割と適当4
誰も待ってなどいないのだろうけど。
更新遅れてすいません!
「これ、囮と似たような物じゃないかこんな危険犯す必要あるのか!?そもそも、親友なら何故止めてやらない!せめて2人で」
「そもそも運ゲー何だ。2人で行ったら相手が観念する確率は上がるが襲ってくる確率は下がる。止めたところで誰がやるんだって話だ。アイツは反対されたら面倒くさいからギリギリまで言わなかった、これぐらい分かるだろ?アイツがやる気なんだから止めねぇよ」
「てっきり、佐月くんが頭脳担当で神崎くんが実践担当かと思ってた」
「うーん、そう言う役分けは俺たちにはないですよ。まぁ、今回はアイツが首突っ込んだことなんだ。カッコつけさせたいんですよ」
「何で、そこまで……」
何か思うところがあるのか小さく呟くまみさん。
「俺は知らないですよ。アイツに聞いて下さい」
そう振り返りもせずに呟いた。
◇
さて、形勢逆転。
いや、そもそも形勢はこちらだったのかも知れない。
「ホントはさ。十分な証拠なんてなかったんだよ。最後に見せた動画アレネットで適当に拾った物なんだよね。謝罪動画撮ったけど本人確認とか色々自信がないとこもあったんだ。警察署で脅されただけとか言われても面倒だしね。でもさ、今のは暴行罪、現行犯。証拠ありだ。言うならばチェックメイト或いは詰み。そう言うことだよ。おっさん」
「な、なな」
一つ。俺は嘘をついた。
いや、一つじゃないけど。嘘しか言ってないけど。
一つ心にもないことを言った。
人を騙す嘘は幾らでもつける。後で嘘とバラすから。
ただ、自分を騙すような嘘はどうにも好きじゃない。むず痒い感じが残るから。
だからここで言ってしまおう。
良かったなんて、思ってない。
決して、思ってない。
できるなら平和に終わらせたかった。
おっさんの人生をこれ以上無責任に破壊したくなかった、出来るなら。
ただ、初めたのはおっさんだ。
裁くのは俺だ。
なんてカッコつけてみたり。
「た、頼む、職を失うわけには行かないんだ。ゆ、許してくれないか?」
「不利だと思ったら媚びるのか。否定はしないが肯定も出来ないな」
辛辣な慎也の声。でもすぐに否定しないだけ落ち着きを知ったのだろう。
「おっさん、アンタは痴漢したそしてそれに鉄槌を下しに来た。いわば報復に来た。諦めなよどっちかだよ。どちらかの罰は受けなくてはならない」
「が、ガキがぁ!!ふざけるなよぉ!何なんだ!」
俺達を振り切っておっさんは逃げて行った。
「ちょ、ま」
「良いよ、慎也。終わりだ。どうしますかリンさん、まみさん」
あくまで不敵に笑みを浮かべて。
全部を終わった安心だってニカッて笑うんだ。
「ふん、どうもこうも痴漢はやはり許せない。警察に届ける」
あくまで、まみさんのことを思う友達としてはそうだろう。
正しいと思う。
「そっすか、そうですね。じゃあ後はやっときます」
ふぅ、これで今回の事件も終わりだ。
「お、おい。あの、改めてありがとう。痴漢だと決めつけてあんなに酷いこと言ってすまなかった」
あまり酷いことを言われた記憶はないがすまないと思ってるんだな。
律儀というか何というか、直情。
良いねぇ一直線。
「私からもありがとう」
お、まみさんの声、レアだ。
やっぱり可愛いなぁ。
「その、何でここまでしてくれたんだ?」
リンさんがそう聞いてきた。
当たり前の疑問だ。
「そりゃあ、最初に言ったでしょ。俺が女の子の味方だからですよ。さぁ、行こう!慎也!お嬢さん方帰り道と満員電車には気をつけて下さいね。それじゃあまた何処かで」
◇
「どんな気分?」
「最悪」
「何で」
「嘘、最高。いつだって最高。あの人達の手助けみたいなことが出来て良かった。ただ、正義も持たずに戦うのは辛い。正義を盾にしなくては人間は脆い」
「そうか。これで何回目だっけ」
「五回目かな?」
これは勿論痴漢冤罪の吹っ掛けられてから真犯人を見つけるまでだ。
全く不運だぜ。
◇
「佐月凪、と神崎慎也か…また会いたいな」
色々。評価とかやる気にも繋がるんでお願いします!




