20.城下町探索
「シャリア、初日からお疲れ様!もう5時間経ったからこれで今日の活動終わりで大丈夫よ」
「つ、疲れた…。この後って活動報告とか行かなくて良いの?」
この五時間、シャーロット達は町中を歩いて怪我人を見つけては治療するのを繰り返していた。ざっと25人近く治療しただろう。魔力や聖力は体力と直結しているため、かなり疲労してしまった。正直、活動報告に行くのが大変億劫である。というか、あの男に今日はもう会いたくないのが本音だった。シャーロットは一度出し抜かれたのを大変根に持っていた。
尋ねると、リリーは人差し指を口の前で立てふふんと笑って見せる。
「ええ。その証明書、聖力感知がついてるの。それで…シャリアの元気がまだ残ってるならこのまま城下町を探索しようと思うのだけれど。どうする?」
そんなの、答えは一つだ。
「行く!」
□■□
シャーロットはリリーに案内されてアクセサリーショップに来た。
店内には沢山のかわいらしいアクセサリーが並んでいる。
(綺麗…)
今まで兄が稼いだお金でなんとか生活させてもらっていたためシャーロットはアクセサリーなど一つも持っていない。伯爵令嬢なんて肩書は名前だけだった。
そのため、アクセサリーには大変憧れがあるのだった。
いつか買ってみようと思いながら眺めていると、金色のガーベラの髪飾りが目に入る。
なんとなく気になって見つめていると、後ろから声をかけられた。
「それが気になってるんですか?」
(!?この声…)
「わぁ、フィン様!いらっしゃったんですか?」
あの男が胡散臭い笑みを浮かべて後ろに立っていた。この男、絶対腹黒い。そんな偏見を持ちながらはたと気づく。
(この男、フィンって名前だったのね…)
「はい。少し用事があって。それにしても、二人ともお疲れさまでした。シャリアも見習い1日目とは思えないほどにしっかり治療できていました。見込んだとおりの結果で嬉しいです」
活動の様子を見ていたのかと驚くのと同時に、期待されていたこと、褒められたことどちらも嬉しくて口角が自然に上がっていくのを感じる。
「ふふ、私もシャリアの優秀さには正直驚いています。聖女見習いの卒業も早そうですよ。ところで…お時間は大丈夫ですか?」
「あぁ、まだ約束の時間まで少し余裕があるので大丈夫ですよ。」
一体アクセサリーショップに何の用なのか、と思っていたが誰かと会う約束をしていたのか。だがもし用事があったなら…なんて想像をしてしまう。




