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状態異常使い、敵を溶かす。~状態異常ビルドのVRMMO~  作者: MEはCat
【第四章】新しき風、蒼白なる魂を運びて

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屍人が舞い、死骸が残り、死人が焼かれる

『埋葬庭園(外縁墓地)』


 踏み入れた瞬間、靴裏にじわりとした感触が纏わり付く。

 低く傾いた墓石が規則も無く点在しており、どれも雨風に削られたのか、刻まれていたはずの名前は殆ど読めない。


 風が吹く度、どこかで土が崩れる音が響く。

 ふと振り向いても何もない。

 確かに()()が動いた気がするが、姿は無かった。


「中々不気味なダンジョンだね」


「こういうの苦手かしら?」


「オジさんに怖い物は無いさ。ただ、ここが興味深いだけだよ」


 玩具戦士が軽く屈んで地面を触ると、非常に土は柔らかかった。

 まるで何度も掘り返された後のように、不自然に沈む。


「ぐがぁぁぁぁぁぁ!!!」


 突然、それは地面から死体だったはずの存在。

 そう、ゾンビが出現した。

 皮膚が焼け爛れており、苦しそ――――


 バコンッ!


[屍人を倒しました]

[100HGを入手しました]


 玩具戦士は何の躊躇いも無く、屍人を殴り飛ばした。

 屍人は強烈な一撃に耐えられなかったのか、上半身が消し飛ぶ。


「これじゃどっちがモンスターか分らんな」


「同意見だ」


「同じく」


「よく躊躇無いわね……」


「これオジさんが悪いのかい?!」


 数多のゲームの中で、ホラーゲームと呼ばれるジャンルがある。

 それは暗い場所で怪物や怪異から逃げたり、お化け屋敷のようにプレイヤーを驚かせるイベントだったり――――

 とにかく人を怖がらせ、ビックリするのを楽しむゲームだ。


 そんなホラーゲームの怖さを半減させる方法がある。

 その1つがプレイヤーに()()を与える事。

 化け物への対抗手段があれば、一気に怖さが消えるのだ。


 そして、その武器がパワースーツであれば尚更怖さなんて感じるはずが無い。

 何ならパワースーツの方が怖い。


「もしかして、そんなに難易度高くないダンジョンなのかしら?」


「……僕様も薄々そう感じてきたぞ」


「俺、これが終わったら紅茶をがぶ飲みするんだ……」


「兄貴、つまらないからってフラグで危機を召喚するの辞めてくれ」


 この調子じゃ俺必要無かったかもしれないな。

 ()()()()が無い限り、玩具戦士だけでもダンジョン攻略出来そうな気がするぜ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


『埋葬庭園(内周墓地)』


「……………………」


 前言撤回。

 起きたわ余程の事。


「いつの間にか……皆居なくね?」


 俺がはぐれたのか、皆が俺を置いていったのかは分からない。

 ただ覚えている事は――――

 突然()が立ち込め、次の瞬間、自分1人になったという事だ。


 これでは連携など機能しない。


 マップの表示がいつの間にか『埋葬庭園(外縁墓地)』から『埋葬庭園(内周墓地)』へと変わっていた。

 ここの霧は濃く、灰色と呼ぶには黒い。

 墓石は外縁墓地よりも巨大化しており、形もどこか歪んでいた。


 傍には死骸が転がっていた。

 既に白骨化しており、その骨も微かに風化している。

 かなり前に息絶えたのだろうか。


「これは……」


[『導きの電灯』を入手しました]


◆◆◆◆◆◆◆◆◆


導きの電灯

それは、宇宙調査隊が使用していたとされる懐中電灯。

前方を照らしたり、隠れている物や存在を発見するのに役立つだろう。


最早伝説と化した宇宙調査隊。

その結束を示す証。

だが示す相手がいなければ、それは証とは呼べない。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「……とんでもない裏設定覗き込んだ気がする」


 情報を整理してみよう。

 聞いた話によると俺らは『アマテラス社』に所属する遺物ハンターという事になっているらしい。

 その『アマテラス社』が遺物ハンターとして俺達を雇ったって設定があるから、俺達がこの世界に居る訳だ。


 ではその『アマテラス社』は何故、ここの世界を開拓したいのか。

 この世界に価値があるからだ。


 ――――何故()()()()()と分かったのか。


 勿論、ただの一攫千金って理由でもおかしくない。

 だが他の会社もこの世界に遺物ハンター、つまりプレイヤーを送り込んでる訳だろ?

 それはこの世界に何かがあると()()していたからだ。


「んで、その事前情報を提供してくれた先駆者が――――宇宙調査隊って事か」


 これはただの考察に過ぎない。

 だが、そう考えると妙に納得してしまうな。


 この白骨死体の奴が、その宇宙調査隊の一員なのだろう。

 探索中に迷い込んで亡くなったか。


「じゃ、これは有難~く頂戴するか」


 どうせ死んでしまったら使い手が居ない。

 それなら、生きてる奴が有効活用した方がいい。


 カチリ。


 ボタンを押すと、前方に光が灯った。

 ……死骸になっている程時間が経ってるはずなのに付くものなんだな。

 SFの超パワーは凄いって事にしとくか。


 先へと進んでいくと、微かだが戦闘音が耳に入る。

 少し先には橙色の()がゾンビを焼き尽くしていた。


「ふはははは! どうだ喚くだけの死人共! 心配せずとも、この僕様が貴様らを火葬してやろう!」


 まおうの両手には『滅界双炎(火炎放射器)』が握られており、瞬時に敵を焼却する。

 無数のゾンビを華麗に業火へと引き込むその様は、まるで本当の()()のような威圧感を放っていた。


[屍人×9を倒しました]

[900HGを入手しました]


 普段がポンコツなだけで、戦闘になると普通に強いな。

 まおうに対する見直しが必要なのかもしれない。


「む、強敵の気配……そこか!」


「よぉ、加勢は必要無さそ――――


 え?


5人の描写って難しいよね……。

あっ閃いた……!

強制的に分断させればいいんだ!


次回、赤月タヒす!

デュエルスタンバイ!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆


名前 『赤月の夜』赤月

階級 ランク28

所持金 48000HG(1700BP)

武器 災極双転銃【極性災雷】

武器 災極双転銃【極性災雷】

防具 災雷纏装【極性増幅】(紅砂のガンマン)

装飾 腐王鴉の眼核【死肉の王眼】

装飾 毒蜜女王の毒腺輪【紫蜜ノ血】

装飾 蜂王の統率環【群体支配】


ステータス

体力 150

魔力 150(+25)

攻撃力 60(+10)

防御力 50

素早さ 40(+10)

毒効力 1毎3(+1)

自動魔力回復 1秒毎4(+1)

状態異常命中 +100%


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

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