第74話
俺が正面玄関に転移すると、未だ授業中なので人はほとんど居なかった。
「よし、みんなより先に来れたな」
俺は生徒達より早くにここに来れたことに安堵を覚える。
それからしばらく校門によしかかり、生徒達を待っていると、元気な声と共に複数の足音が聞こえてきた。
「ミツルせんせー!!」
「おーう、授業おつかれさん」
まず最初に全力ダッシュでこちらに向かってきたのはエリックだ。俺の前で急停止すると息を整えながら、
「俺の宿題どうでしたか!?」
と聞いてくる。
「あぁ、いい出来だった。その事で明日の午前は通常授業は免除だ。王家専属回復魔法師のゴーランさんに回復魔法を教えてもらうことになった。俺も明日は予定を入れてないからついて行くぞ」
「おおー!!!俺の憧れの人に教えてもらえるなんて!!ミツル先生、ありがとうございます!」
どうやらエリックの戦闘スタイルはゴーランさんを真似たもののようで、そのゴーランさんに教えて貰えることに感激しているようだ。
(.....てか、やっぱりあのおっさん、普通に肉弾戦もするんじゃねぇか)
筋肉は語るんだなぁ.....
「エリック、早すぎるから.....もうすこし落ち着いて.....」
「先生!私の宿題はどうでしたか!」
「私のもどうだったかな.....」
俺がエリックに明日のことを伝えてる間にエリックに置いてかれていたモルト、レーシャ、フォンが駆け寄ってくる。
「うん、みんなの宿題もいい出来だったよ」
「ミツル先生.....私の宿題は.....あまりにも現実味がなかったですかね」
少し、怒られるとでも思っているのか、ライリーの顔は少し眉が下がり、不安そうだった。
俺はライリーを安心させるために頭に軽く手を置き、
「いいや、とてもよく出来た宿題だったよ。俺の出した宿題の内容にしっかり沿っていた。それにあんなに詳しくかけるんだ。あの希望は絶対に手放しちゃいけないよ、願えば叶うことだってあるんだから」
とできるだけ優しい声で言った。
「.....そうですね、ありがとうございます!」
ライリーはポカーンとした顔の後に、少し俯き気味に微笑み、最後には花が咲いたような笑顔を見せてくれた。
「よっし、じゃあ時間ももったいないしそろそろ行こうか!今日みんなが提出した宿題のようになれるように実入りのある実習授業にしよう」
『はい!』
そして、俺と生徒達五人は北の門を潜り、街の外へ出た。




