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第1話 静かじゃない物語
今こそ目覚めよ。
星々が恐れ、神々すらその名を歴史より葬り去った、古代魔法帝国アシャルジール――。
その暗黒の玉座に刻まれし、永劫なる封印を解き放て。
我が身に流れるは、大魔導師ネムティメリアの末裔たる黒き血脈。
魂に刻まれし“詠唱”は、深淵なる闇の力によって、永き眠りのうちに封じられている――。
なーーんてねっ!
そんな設定だったらカッコいいんだけど、現実はもっと単純な話。
沈黙のヒロイン。
そう聞くと、きっと皆さんは、『健気で大人しくて、ハンカチ必須のお涙頂戴ストーリー』を期待するかもしれない。
でも、残念なお知らせがある。
私たちは揃いも揃って、そんな湿っぽい空気を一瞬でぶち壊す、超絶不器用なド阿呆たちなのだ。
だからこれは、私が世界一やかましい手段でアイツらの脇腹に拳を入れ、ときどき盛大な妄想にふける、最高に騒がしい青春の記録。
ちょっとだけ切ないこともあるけれど、まあ、それはそのとき考えよう。
では、汝にこの物語を捧げよう。
まずは、あの面倒くさい男の話からだ。




