第97話
「さて、では授業を始めさせていただこうかな」
ゴーランさんはエリックが適当な椅子に座ったのを確認すると、そう前置きをして授業を開始した。
「はい!改めてよろしくお願いします!」
エリックの目がとてもキラキラ輝いているのは気の所為ではないだろう。ちなみに俺は教室の後ろで授業の様子を観察することにした。
「うんうん、元気なことはいい事だ。ではまず初歩的なことから教えていこうかな」
そう言うとゴーランさんは手近にあるチョークで黒板に文字を書き始める。
「まずエリック君は回復魔法は何属性に分類されるか知ってるかい?」
「何属性.....ですか?普通に光属性じゃないんですか?俺が回復魔法を覚えたい理由も光属性が少し高いからなので.....」
「うん、正解だ。だけど満点じゃない」
「と言うと?」
思わず俺もゴーランさんに尋ねてしまったが分からないことを知りたいと思うのは仕方ないことだ。
「光属性ももちろんなのですが、回復魔法と言うのは基本どんな属性でも発動するのです。何となくそれっぽいから光属性だったりするだけです」
「そうなんですか!?」
「ええ、なので私は水属性による回復魔法の発動を主にしてますね」
ふむ、なるほど。結局はイメージしやすいかどうかなんだな。イメージしやすいから光属性、水属性なんだな。
火属性や闇属性なんかは『壊す』イメージがしやすいからあまり回復魔法には向かないのかもしれないが。
「えっと、なら俺は火属性で回復魔法をしてみた方がいいのでしょうか?」
「もちろんそちらの属性値の方が高いならそうした方が高い効果を見込めますが、無理してそうする必要はありません。まずは光属性で実践してみてからにしましょう」
「分かりました!」
「ではまず詠唱を覚えて欲しいのですが.....」
ゴーランさんがこちらをチラチラ見てくる。恐らく昨日のことを気にしているのだろう。
昨日俺はゴーランさんに無詠唱で、なおかつ効果の高すぎる回復魔法を見せた。その後に俺はゴーランさんに「俺のやり方で改善が見られるかどうかは怪しい」と言った。つまりは自分が教えてしまっていいのか?ということを暗に聞いているのだろう。
「.....はぁ、ゴーランさんだけのけ者にするわけには行きませんからね.....俺のやり方をお教えしますよ。そのほうが授業も滞りなく終わりそうですし」
「ほんとですか!?その高い効果の回復魔法の使い方を教えて頂けるのですか!?」
「あぁ、別に隠すほどのことでもないし。なんなら俺の生徒達はみんなやってるしな」
俺はイメージの事などを全部ゴーランさんに伝えた。エリックにはいつも通りイメージするように言った。
「.....いつの間にか俺が授業してるんだよなぁ.....」
ゴーランさんに教わるのは実技面になるな.....




