第二十二話
笑いの神、島に満ちる
海が“笑い”を運ぶ布袋尊が海の試練を越えたとき、
海はまるで大きく息を吐くように静まった。
潮風が柔らかくなり、
波が丸く揺れ、
空が明るく開ける。
海の声が響く。
――笑いの神よ。
お前の軽さは、世界を救う。
淡路島へ行け。
七柱目として。
布袋尊は腹を叩いて笑った。
「ハハハッ!よし、行こうじゃないか!」
潮の道が開き、布袋尊は袋を揺らしながら歩き出した。
六柱が待つ島の岩屋の浜。
そこにはすでに六柱が揃っていた。
海の恵比寿
大地の大黒天
雷の毘沙門天
水と音の弁財天
星の理の福禄寿
老いの完成の寿老人
六柱は、遠くから近づく“笑いの光”を見つめていた。
弁財天が微笑む。
「……あれは、笑いの神の音。」
恵比寿は潮の匂いで確信した。
「七柱目が来る。」
寿老人は静かに頷いた。
「これで……揃う。」
浜に降り立つ潮の道が浜に触れた瞬間、布袋尊は姿を現した。
「ハハハッ!よくぞ待っていたな!」
恵比寿は思わず笑った。
「なんだか……海まで笑ってる。」
大黒天は深く頷いた。
「この笑いは、豊穣を呼ぶ。」
毘沙門天は腕を組んだまま、
しかし口元がわずかに緩んだ。
「戦の緊張が……解ける。」
弁財天は琵琶を抱え、
布袋尊の笑いに合わせて弦を鳴らした。
「音が……軽やかになる。」
福禄寿は静かに言った。
「星の巡りが整う。」
寿老人は微笑んだ。
「老いの痛みが和らぐ。」
ついに揃う布袋尊が六柱の前に立った瞬間、
島の空に大きく“七色の光”が走った。
恵比寿は震える声で言った。
「……これが、七柱の力。」
大黒天は袋を握りしめた。
「世界が……軽くなる。」
毘沙門天は宝塔を掲げた。
「影が……怯んでいる。」
弁財天は潮風を読み取った。
「無福王の気配が……揺らいだ。」
福禄寿は空を見上げた。
「七柱が揃った。これで“理”が完成する。
寿老人は杖をつき、静かに言った。
「だが……まだ始まりにすぎぬ。」
布袋尊は腹を叩いて笑った。
「ハハハッ!
ならば行こうじゃないか!
七柱で世界を救う旅へ!」
国生みの丘へ七柱は並んで歩き出した。
海大地雷水星老い笑い
すべての理が揃い、島の国生みの丘 へ向かう。




