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属性値チートで異世界無双  作者: 陽兎月
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第4話

「おい.....聞いたか?」


「お、おう。あれだろ?まだ冒険者登録も終わってねぇ奴がギルマスに勝ったっていうやつ」


「それそれ。なんでもまだ登録前なのにウォーロック....いや、それ以上の魔術師すら凌駕するほどの魔力量で、見たこともない魔法を使ってギルマスを瀕死にした挙句、そいつの初級回復魔法のヒールでギルマスを完治させたんだとよ」


「えげつねぇな....」


「あぁ....」


 ーーーーーーーーーーーー


 と、まぁそんなこんなで俺は今受付カウンターで、冒険者に関する様々な説明を受けることになった。

 門番のおっちゃんはゴブリンの王冠を売った金を受付嬢に貰ったらしく、帰っていった。


「まず冒険者として覚えておかなければならないことは、3つほどあります」


「3つだけですか?」


「はい。それ以上を冒険者に言っても覚えられない方がほとんどなので」


 冒険者ってアホの集団だったのか.....


「ではまず、3つのランクについて話しますね。3つのランクとはステータスランク・ジョブランク・ギルドランクです。ステータスランクはあなたのギルドカードの右上に記されている数字ですね。1~上限はないと言われています。このレベルをあげれば上げるほど、ステータスの基礎値が上がっていきます。ちなみに過去最高到達ステータスランクは219ランクです。次に、ジョブランク。これは後でもう一度説明しますが、1~20のランクがあります。

 最後に、ギルドランク。これはそのままギルドへの貢献度が記されています。Fが一番下で、EDCBASの順に強い証明になります。Sランクになるような人は化物ばからりしいですよ。質問等ありますか?」


「ステータスランクとジョブランクってどうやったら上がるんだ?」


「基本何してても上がりますが、一番効率いいのは、魔物....あなたが倒したゴブリン何かもそうですが、それらを倒していくと、上がって行きます」


「ふむ」


 なるほど。まぁしばらくは、モンスターを狩っていけばいい感じか。


「質問が無いようなので、次に行きますね。2つめは、ジョブについてです。先程も説明した通り、ジョブにはジョブランクというものがあり、その人によって、なれるジョブは違います。ジョブはベースアビリティと、ジョブアビリティがあり、ベースアビリティは他のジョブに転職しても、効果を発揮するアビリティで、ジョブアビリティはそのジョブの時にしか発動しません。ちなみに転職は、いつでもできます」


 なるほど....強くなるには、色々なジョブを使って、ベースアビリティをたくさん取れば言い訳だ。


「そのジョブってどう知るんだ?」


「あぁ、今から調べるので少しお待ちを」


 そう言って受付嬢は奥へと走っていって1分ほどしてすぐに戻ってきた。


「ではこの水晶に手を当ててください。そしたら、自分の頭の中に直接なれるジョブが浮かび上がります」


 俺は、言われるがまま、水晶に手を当てた。すると、頭に浮かんできたものが、これだ。


 ○マジシャン


 ○ウォーロック


 ○魔術師


 ○魔法剣士


 ○双剣術士


 ○バーサーカー


 ○魔道士


 ○大魔道士


 ○賢者


 ○大賢者


 ○シーフ


 の、以上だ。


「どうです?結構すごいのが出たのでは?」


「どれがすごいのか分からないんですが....」


「とりあえず読み上げてもらえます?」


「マジシャン、ウォーロック、魔術師、魔法剣士、双剣術士、バーサーカー、魔道士、大魔道士、賢者、大賢者、シーフだな。」


「いやいやいや!??おかしいですよね?魔術師!?バーサーカー!?大魔道士!?大賢者!?最上級職が4つ!?」


「そんな珍しいのか?」


「はい、最上級職が発現するのは1万人に1人くらいはいますが、4つもってるとなるとあなたが初めてかと」


「.....なるほど。説明の続き聞かせてもらっても?」


「は、はい。説明を続けさせてもらいます。まず、ジョブを選んでください。基本いつでもジョブは変えることが出来るので気負わずに選んでくださいね。」


「それぞれがどんな効果があるのか分からないから決められないな....」


「では、気になるものは教えますよ」


「じゃあ魔術師とバーサーカーと大魔道士と大賢者を教えてください」


「はい。魔術師は超範囲攻撃に優れています。バーサーカーは単体に対してとてつもない大ダメージをたたき出します。大魔道士は魔術師と比べて、火力は劣りますが、属性複合魔法が使えるようになります。大賢者は回復魔法を得意とするジョブですね」


 .....まず大賢者は今は選ばなくていいな。回復を使って回復させる仲間もいないし。バーサーカーも面白そうだけど、前衛ってあのギルマスと同じだろ?何か嫌だよなぁ....そうすると、残るのは大魔道士か魔術師かなんだが、迷うな.....今はまだ属性複合魔法とかいいから火力重視で魔術師にしておくか。


「じゃあ、魔術師にします」


「わかりました。.....はい!これでジョブの設定は完了ですね。これから先にジョブを変える時は、ギルドカードのジョブの欄を長押しして、変更するジョブ名を呟けば変わるので、覚えておいてくださいね。そして、経験値ですが、他のジョブを使わなくてもその時選んでるジョブに入る経験値の4分の1は他のジョブにも入っていきます」


「わかりました」


「では、最後に3つめです。3つめはあなたのギルドランクに関して何ですが.....さっきあなたが瞬殺したギルマスはあれでも昔はBランク冒険者だったんですよ.....なので、あなたはギルドランクBからのスタートということでお願いします」


 あのおっさんがBか。なんとなく基準になるな。


「わかりました」


「では、説明は以上なので.....あ、これゴブリンキングの王冠の報酬です.....」


 と、いいつつ、大きめの皮袋を渡してきた。中は金貨が大量にはいっていた。


「キング....ですか?初耳なんですが.....」


「知らないで狩ってたんですか!?」


「えぇ、まぁ」


 狩るって行っても体当たりで死んでただけだしな。


「あまり死に急ぐ様な真似はしないようにお願いします」


「善処します.....」


 そして、俺は冒険者ギルドを出た。この後は宿を探さねばならないが.....この時間から見つかるだろうか....


