかったので、少し驚いてビクッとなってしまったのはここだけの話だ。




「ん?終わったよー。もう帰りゅとこだった」


「そっか! じゃあ、僕も用は済んだし帰ろうかな」


「あい。バイバーイ」




 とりあえず、手を振る。




「ハハ。素っ気ないな。まぁ、今はいいや」




 マオは私に手を振り返すと、部屋の窓に向かって歩いていく。

 それに続く様に、リリスとクレアが後ろを歩く。


 マオが窓を開け、こちらを振り返る。




「あ、そうだ! 僕の名前まだ言ってなかったね」




 そう言って笑うと同時に、背中から整えられた美しい大きな黒い羽と頭に白いヤギの様に曲がった角が現れる。




「僕の名前は、《レイム・イブリース》。《レイム・イブリース》だよ」




 ーーーん? マオ・レイム・イブリース? って事? 異国の人は名前長いって言うからなー。ってか、どれが名前だ?




「わかった。えーっと……



 どれが名前か迷っていると、



「ハハ。レイムでいいよ! レイムって呼んでね! じゃあ、行くね。準備ができたら迎えに来るよ」


「あいあい。レイムね。バイバーイ」




 子供の戯言だと思い、軽く返事をする。


 マオ改めレイムは、私の返事を聞いて笑顔で窓から飛び立って行った。



 ーーーもう、会うことはないだろう。さらば、ボクっ娘!



 それに続いて、クレアも背中から黒い小さな羽を生やし飛んでいく。

 こちらを振り返り、何か言いたそうな顔をしていたが、相変わらずクールと言うかなんというか、何も言わずに飛んで行った。


 とりあえず、クレアにも手を振って見送る。



 ーーーそう言えば、髪と目が同じ色だったな。姉妹か?



 そんな事を考えていると、最後に飛び立とうとしていたリリスが突然、振り返り叫ぶ。



「もっちー。覚えておきなさい! 貴方に()()様は渡さないわ! 私はね! 何十年も前からお側に仕えて、慕っていたというのに! ポッと出の貴方なんかに……ん?!!



 と喋ってる途中で突然、口を閉じ耳をすませている。



「ん? どうちたの?」


「どうやら、もうすぐ奴が来るわ。何故か、あいつだけは私の魅力チャームが効かなかった……あいつを嵌めて、城を追い出したかったのに悔しいわ」




 何か考えながらボソボソと言っている様子だが、声が小さすぎて何も聞き取れない。



「まぁいいわ! セ・もっちー。その契約の腕輪(ブレッジカーズリング)無くしたり売ったりするんじゃないわよ! さようなら」



 ーーーあ! これ外してもらうの忘れてた!




「あっ! ちょ! 待って!」




 私の声は、またも届かず、リリスは窓から飛び立って行ってしまった。




 ーーー糞ー! これ、確か呪いのGPS的な物じゃなかったか? 外してけよー!




「呪いを解いてくれーーーー!」




 窓に向かって叫んでいると、




「んんんーんん! んんんん! んんん!」




 唸り声で我に帰る。




 ーーーFの事、完全に存在を忘れていた! 呪いを解く前に紐を解いてやらんとな!



 我ながら、()()()なと思った。



 ………………




 バン!



 エフに近づき紐を解こうとした瞬間、部屋の扉が勢いよく開かれる。




「姫様! 失礼します! 部屋から大きな音がしましたが、何かございましたか?! 」




 慌てた声と共に、サエウムが入ってきた。




「襲撃ですか?! 先程、王のとこ……ろ……にも……




 サエウムが部屋に少し入った場所で固まる。


 血行まで固まってしまったのか、みるみるうちに顔が青ざめていく。



 その目は一点を捉えて離れない。



 サエウムの顔の豹変ぶりに驚き、嫌な予感がしつつもその目が捉えている方をゆっくりと見る。




 ………………




 ーーーしくったーーー! こっちも忘れてたーーー!


 主人公は魔王をマオとずっと聞き間違え? 勘違いしてました。いや、今も勘違いしてます。

 書き直しは無理でしたが、 少しだけですが書き溜めできました。次回は今日の夜の予定です。

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