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一人前の証明①

 冒険者になるは、冒険者ギルドへの登録が必要になる。

 登録には資格試験の類が無く、ただ書類を記入して提出すれば、誰でも簡単にすることが出来る。自分で文字を書けない者の場合は、小銭が必要だが代筆サービスもある。


 そうそう。登録に制限は無いけど、十二歳が冒険者登録をするときの最年少と言うのが海月にある冒険者ギルドの不文律になっている。

 年齢なんていくらでも誤魔化しがきくけど、あまりに幼い場合は追い返すらしいね。



 書類を提出した後は焼き印を押されたクソ硬い木片を渡される。

 この木片が冒険者としての証明になる。

 冒険者としての実績を積めば金属片に替わるけど、それは初心者を脱出してから。

 十把一絡げの初心者にお高い金属を使うのは嫌なんだろうな。初心者の時期が一番死にやすいし。


 書類を提出して数字だけが書かれた木片をギルドの受付おっさんから受け取った俺は、「これで冒険者になった!」なんて騒ぐことも無く、この日はそのまま家に帰った。





 晴れて冒険者になった俺は、さっさと「一人前の証明」をする事にした。


 「一人前の証明」とは、ダンジョン内に設置された「トランスポート」まで一人で辿り着くというもの。

 初心者でも頑張ればだいたい半日で辿り着ける場所に設置されたそれ(・・)は、一瞬でダンジョンの外に出ることを可能にする。

 ダンジョンから外へ出ることにしか使えないので街と街を結ぶ事は出来ないが、トランスポートがあるか無いかはダンジョン攻略において非常に重要な役割を持つ。

 もっと奥にも設置されているけど、ダンジョン外縁部、浅い所に設置されたトランスポートに一人で辿り着けば「冒険者として最低限の実力」を持っていると言われる。


 最初から最後までパーティで頑張る連中には関係なく、一人で戦う事をするつもりのない魔法メインの奴には関係ないが、剣などの武器で戦う奴にとって「一人前の証明」はとても重要だ。

 俺の場合は特に、これからちゃんとした仲間を集めようというのだから、自己アピールできるこの証明は、是が非でも入手しておきたい。



「最初の方はそこまで暗くないけどね。慣れるまでは松明を使うと良い」

「水は多めに持っておくのよ。水袋が途中で破れる事もあるの。注意してね」


 そんな訳で、親の手を借り荷物の準備をした俺は、朝一番で初のダンジョン攻略に向かうのだった。


 目標は五日以内。

 無理なんてせずに、確実に行こう。

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