 というわけで俺は今宿を探している。


「探してるって言ってもなぁ....どこにあるかも分からないしな....」


 しばらくして、宿らしき建物が見えてきたが、とても高そうな宿である。


「...これから何に金を使うか分からないし安めの宿がいいんだけどな....」


 最悪野宿という選択肢も考え始めた頃ふと、充は男に手を引かれ、路地裏に入っていく少女を見かけた。手を引かれていると言うよりかは引き摺られているという感じだったが。


「あれって危険な匂いが漂いまくってるよな」


 とはいえ、そんな光景を目にしておきながら放って置けるほど充の心は鬼ではなかった。


「危なそうなら引き返せばいいし....」


 と言いつつ充もその路地裏に入っていく。

 するとさっき見えた少女と男の他に男の仲間であろう男が二人いる。男は痩せ型が1人デブ2人と言ったところだ。

 少女はデブの男2人に手を抑えられ、痩せ型の奴に縄で縛られている。


「いやっ!離して!」


「大人しくしろ!このガキ!」


「なぁ、兄貴。こいつちょっと調子に乗ってるから1発ヤッて大人しくさせちまおうぜ」


「バカ!これはボスの命令で攫ってきたんだ!少しでも汚したら俺らの首が飛ぶぞ!?」


 ふむ。痩せ型の男が兄貴で、デブ1人ロリコン1が舎弟みたいな感じか?それにボスってやつも気になるな。

 だけど今すべきことはあの少女をたすけることだろう。


「あのー、お兄さん方少しいいですか?」


「あぁん?なんだお前?」


「誰だろうと構わねぇよ!見られちまったんだから殺るしかねぇだろ!」


 なんか俺を殺ることになったらしい。あまりにも短絡的過ぎないか?


「その少女を解放してくれればこちらは見なかったことにしてもいいんですが」


「んな事信じられるかよ!」


「まぁそりゃそうだな」


 と、言いつつロリコンの男がナイフを振りかざしてきた。見た目には似合わないそこそこの速度で迫ってきている。だが充は加護のお陰で身体能力も上がっている。


「ふっ!」


 ナイフを上から振りかぶって来たので充は姿勢を低くし、懐に潜り込むと腹パンを1発お見舞いしてやった。


「ぐぶふぅ!?」


 路地裏を突き抜けて表の通りに出てしまった。


「あれっ、結構加減したはずなんだけとな...まだまだ慣れないな。今度魔物相手にでも試し打ちするか」


「お、おい!表で騒ぎが起きてる!ずらかるぞ!」


「分かった!兄貴!」


 と行って、男達は逃げていった。


「まぁ、こんなもんか。あまり騒ぎにならない内にここから離れたいんだが....まずは縄を解くのが先か」


 俺は少女の縄を解いてやる。


「怪我はないかい?お嬢ちゃん」


「あっ、はい。大丈夫です」


 少女は埃を払いながら立ち上がった。


「んじゃ、とりあえず騒ぎになる前にここから離れるか。走れるかい?」


「...すみません...足を挫いてしまったみたいで....」


「なら、少し我慢しててね」


「え?」


 充はその少女を抱え上げた。要するにお姫様抱っこだ。


「ふぇぇぇ!?」


「じゃあ、しっかり捕まっててね」


 そう言うと充は足に力を込め、跳んだ。そして屋根の上に着地する。そして屋根の上を目にも留まらぬ速さで駆け抜けて行った。その姿を目撃したものがいれば皆口を揃えてこう言うだろう。「まるで忍者のようだ」と。


 それから暫く走り続けた。


「....そろそろいいかな」


 そろそろあの誘拐未遂の現場からは大分遠ざかったであろう。


「あの、あなたの名前を伺ってもいいですか?」


「ん?あぁ、そうだよな。さっきあんな事があったばかりなのに名乗ってもいない男を信用は出来ないよな」


「あ、いえ!そういうつもりで言ったのでは無いです!むしろこちらこそ名乗って無くてごめんなさい!」


 暫くあわあわしていた彼女だったが、しばらくすると落ち着きを取り戻し軽く咳払いをすると、


「私の名前はティナです。今回は助けてもらいありがとうございました」


 と、丁寧に礼を述べてきた。


「当然のことをしたまでだから。そこまで畏まらないでくれると嬉しいな。まぁ、とりあえず俺の名前は荒木充だ。荒木が名字で、充が名前な」


「ミツルさんですね。なんだか不思議な名前ですね」


 この世界の人間からすると、日本人の名前は不思議に聞こえるらしい。


「えーっと....君をあの場から助けたからには家まで送り届けたいんだけど....」


「あっ、ここから数分歩いたところが私の家です」


「そっか。じゃあそこまで一緒に行こうか」


「はい!」


 少女の家は本当に歩いて数分の所だった。

 ここで充にとって幸運なことが分かる。


「ここが私の家です」


「ここって....」


「あっ、私の家って宿屋なんですよ。」


 そこには充が探していたような(言ってしまっては悪いが)安そうな宿屋だった。

面白かったらブクマ、評価お願いします!

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