プルー族
「ここか」
『ここです』
目の前には緑鮮やかな森。
「ここに、何か居たりするの?」
『敵はいますよ、
ピギャー!
ゴブリンとか』
「うわぁ!」
ガキィン!
ゴブリンらしきモンスター(?)の包丁(?)を剣で防ぐ。
「てや!」
クギュー
黒い煙を出して消える。
『他にもー、』
「あ、かわいいー」
ミナが見つけたのは、白いもこもこしたウサギで耳の付け根に四葉をつけている。
『あ、今言おうとしたのがそれで、四葉ウサギといい、人が近づくと、
ミナは四葉ウサギに近づく。
防衛本能が働き、噛み付いてきます』
「痛!!」
手をひっこめる。
「先言えや」
『目が怖いですよ。ミナさん』
ソフィーが怯える。
「まったく」
『私の話を聞いてからにしてくださいよ』
それもそうだ。
「とりあえず、探索しますか」
ガサガサ
「ん?」
茂みで音がする。
[プキ!]
ピギャー!
「また!?」
茂みに隠れていたものを調べようとすると後ろからゴブリンが襲い掛かってきた。
ザシュッ
「うっとうしい」
ゴブリンを倒してからもう一度茂みの中を見る。
[プキ!]
「逃げた!」
ペンギンのようなもこもこした物が逃げて言った。
『あれは、プルー族ですね』
「プルー族?」
『このフェアルの森に長くすむ種族です。何か知っているかも知れませんね』
「それなら追いかけないと!」
ミナは走り出す。
「待てー!」
[追ってきたプキ!]
プルー族は逃げる。ミナが追いかける。逃げる。追いかける。この繰り返しだ。
「待ちなさいってば!」
[まだ追ってくるプキ?!しつこいプキ。こうなったら、]
足を遅くして、溜めてから思いっきり横にとんだ。
[プキ!]
「な!」
ズサァー
勢いあまって行き過ぎる。
「こ、の!」
プルー族の突っ込んだ茂みにはいる。
『ミナさん!プルー族は擬態の名人です!周りをよくみて!』
「了解!」
辺りを見回す。何もいない。
「どこだ?」
だが、よく見ると草の塊が周りの草を踏み倒して動いている。
「これ?」
あからさま過ぎてソフィーに聞く。
『これです』
ミナはその草の塊を持ち上げる。
[プキ!何するプキ!]
「見っけ!」
暫くの間もがいていたが、襲わないのが分かると、
[プキ?襲わないプキ?]
と聞いてきた。
「ちょっと聞きたいことがあっただけなのにそっちが逃げるから」
[聞きたいこと?]
「うん。この森にくわしい人とか知らない?」
[詳しいひと?それなら長老様が一番知ってると思うプキ]
「長老?」
[プキ。僕達プルー族の長老様だプキ]
「ふーん。何処にいるか知ってる?」
[プキ~。ゴメン知らないプキ。お姉ちゃんが倒した変な奴がいきなり来たから、はぐれちゃったんだプキ]
「そう。じゃあ、いいわ。ありがとう」
[長老様に会ったら大樹広場に居るって言って欲しいプキ]
「分かったわ。名前は?」
[プーだプキ]
「はいはい」
プーと別れ、長老を探しに行く。