表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/90

目に見える成長と違和感

 しばらくは俺の稼ぎが減るけど、二人で小鬼退治。

 そう決めて、六日目。


「一回、鬼角犬と戦ってみたいんだけど、いいかな?」

「え? いきなりどうしたの?」

「いや、鬼角犬なんだけどね。何度か倒しているけど最近は挑んでいないから、挑みたくなったんだ」


 俺は楠葉さんにそんな提案をしてみた。


 小鬼と戦って連携の確認をしているけど、ちょっとだけ鬼角犬に手を出したくなった。

 小鬼と戦い続けることに飽きたわけではなく、ただ、ここ最近は鬼角犬と戦わずにいたから勘が鈍っていないかという危惧を抱いたのだ。

 連携も大事だけど、鬼角犬相手の経験値を腐らせてしまうのは勿体ない。


 連携もそうだけど、まだ体で覚えるほど戦っていないのだ。

 このまま小鬼とばかり戦っていると、鬼角犬との戦いがまた最初からやり直しという事になりかねない。



「勝てるの?」

「いまならまだ勝てるはず。これ以上間が空くと勘が鈍りそうだからね。

 それに、今まで何度も無傷で勝っているよ。大丈夫」

「それなら、いいかな?」


 なぜか楠葉さんは俺が鬼角犬相手に後れを取るかのような心配をしている。

 一応、最初の自己紹介で鬼角犬と戦っているって話はしてあったんだけどな。もう忘れたかな?

 戦う許可はもらえたけど、ちょっと微妙そうな表情だ。


 あと、俺が鬼角犬と戦う所を見て、楠葉さんも一人で勝てる程度の実力を身につけてほしいところだけど。楠葉さん自身は、自分もそのうち戦うって事を分かっているかね。

 楠葉さん一人でも勝てるとは思うけど、鬼角犬は結構厄介だから無傷は難しいかな? どうだろう?





 久しぶりの鬼角犬という事で、俺も集中して戦いたい。

 楠葉さんには少し距離をとってもらい、一人で戦う。


 楠葉さんと連携した方が楽なのかもしれない。

 けど、まだ連携できると言えないし、まずは一人でやってみたい気持ちもある。

 楠葉さんは周囲の警戒をしつつ、見守っていてほしい。





 そうして戦った鬼角犬は、以前よりもあっさりと倒すことが出来た。

 たぶん、前に戦った時よりも楽だったと思う。


 楽になった理由はよく分からない。

 視野が広がったような気もするけど、そこまで大きな違いはないはず。

 ダンジョンに慣れて体が動くようになった?

 考えても答えは出ない。



 楽になったのだから良い事なんだろうけど、自分の中の違和感を形にできず、モヤモヤする。

 勝ったっていうのに、なんか不完全燃焼だな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