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一人前の証明③

 単独で徘徊する小鬼を倒す事、六回。

 ようやく二体同時との戦いになった。


 敵が複数いるときは、常に全体を把握する必要がある。

 目の前の敵に集中し過ぎて他の敵に後ろから殴り殺される、というのはどこでも聞く冒険者の末路だ。あとは単独の敵との戦闘でも、周囲からの乱入が無いか探り続けないといけないけど。

 特に今の俺のように単独で動いているのなら、ちょっとしたミスでも致命的なので、特に気を付けないといけない。


 もっとも。


「一撃で敵を処理できるなら、あんまり気にする必要は無いんだけどな」


 俺は小鬼の首を一撃で刎ね、返す一撃でもう一体も切り伏せる。小鬼二匹は何もできず殺された。

 小鬼の死体は霧と消え、あとには魔石が残される。

 俺は床に落ちた魔石を回収し、皮袋に収納した。



 武器の都合や敵との相性でできない事もあるけど、初撃で敵を一体まで追い込めるうちは大丈夫。

 油断や慢心ではなく自信を持って、心に余裕を作る方が良い。

 適度な緊張感は大切だけど、緊張しすぎると体力を無駄に消費するからね。


 心の持ち方も、戦地にいる間はとても大事だ。

 できれば仲間を早く作って、もっと余裕が欲しいんだけどな。





 ある程度進めば、小鬼は集団ばかりになる。

 そして倒した小鬼が三十を数えたところで。


「駄目だな。帰るか」


 武器の消耗が、自分の中の閾値を超えた。

 振るうたびに剣の芯がずれたように感じたのでよく見てみれば、刃と柄の接合が甘くなっていた。応急処置は出来るけど、これは危険な兆候である。

 とりあえず直したからまだ戦えるけど、このままではどこかで剣が折れるかもしれない。そんな状態になった。


 迷宮の中なので出来やしないが空を見上げられれば日はまだ高いだろうし、予備武器の同じ剣もあるが、初日から無理をする気は無い。今日は様子見なのだ。

 帰り道は敵と出くわす可能性がぐっと下がるが、あえてそれに挑戦したいとは思わない。さっさと帰るとしよう。



 帰りにも小鬼と何度か戦い、初日の戦果は小鬼四十三匹と、それなりに誇れる数字であった。

 小鬼の魔石は十匹につき銀貨一枚。よって銀貨四枚が今日の収入だ。

 街中で働く同年代なら銀貨一枚稼げれば良い方なので、命の危険に見合った収入と言えるだろう。



 家に向かう途中で武器屋に寄って剣を見てもらい、専門家に直してもらう。

 軽い仕事でも手間賃として銀貨一枚と小鬼十匹分の収入が消えたが、これは必要な経費だ。

 さらに飯代を考えると、貯金や次の装備に回すお金は銀貨二枚。


 将来を考えると、もっと稼がないとまずいな。

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