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27.望まぬ結果4

気なくスルーされてしまう。


「あのですねぇ···──!」


更に追撃をしようとソファーから身を乗り出した時、扉からノック音が響いた。


「失礼します」


そう言って部屋に入ってきたのは、メガネを掛けた茶髪の男性だった。初めて見かけたが、服装からして神官だろう。左胸には紫のブローチが光っている。


(紫のブローチ…そういえばフィン様も黄色のブローチを付けているわね。色に何か意味でもあるのかしら?それに、神官の制服も動きやすそうなのと動きにくそうなののニ種類あるわ。ここで信仰しいるのは『リアニクシーテ』って名前のキツネさんだ、ってこの前本で読んだけれど…ダメだわ、特に関係なさそうだもの。となれば⋯───)


先ほどまで言いかけていた言葉たちは何処いずこかへ消え去り、いつもの如くそのまま考えが脱線し始める。

そうしているうちに、その神官は手に持っている資料に目をやると、淡々と話し始めた。


「フィン様、お取り込み中失礼致します。四時間前にブロサリー町にて男3人による暴行事件が発生し、被害者と男達を取り押さえた際に軽傷を負った5人を合わせて、怪我人が15名出ています。ご対応願います。それから──」


その神官は、そこで言葉を止めるとこちらをじっと見てきた。


(あー、これは···)


言葉こそないものの、言いたいであろうことを察する。


(──私が話をするのに邪魔ってことね)


この眼差しはライト家に引き取られてから度々向けられたものだ。ただし、ジェラルドの父である(シャーロットにとっても父親ではある)アラスター達からの方はただの敵意による理不尽なものだったが、こちらは情報が漏れたら困る話を今からするからであろう。


そう考えたシャーロットはご暇するべく、わざとらしく手を打つと声を上げた。


「…あぁ!そういえば!この時間は私の聖力が本領発揮するんでした!いやぁ〜忘れてた忘れてた!治療しに行かなくっちゃ!それでは、失礼しましたー!」


身振り手振りと声の抑揚というスピーチをやる上でのコツを踏まえた、渾身の演技をやりきると、シャーロットは達成感に満ち溢れながら執務室から扉を大きく開けて立ち去った。国民の前に立つ国王のような、堂々たる態度である。

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