これからの決闘
[元の空間に戻ります]
決闘が終了し、俺とBANは元の場所へと戻された。
俺はただBANを見下ろし、BANは俺を見上げている。
「……くっ、これはまた……随分と綺麗にやられてしもたなぁ」
そんな軽口を叩いてはいるが、その額には冷や汗が浮かんでいる。
視線の奥には、隠しきれない悔しさが滲んでいた。
きっと今頃コメントは荒れに荒れている事だろう。
これから炎上騒動に巻き込まれるに違いない。
「……行かへんのですか? もう決着はついとるはずや思いますけど」
「そのつもりではあるんだが……その前に言っておきたい事があってな」
「……それ、まさか憐れみのつもりやあらへんやろな?」
憐れみ……そう言われればそうなのかもしれないし、正確には違うものなのかもしれない。
無いと言えば嘘になるが、どちらかと言えば傍観者のくせにボロカス言う後ろの奴らに対して怒りが湧いている。
戦ってもいない、ただ画面越しに物を言う奴らがプレイヤーに対し罵詈雑言をぶつけて良いはずがない。
「お前、実は配信付けてるんだろ。どうせだったら宣伝に使いたくてさ」
「……どうぞ」
俺はわざとらしく咳き込む。
そして、大きな声で言いたい事を全部喋る事にした。
「――――聞こえるか〜BANのクソリスナー共。さっき決闘で勝った赤月って言う者だ。こっちからは見えないがきっとブーイングの嵐だって事は分かるぜ〜」
十中八九ブーイングじゃ済まない程の地獄絵図になっていると思うが、そんなの知らん。
何せコメント見えないから傷つきようが無いしな!
「前置きはここまでにしてだ……俺から言いたい事は――――「もし俺に恨みがあるなら、かかって来い」だ。勿論、このゲームでの話な?」
楽しいPVPライフを送るには、そもそもRelics Onlineの人口を増やさなければならない。
俺はRelics Onlineを長く続けたいとは思ってる。
それで「BANがやられたからRelics Onlineするのは辞めよう」なんてされれば、逆に傷付くからな……。
「偉そうに文句垂れ流すくらいなら、直接Relics Onlineに殴り込みして来い。いつでも相手してやるからよ」
俺はそれだけ言って『カラカラ荒野』から去った。
後ろを振り向かず、ただ前を向いて歩いて行った。
きっと、Relics Onlineは盛り上がりを見せる事だろう。
それと同時にライバルも増える事だろう。
……あぁ、楽しみだな。
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『人気配信者BAN、決闘敗北で炎上騒動か 対戦相手が“挑発発言”で波紋』
オンラインゲーム界隈で注目を集める人気配信者「BAN」が、対人戦(PvP)で敗北したことをきっかけに、コミュニティ内で大きな議論を呼んでいる。
問題の発端は、ゲーム「Relics Online」内で行われた決闘。配信中とみられる状況で、BANはプレイヤー「赤月」と対戦し敗北。
その直後のやり取りが、視聴者の間で波紋を広げている。
決闘後、BANが悔しさをにじませる中、勝利した赤月は配信を意識した発言を開始。
「BANのリスナー」に向けて、「もし恨みがあるならゲーム内でかかって来い」と挑発とも受け取れるコメントを発した。
この発言に対し、SNSや配信コメント欄では賛否が分かれている。
一部では「ある意味正論」「ゲームで決着をつける姿勢は良い」と評価する声がある一方、「煽りが過ぎる」「炎上狙いではないか」といった批判も見られる。
また、今回の一件により「Relics Online」自体の注目度も急上昇。
プレイヤー人口の増加や新規参入のきっかけになる可能性も指摘されている。
ゲーム配信文化において、配信者と視聴者、そして対戦相手の関係性が改めて問われる今回の騒動。
今後のコミュニティの動向に注目が集まる。
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名前 赤月
階級 ランク15
所持金 6240HG
武器 蒼天機兵の蒼炎刀【蒼炎点火】
武器 血酸嘴砲【血腐食霧】
防具 血羽の屍外套【死肉伝播】
装飾 腐王鴉の眼核【死肉の王眼】
装飾 粉砕機兵の圧壊輪【大震撃】
装飾 蒼炎の炉心核【蒼炎燃焼】
ステータス
体力 80
魔力 80
攻撃力 60
防御力 20
自動魔力回復 1秒毎2
状態異常命中 +60%
状態異常耐性 +40%
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